夏の電力確保にはガスタービン発電と発電機。雄は三菱重工、惑星株は?

野村総研の著名エコノミストであるリチャード・クー氏の3月28日付「マンデー・ミーティング・メモ」によれば、東日本大震災による復興の最大のボトルネックは電力の供給不足という。計画停電が一般生活だけでなく、企業の生産活動に与える影響は計りしれない。一般的な報道は、夏場の首都圏と東日本地域における電力不足危機を唱えており、緊急を要する相場テーマにもなっている。そんな中、救世主のように現れたのがガスタービン発電だ。

ガスタービンを利用した高効率発電「コンバインドサイクル発電」がそれ。高温のガスによりガスタービンを回転させて発電し、その排熱を利用して生まれた蒸気により蒸気タービンを回転させる複合サイクル発電を行なう。ガスタービンの世界シェアは米国のGE(ゼネラル・エレクトリック)、ドイツのシーメンスが2大メーカーで、これに続くのが三菱重工業(世界シェア13%)。ガスタービン発電は原発1基分相当の出力で建設コストが10分の1程度、そして工期も短いというメリットがある。燃料はLNG(液化天然ガス)。三菱重工業はガスタービンの生産能力を年間20基前後から同36基のフル生産に引き上げる準備に着手したと一部で報道されたばかりだ。

日本経団連の米倉会長も3月28日の記者会見で、この大型ガスタービン発電の必要性に触れたほか、政府サイドからもガスタービン発電に関する発言があることから、官民挙げてのテーマとして育つ可能性は大だ。その場合は、やはり三菱重工業が中心銘柄になる。自然と、LNG関連銘柄が〝惑星株〟となるだろう。

ガスタービンだけではない。民間ではビルや工場、病院などの公共施設で自家発電機の需要も劇的に高まっている。発電機の国内シェア65%を持つデンヨーがすでに急騰した。過去に、米国のハリケーン被害やスマトラ沖大地震などの復興需要に貢献してきた実績もある。これを受けて国内で発電機生産などを手がける銘柄も物色されている。 (竹中博文)

今月の大影響
(画像=ネットマネー)
今月の大影響
(画像=ネットマネー)

今月の「今だけ不調」ボーイング社の量産化加速が追い風。一時減益のIHI、実は買い場!

IHI(旧・石川島播磨重工業)の業績には航空機メーカーの生産計画が影響する。米国ボーイング社では最新鋭の787型機の量産化が遅れているが、今年後半から加速しそうだ。当然、航空エンジンで国内トップのIHIにとっては朗報。

IHIは787型機でも最も高価なエンジン部分を担当している。今期から製造ラインの償却が始まり、初期投資に伴う支出もあるため、見かけ上の利益が圧迫される。だが大丈夫。受注残が多いうえに、ボーイングへの納品後も部品交換などで安定した需要が加わってくるため、収益に大きく貢献しそうだ。

自動車用ターボ部品がドイツのフォルクスワーゲン向けなど海外で拡大しているほか、主力事業であるプラント部門も円高に弱いといわれながらもしっかり好調を取り戻している。

IHIは福島県沿岸部に相馬第1・2工場を構えるが、津波は届かなかったという。200億円のCBを発行したばかりで、増資リスクも小さい。 (東 亮)

今月の大影響
(画像=ネットマネー)

好評長期連載 株業界の番猫・みけこさんの兜町キャッツアイ 第36話 東証と大証がリーク合戦

今月の異彩材
(画像=ネットマネー)

銀行もメーカーも猫も杓子もM&A(企業の合併・買収)。東証と大証も経営統合するんだって。でも、話を聞いてみると東証と大証は仲がいいわけではないみたい。3月に大地震があったから統合協議を先送りしたことになってるけど、本当かにゃ〜?

大証は、米田道生社長が「一刻も早く」というスピード重視型。東証の斉藤惇社長は少しでも時間を稼ぎたいみたいなの。爪を出してケンカしてるわけじゃないけど、意見は全然違う。

というのは、今のままで統合したら上場企業の大証が非上場の東証をリードできるけど、東証上場の後だと、規模で負ける大証がのみ込まれてしまうから。

大証の東京事務所は、あたしの散歩コースの証券会館ビルに入ってる〜。東証から猫足で歩いて3分くらいなのに、ほとんど交流はないみたい。

東証へ遊びに行くと「日本に国際マーケットは1つで十分なのに……」。大証では「東証の高コスト体質が……」。猫に聞かせるだけじゃなくて、マスコミにもお互いの弱点をリークしているのかしらん。合併した後、気まずくなるとか考えないのかにゃ?

こういうときはお役所が間に入るものだけど、東証は財務省寄りで、大証は日銀幹部の大事な天下り先。やっぱり調整は大変そう?

はみだしピタピタ

その2●J-POWER(9513)は、北海道と本州間を送電する海底ケーブルなど、地域電力会社にはない設備を保有しているが、震災による電力不足分を本州へ送電するには容量が足りないことが判明。今後、設備投資の拡大が求められそうだ。経営効率が低下する要因にもなりかねないが、国費による負担率が高ければ悪くない話。「拡大=成長」は基本だ。