メガバンクの為替ディーラーを経験し、現在は独立して、ブログなどでFXの魅力を伝え、投資スキルアップのためのコンテンツなども提供している鈴木拓也さん。“億トレーダー”でもある彼が最も得意とするFXの“鉄板技”ツートップについて寄稿していただいた。

まずは上位足を使って、現在の相場環境を把握 

私が得意とするのは、最初に上位足(長期の足)で相場環境認識を行い、次に下位足(短期の足)でエントリーポイント選定を行うといった、複数の時間足を使用する「マルチタイムフレーム分析」のトレード手法です。 

相場環境認識では、現在のトレンド状態を把握して、レジスタンスライン(上値抵抗線)およびサポートライン(下値支持線)の位置を確認します。ここで、「何をするか(買い・売り・様子見)」の方向性が決まります。 

その後、下位足を使って、ライン分析や移動平均線など、より優位性のあるポイントを探してエントリーのタイミングを見極めていきます。 

トレンドの把握方法は、テクニカル分析の元祖ともいわれる「ダウ理論」を使っています。ダウ理論は6つの原則から成り立っていますが、特に重要なのは、「トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する」という原則です。

トレンド終了のシグナルを見逃すな 

ダウ理論のトレンドとは、上昇トレンドは高値と安値がそれぞれ切り上がる、下降トレンドは高値と安値がそれぞれ切り下がる、と定義(下図)されています。

元メガバンク為替ディーラーの“鉄板技”ツートップ。まずは相場環境を認識し、複数の時間足で仕掛ける
(画像=ネットマネー)

  そして、トレンドが終了する転換シグナルとして、上昇トレンドでは「安値が切り下がれば上昇トレンドが崩壊してレンジ現場へ」、下降トレンドでは「高値が切り上がれば下降トレンドが崩壊してレンジ現場へ移行」と判断します。 

では、実際のチャートを使って具体的にダウ理論の分析を解説しましょう。 

左ページ上図のように、最初に高値を切り下げて、安値も切り下げた時点で下降トレンドの発生です。その後、最安値をつけた後、高値が切り上がった時点で下降トレンドが崩壊し、レンジ相場に移行しています。続いて、高値と安値が切り上がって上昇トレンドに転換しました。 

元メガバンク為替ディーラーの“鉄板技”ツートップ。まずは相場環境を認識し、複数の時間足で仕掛ける
(画像=ネットマネー)

このようにダウ理論を活用して、トレンドを認識します。上位足が上昇トレンドであれば「買い」、下降トレンドであれば「売り」、トレンドがないレンジ相場の状態であれば取引を控える「様子見」のスタンスをとることになります。 

このルールを無視して、上位足が上昇トレンドのさなかに下位足で売りを仕掛けたり、上位足がレンジ相場の中で何度も取引したりするのは、勝率を下げることになるため絶対に避けるべきです。

トレードスタイルによって、時間軸を切り替える 

使用する上位足・下位足は、トレードスタイルによって異なります。たとえばデイトレードなら上位足は「日足、4時間足」、下位足は「15分足、5分足」を使います。スイングトレードであれば上位足は「週足、日足」、下位足は「4時間足、1時間足」などを使います。 

上位足の相場環境認識でトレンドを把握したら、次は下位足の出番。ここではより細かな視点でエントリーポイントを探していきます。   左の下図のように、上位足がレンジ相場または下降トレンドから高値と安値を切り上げて上昇トレンドになったときは、そのエリアでは下位足に移ってライン分析や移動平均線を使ってトレードを仕掛けていきます。上位足の上昇トレンドが続く限り、どこでエントリーしても最終的に利益は出るわけですが、下位足でさらに勝率の高いポイントを探して仕掛けることで、万が一、予想が外れた場合でも、損切り幅を狭く置くことができるなどリスクを抑えることができるのです。

複数の根拠が重なるポイントを攻める 

下位足でエントリーする際は、レジスタンスラインやサポートラインの転換後の反転やトレンドライン上での反転、移動平均線の「グランビルの法則」を使っています。なお、エントリーする際には1つの根拠だけでなく、「複数の根拠が 重なるポイント」を優先して攻めるようにしています。たとえば、サポートラインと上昇トレンドラインが交わる箇所や、レジスタンスラインやサポートラインの転換後の移動平均線が交わる箇所(上段の下図)などです。 

1つの根拠だけでも一定の勝率は上げられますが、複数あったほうがより勝率の高い、手堅いトレードが実現できます。 

焦ってトレードの回数をむやみに増やすのは得策ではなく、たいていの場合うまくいきません。複数の根拠が交わる勝率の高いポイントだけに集中して、それ以外は見送るくらいの心構えが、FXで安定して稼ぐ秘訣と考えています。