急な旅行の計画やイベント参加など、さまざまな人間関係のなかで、未成年でも思いがけないタイミングでお金が必要になることがあります。簡単に諦められることならいいものの、「少しお金を借りられたらいいのに……」と思ったとき、どんな方法を思いつくでしょうか。

両親に相談できれば話は早いのかもしれませんが、相談しにくい内容やできない状況もあるでしょう。そこで今回は、18歳でもお金を借りられる金融機関について解説します。

未成年が金融機関でお金を借りられない理由

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(画像=PIXTA)

結論から言えば、銀行や消費者金融でお金を借りようとしても、18歳では保護者の同意があっても借りることができません。その理由は、未成年の場合は返済能力が低いケースが多く、貸し倒れのリスクが高くなることにあります。

また、第三者が親になりすまして同意していないかを確認する作業にコストがかかることもあり、金融機関にとってはデメリットしかありません。仮に保護者の同意が偽物であった場合、民法に定める未成年者取消権によって契約が無効になってしまうリスクもあります。これらの理由から、未成年が金融機関からお金を借りることができないようになっています。

未成年者取消権行使のリスク

未成年者取消権は、民法第5条の未成年者保護規定で、「未成年者が親権者や後見人の同意を得ずに結んだ契約は取り消すことが可能」と定められているものです。ただし、婚姻している場合は未成年でも未成年者取消権が行使できないので、融資を受けられる可能性があります。

この規定では、未成年者が貸金業者を欺いて契約した場合、未成年者取消権を行使できないというルールにはなっているものの、トラブルに発展する可能性は高くなります。その対応に時間を取られるのはもちろんのこと、SNSやニュースでトラブルが拡散されれば、ブランドイメージに傷がついてしまうのは金融機関なのです。

現在、法務省は2022年4月から成年年齢を20歳から18歳に引き下げることを発表しています。これによって未成年の定義が変われば、18歳でも借り入れができるようになるかもしれません。

未成年の融資には親権者の同意が必要

それでは、未成年がお金を借りるにはどんな手段があるのでしょうか。基本的にはクレジットカードのキャッシング枠、学生専門ローン会社、質屋という3つの選択肢があります。

未成年がお金を借りるにあたっては、民法に以下のような条文があるため、どの方法を使う場合でも「親権者の同意書」が必要になります。

第5条(未成年者の法律行為)
1 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。

引用元:民法第5条

ここでいう「法定代理人」とは、親権者のことです。分かりやすく言い換えれば「未成年が親に同意なく契約した場合、その契約は親の権限で取り消すことができる」となります。

この法律を逆手にとって利用者の都合で契約を勝手に取り消されることを防ぐために、親権者の同意書を利用者に提出してもらうのです。すでに社会に出て自活していても、この法律の下にあるため、未成年の場合は親の同意書の提出を求められることになります。

クレジットカードのキャッシング枠を活用する

クレジットカードならば、学生や未成年でもつくることができます。自分名義のクレジットカードを持っていれば、買い物をする際に利用できるショッピング枠とは別に、現金を引き出せるキャッシング枠を利用できます。

ショッピング枠とキャッシング枠にはそれぞれの限度額が定められており、最大50万~100万円程度となっています。それをオーバーして機能やサービスを利用することはできません。

ちなみに、一般的なキャッシングの金利は年15.0~18.0%とほかのローンと比較して高めなので注意が必要です。利用するとしても、できる限り短期で返済できる場合に留めることをおすすめします。

ゆうちょ銀行に貯金があれば自動貸し付けが可能

また、未成年でも借り入れできる方法に、ゆうちょ銀行の自動貸し付けがあります。自動貸し付けとは、ゆうちょ銀行に預け入れしている貯金や国債を担保にして、預入金額の90%まで最大300万円のお金を借りることができる融資制度のことです。

現在新規受付をしている自動貸し付けを利用できる貯金の種類は、担保定額貯金と担保定期貯金の2つです。すでに財形貯金、国債の口座を持っている場合も利用できます。

2020年4月現在、担保定額貯金と担保定期貯金を担保にお金を借りられる貯金担保自動貸し付け以外は、取り扱いが終了しています。利率は、担保定額貯金は「返済時の約定金利+0.25%」、担保定期貯金は預入時の約定金利+0.5%」で、貸付期間は最長2年間です。

ゆうちょ銀行の場合、自分では口座を作っていなくても、親が子どもの名義で作っているケースがあるので確認してみてもいいでしょう。

就職していれば「ろうきんカードローン」も検討

ろうきんカードローンは、年齢が18歳以上でろうきんに出資している労働組合などの団体に所属している団体会員の構成員か、「ろうきん友の会」に加入する一般勤労者のいずれかであれば、親の同意のもとで融資が受けられます。

ろうきんカードローンのメリットは、最大でも年7.7075%という低金利です。クレジットカードや学生ローンの金利が年10%以上であることを考えれば、金利を低く抑えられるうえ、借入限度額も最大で500万円と大きいことが魅力です。

低金利の秘密は、ろうきんが非営利組織であり、会員へのサービスを目的としている企業だからです。そのため、金利が低いにもかかわらず、比較的審査に通りやすいことも魅力的です。

20歳未満の場合は学生ローンを利用

学生や未成年がお金を借りられる方法を調べると、まず上がってくるのが学生ローンです。18歳以上(高校生不可)でアルバイトをしている人なら、収入がそれほど多くなくても利用できます。

学生ローンという名称ですが、社会人でも融資を受けられます。学生向けに特化しているため限度額は5~10万円程度と少ないですが、その分銀行のカードローンと比較すると審査に通りやすいという特徴があります。

ただし、親への連絡なしで貸し付けしてくれる金融機関はほとんどないため、親の承諾が必要です。Webでの申し込みに対応しているケースが少なく、対面でしか契約できない場合があるので、注意しましょう。

進学目的なら奨学金や教育目的ローン

未成年が学費のためにお金を借りる方法には、奨学金や教育目的ローンがあります。それぞれの詳細について確認してみましょう。

・奨学金

奨学金制度とは、能力と意欲が高いにもかかわらず、経済的に就学困難な学生に給付または貸与し、学費や生活費を支援する制度です。奨学金制度の利用審査にあたって重要視されるポイントは、入学前や在学中の成績や本人の学習意欲、そして世帯の収入です。

奨学金制度は審査に時間がかかるため、余裕を持って申し込みましょう。奨学金の利用中に成績不振などになった場合、途中で支給を打ち切られる可能性がある点にも注意が必要です。

・教育ローン

教育ローンは、学費・留学費用・旅費などに利用できるローンです。国が提供するローンのほか、JAバンクやろうきん、民間金融機関も提供しています。このような目的ローンの場合、銀行や消費者金融の一般的なカードローンと比較すると、金利が年4%ほどと低めに抑えられていることが特徴です。留学費用などにも使える額として、最大1000万円まで借り入れができる教育ローンもあります。

消費者金融系のカードローンを検討する

未成年は利用できませんが、学生でもアルバイトなどの安定した収入があれば、20歳になると消費者金融カードローンで借り入れが可能です。代表的な金融機関の特徴を紹介します。

・プロミス

貸し付け対象は、年齢20~69歳の安定した収入がある人となっていますが、学生でもアルバイトなどで収入があれば借り入れが可能です。初めての利用なら、「30日間無利息サービス」があるので、すぐに返済できるあてがあれば、利息を節約して借り入れができます。

・アコム

貸し付け対象は、20歳以上の安定した収入と返済能力があり、アコムの基準を満たす人となっています。アコムでは、全国各地に設置されている自動契約機「むじんくん」を利用することで、朝9時から夜21時まで年中無休(年末年始は除く)で契約できます。また、初めての利用には「30日間無利息サービス」が用意されています。

・アイフル

アイフルも20歳以上であれば借り入れができますが、定期的な収入があることが前提となります。特徴は、申し込みから最短30分で終わるスピーディーな審査です。スマートフォンからでも申し込みが可能です。初めての利用には「最大30日間利息0円サービス」が用意されており、利息をかけずに借り入れができます。

このように、18歳では大手消費者金融を利用することはできません。もし借りられるところがあったとしても、そこは問題のある金融業者だと言えるので注意が必要です。

借りる前に、まずは両親に相談を

お金が必要になったとき、「どうにかして自分でお金を工面しなければ……」と考えてしまいがちですが、未成年のうちは親に頼ることも検討するべきです。ここまで説明してきたとおり、未成年では親の協力を得ることなくお金を借りることはできません。

どうしても難しいケースを除いて、1人暮らしで独立したのだから頼れないと思っても、話をしてみれば意外とすんなり送金してくれこともあるでしょう。万が一トラブルに巻き込まれた場合、大ごとになる前に早めに相談することも大切です。