FXには24時間、自分が寝ている間にも自動で売買を行って利益を上げられる——、そんな夢のようなトレード方法がある。「システムトレード」だ。とはいえ、やはり「本当にそんなもので勝てるの?」と疑問を抱く人も少なくないだろう。そこで、ここではシステムトレードの簡単な説明とともに、実際に利用しているトレーダーを直撃。果たして本当にラクに稼げるのだろうか。

為替の専門知識は不要。精神的な負担も軽減

日々の為替相場の値動きを見ていて、「自分の資金をほかの人がFXでトレードしてラクに儲けさせてくれないかなあ」などと妄想した経験はないだろうか。そんな思いを現実のものにしてくれる方法がある。それが、「システムトレード」(以下、シストレ)だ。 

シストレは初期の設定さえ行えば、あとはシステム(プログラム)が自動で売買してくれる。利用のメリットは複数あるが、大きなメリットとしてはほぼ専門知識が不要な点と、トレードによる精神的な疲労から解放される点だろう。 

為替市場では、日本市場がクローズした後もロンドン、ニューヨークの取引所で取引が続いている。1日ほぼ24時間、取引市場が開いているため、FXは24時間、取引が可能だ。ニューヨーク市場が開いている時間は、日本は真夜中。ニューヨーク市場は為替相場の値動きが活発な傾向があり、大きなポジションを持っていると寝ている間も気が休まらないのではないだろうか。その点、シストレはそうした心配を軽減してくれる。 

とはいえ、シストレも万能ではない。相場の急変に対応できなかったり、手動によるFXトレードと比べると、手数料やスプレッドによるコストが高かったりといったデメリットもある。なかでも、 相場急変に対応しづらい点はシストレのネックと言っていい。

「シストレ」ってどうなの?
(画像=ネットマネー)

「選択型」は最初の設定だけで自動売買がスタート 

シストレには、大まかに「選択型」と「開発型」の2種類がある。選択型は、FX会社などが売買のプログラムを作成したもの。投資家はFX会社などから購入し利用する。購入といっても、次ページの「主な『選択型』シストレ一覧」の表に掲載されている、名前がある程度知られているFX取扱会社のシストレは、原則無料だ。 

選択型は、主に最初に値段を設定し、価格がその値段に達したところで売買を繰り返すだけの「リピート注文型」(下図参照)と、多くのストラテジーの中から「年間の収益率が高い」や「安定収益を上げている」といった、自分の希望に見合ったものを選ぶ「ストラテジー選択型」に分類される。 

それぞれメリット、デメリットはあるが、やはり相場の急変に対応しづらいというシストレ全般の弱点はある。一部には相場急変に合わせ、ポジションをいったん手放すといったプログラムもあるようだが、過信は禁物だろう。 

一方開発型は、自ら売買のルールなどをプログラミングしたもの。カスタマイズを自由に行えるのは大きな利点だが、当然、為替やプログラミングの専門的な知識が必要になってくる。

「シストレ」ってどうなの?
(画像=ネットマネー)
「シストレ」ってどうなの?
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短期は手動、長期はシストレの組み合わせトレードがおすすめ 

ここからは、実際にFXのシストレを活用し、手動でもトレードを行っているyukiさんに、もう少し詳しくシストレについて聞いていこう。 

「シストレ」ってどうなの?
(画像=ネットマネー)

yukiさんは、輸出入の為替リスクをヘッジするために法人口座でFX投資をするほか、個人でも自らプログラミングを行う開発型のシストレを活用。会社のアカウントでは取引のロットも大きく、1日で数十万円から100万円程度の利益を上げることもあるという。また、個人のアカウントでも年利50~60%以上の高収益を得た年もあるようだ。 「シストレは、やはり相場の急な動きに対応できないのが難点。プログラムは過去の相場の経験則などに基づいて組まれているわけですが、急変時には変動幅が想定している値を上回ってしまうからです。コロナショックのような相場で大損してしまったシストレ利用者が少なくないのでは」(yukiさん) 

また、市販されているシストレの多くは、取引できるロット数の上限が定められており、大規模なトレードをすることができない。yukiさんによると、ストラテジー型の中には年間で数回など取引回数が極端に少なく、そのために収益率が高くなっているものもあるという。 

ストラテジー型の中には、年間100%超の収益率のものも数多く見受けられるが、たまたまそのストラテジーが直近の相場にハマって高収益率を示現している可能性もあるわけだ。もちろん、それもあくまで現在までの数字であって、今後の収益を保証するものではない。「そうはいっても、シストレはある程度ルールが決まっている売買であれば手動で注文する手間を省けるので、少額かつ長期で運用するには適していると思います。たとえば米国雇用統計などの大きなイベントを控えた『打診買い』や、大きな資金を動かして逆張り勝負といった短期的なトレードは手動で行い、少額の資金で『長期の順張り』ならシストレを活用するといった〝組み合わせトレード〟が有効でしょう」(yukiさん)

「シストレ」ってどうなの?
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高収益をうたった高額シストレには要注意 

「そもそも日本で販売されているシストレは、日本のレバレッジ規制や証拠金の規制などが邪魔してトレードの自由度が制限されています」と話すyukiさん。しかし、それは日本にいる限り仕方がないのでは......と諦めてしまいそうだが、実は海外製のシストレも日本国内で利用することができるという。 「個人的には、国内のシストレは海外のものに比べて遅れていると思います。海外のシストレに関しては詐欺っぽいものも多いので利用は慎重にする必要はありますが、たとえば『MQL5』のように日本語化されている海外のシストレもあるんです。これは開発型なのでプログラミングの知識が必要にはなりますが、詳しく解説されているホームページもあります。少額で国内の制限されたシストレを活用するのもいいですが、より優秀な海外製のシストレを活用するのも一手でしょう」(yukiさん) 

注意したいのが、シストレの購入に対して、一部で高額な料金を求める個人やマイナー業者も存在することだ。 「そもそも、うたい文句によくあるようなめちゃくちゃ儲かるシステムなら、不特定多数に販売などしないと思います」(yukiさん) 

派手なうたい文句に引き寄せられずに、コツコツと着実に利益を積み上げられるシストレを選ぶべきだろう。

「シストレ」ってどうなの?
(画像=ネットマネー)

応用編

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便利な情報ツールやテクニカル分析を駆使しても、FXで連戦連勝は難しい。しかし、テクニックや裏技を上手に活用することで少しでも勝率アップを図ることはできるはずだ。ここではNETMONEY編集部が数名のFXトレーダーに取材、使えるテクニックと裏技を厳選して紹介していく。

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