総量規制とは、貸金業法により「貸しすぎ・借りすぎ」を避けるために規定されたものです。お金を借りた人が無理なく返済できるように、その人の年収の1/3までに借入額を抑えることを規定しています。

ただ、どうしても一時的に多額の借り入れが必要な人がいるのも事実です。そのような人が総量規制という枠を超えて、借り入れをするための方法もあります。

この記事では、総量規制の定義や総量規制を超える借り入れができる方法を網羅して解説していきます。

総量規制とは何か?

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(画像=PIXTA)

金融機関でお金を借りる際、希望額によっては法律の規制を受けて借り入れ自体ができなくなる場合があります。

「貸金業者」の「貸しすぎ」、もしくは利用者の「借りすぎ」を防ぐために貸金業法によって決められた基準・総量規制があるからです。これにより、対象業者から借り入れをする際には、貸付額を年収の1/3までに抑えなければなりません。

貸金業者は、利用者がどのような目的のためにお金を必要としているのか、あるいはその人のほかの借り入れ状況はどうなっているのかを確認します。そして現在の収入の安定度などを把握したうえで、適切な融資を実行しようとします。

貸金業者が利用者の収支バランスを考えずに多くの資金を貸し付けてしまうと、借金を踏み倒される「貸し倒れ」が多く発生してしまうため、法律である一定の基準を定めているのです。

新たな融資によって借入残高の合計が年収の1/3を超えることが判明した場合、返済能力を超えるものとして融資を禁止しているのが総量規制なのです。

・消費者金融は対象業者

金融関係では、貸金業者の融資が総量規制の対象となります。貸金業者とは財務局あるいは都道府県に登録している金融業者のことです。具体的には、消費者金融やクレジットカード会社、事業資金を貸し付ける事業者金融などが貸金業者に該当します。

ただしクレジットカードでのショッピングは、貸金業法ではなく「割賦販売法」が適用されるので、総量規制の対象外です。クレジットカードでは、現金を借りるキャッシングのみが対象となります。

・銀行は総量規制の対象外

銀行や信用金庫、労働金庫、信用組合なども多角的な融資を行っています。これらは銀行業と呼ばれ、貸金業法の規制を受けません。

つまり銀行が運営するカードローンなどの融資には、総量規制が適用されないのです。

銀行は自主規制をしているので結果は同じ?

銀行カードローンは総量規制の対象外ですが、あくまでも総量規制が貸金業法上のものであり、銀行法が適用される銀行および信用金庫などはその法律の規制を受けないからです。

それでは、銀行であれば年収の1/3を超えても問題なく借り入れができるのでしょうか?

確かに総量規制の制限がないので、理屈上は年収の1/3を超えた融資も可能であり、実際にそのような融資も行われています。

しかし2017年に金融庁が銀行の過剰貸付を指摘したことで、銀行による自主規制が始まりました。各銀行が総量規制と考えを同じくするような自主規制のガイドラインを設けており、実質的に融資できる金額を利用者の年収の1/3に引き下げている状態であるといってよいでしょう。

そのガイドラインに沿って融資に関する審査を行っているので、支払い能力が危ぶまれる融資は結局難しく、総量規制と同じような判断が下されると考えておいたほうが賢明でしょう。

自主規制していない銀行カードローンもある

実は、すべての銀行が自主規制を行っているわけではありません。金融庁からの過剰融資の指摘に関して、該当しない銀行であれば総量規制を超えた融資を受けられる可能性があります。

銀行カードローンの過剰な融資が社会的に大きな問題になったとはいえ、一部の銀行に限った話です。適正な審査をしていて問題が出ていない銀行カードローンは、そもそも規制をする必要がないので、これまでどおり年収の1/3以上の借り入れが可能です。

また、昨今新規参入が相次いでいるネット銀行のカードローンなどは、今後はともかく、2020年現在では年収によって借入額が大きく制限されることがないようです。

消費者金融で総量規制以上の借り入れ可能?

総量規制を超えると融資の審査通過が困難になるとはいえ、消費者金融の「例外貸付」を利用すれば、総量規制を超える借り入れができる可能性があります。

総量規制の例外貸付は全部で9種類あります。代表的なものは以下のとおりです。

●顧客に一方的に有利となる借り換え
●借入残高を段階的に減少させるための借り換え
●緊急の医療費の貸し付け
●個人事業者に対する貸し付け
●配偶者の収入も含めた年収の1/3以下の貸し付け

この中の「顧客に一方的に有利になる借り換え」ならびに「借入残高を段階的に減少させるための借り換え」という契約類型は、一般的に「借り換えローン」や「おまとめローン」と呼ばれているものです。

つまり消費者金融の借り換えローンやおまとめローンを利用すれば、利用者がすでにどれくらいの借り入れをしているのかなどに応じて、総量規制を超えた金額も借りられるようになるのです。

ただし、これらの融資は、その目的が他社の借り入れの返済のみに制限されていることはいうまでもありません。ほかの使い方をすると問題になります。

大手消費者金融の公式サイトによれば、総量規制を超えた借り入れが可能なさまざまなローン商品が紹介されています。

アイフルの「かりかえMAX」で総量規制超え

アイフルの借り換えローン商品「かりかえMAX」を利用すれば、年収1/3以上の借り入れが可能です。

貸付金利は年率3.0%〜17.5%で、借入限度額800万円までとなっています。審査時間は最短30分です。

申込当日に借り入れをすることもできます。年収の1/3を超える額の借り入れであっても、通常の借り入れと同様にWeb完結で対応しているのも特徴です。緊急性が高い場合はWebで申し込んだ後に、オペレーターに即日対応で「かりかえMAX」を利用したいという旨を伝えれば、その後の手続きを詳しく案内してもらえます。

プロミスのおまとめローンで総量規制超え

プロミスの「貸金業法に基づくおまとめローン」を利用すれば、総量規制を超えた借り入れができます。

貸付金利は年率6.3%〜17.8%で、借入限度額は300万円までとなっています。審査時間はアイフルと同じく最短30分です。Web完結も可能で、即日融資にも対応しています。

プロミスの場合は、通常のカードローンのWebでの申し込み後に「おまとめローン」を利用したいという旨を伝えると、総量規制以上の借り入れに対応してもらえます。

アコムの借り換え専用ローンで総量規制超え

アコムの借り換えローン商品である「借り換え専用ローン」を利用すれば、総量規制を超える金額の借り入れが可能です。

貸付金利は年率7.7%〜18.0%で、借入限度額は300万円までとなっています。審査時間はこちらも最短30分です。

ただし、Web完結は未対応です。年収の1/3以上を借りたい場合は、Web申込後に来店による手続きが不可欠になります。来店契約でも最短30分で審査結果が分かり、即日融資も可能です。

楽天銀行スーパーローンで総量規制超え

消費者金融以外でも、ネット銀行の「楽天銀行スーパーローン」では、総量規制を超える金額の借り入れが可能です。

ネット銀行の中でも楽天銀行スーパーローンが売りにしている「借用書を提出する代わりに借入金額の制限がなしになる借り換えプラン」という方法で、年収の1/3を超える借り入れが可能となります。

貸付金利は年率1.9%〜14.5%で、借入限度額は800万円までとなっています。審査時間は銀行ゆえに即日は無理ですが、最短で翌日です。

Web完結にも対応しており、楽天銀行スーパーローンは銀行カードローンの中でも比較的融資スピードが速いといわれています。

そもそも銀行なので貸金業法が適用されず、おまとめローンや借り換えローンといったローン商品を選択しなくても、総量規制を超えた借り入れが可能です。

楽天銀行スーパーローンではWeb申し込みの後に、総量規制以上を借りたいという旨を伝えれば、最大800万円までの融資に対応してもらえます。

個人事業主はカードローンで総量規制超えも

個人事業主専用のビジネスローンというものがあります。総量規制を超える借り入れができるうえに、即日融資にも対応しているのも魅力です。

個人事業者は、事業資金もしくは開業資金の借り入れに関して、総量規制の例外貸付に該当するので年収の1/3以上を借りられるのです。

ところが、株式会社の代表取締役などの法人の代表者は、事業目的の借り入れであっても総量規制の例外貸付に該当しなくなり、年収の1/3までになります。

個人事業主ならではのメリットと言えますが、事業目的で借り入れをする際には、身分証明書のほかに「資金繰りの状況」や「事業・収支・資金計画書」などが確認できる書類を準備する必要があります。

資金繰りの状況が確認できる書類を提出する必要はありますが、赤字決済でも、消費者金融のビジネスローンであれば審査に通ることが多くなっています。担保や保証人は不要です。

消費者金融のビジネスローンは「保証料」が金利に上乗せされているので、銀行の事業用の融資や公的融資よりも金利手数料は高くなります。その分審査のスピードが速く、緊急の場合に対応できるメリットがあります。

方法はあっても計画的に利用しよう

ここまで紹介したように、総量規制を超えて借り入れをする方法はいくつかあります。しかし、いずれの方法でも高額な借り入れになるのは間違いありません。

先々の返済のめどがないまま、やみくもに借り入れをすると、返せなくなってより厳しい状況に陥るおそれがあります。

たとえ総量規制を超えた借り入れができたとしても、くれぐれも計画的に利用しましょう。