9400〜1万円のレンジで、もみ合いを続けている日経平均株価。本誌発売日には3月期決算発表も一巡しているはずだ。こんなときは1カ月タームで材料を追いかけて、短期で取る作戦が有効。今月も“旬ネタ”たっぷりの内容でお届け!

イラスト●ナンシー小関 チャート協力●楽天証券

今月の利益アップ株値上げで採算改善!小麦加工で稼ぐパン株、調味料株がアツい

食パン最大手の山崎製パン(ヤマザキパン)が7月1日出荷分からパン類の小売価格を平均で5%程度値上げする。同業他社も追随するもよう。前回の値上げでは、山崎製パンを含めて業界全体で増益になった経緯がある。今回の値上げも利益押し上げ要因になりそうだ。

パン原料の小麦は9割が輸入。政府は国際価格の上昇を受けて、製粉業者への売り渡し価格を4月に18%引き上げている。山崎製パンでは、主力となる食パンは7%、菓子パンや和・洋菓子は5%の値上げになる。

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(画像=ネットマネー)

同社は前回、2008年5月に平均8%の値上げを実施したが、継続的な売り上げダウンはなく、原料価格の転嫁が大成功した実績がある。パン業界は最大手の山崎製パンが圧倒的に大きい。ともに非上場のフジパンと敷島製パン(パスコ)も小麦価格の高騰を理由に、山崎製パンに 続いて、同じく7月出荷分からの値上げを発表している。輸送費の増大が一段落し、人件費は横ばいのままなので、今回の値上げも素直に増益要因と判断してよさそうだ。

小麦高騰の一因となっていたロシア政府の輸出禁止措置は、今年7月1日に解除される見通しだ。欧米や豪州など他の主要産地の作柄に左右される面はあるものの、小麦の国際市況が落ち着けば政府売り渡し価格が引き下げられ、製パン業者には利幅拡大の恩恵がもたらされるだろう。

値上げはパン以外の業界にも波及しそうだ。食品業界ではここ数年、消費者の低価格志向の強まりから、思うように値上げできなかった。原料コストの上昇は今まで、社内の合理化努力でなんとか埋めてきた形だ。山崎製パンの値上げ決定が、他の食品会社の採算改善の突破口になる可能性を秘めているたとえば、菓子類は買い控えが起こりやすいといわれているので、不用意な値上げは客離れを招きかねない。しかし、調味料などの台所の必需品は、値上げ前後の“買いだめ、買い控え”があっても一過性に終わりやすい。山崎製パンの値上げ後の売れ行きが落ちなければ、追随して値上げしてくる公算が大きい。

また、小麦製品が値上がりすれば、代替品となるコメ製品も値上がりする傾向にある。亀田製菓など加工用米を使う米菓子メーカーよりも、コメ卸売業者にとって追い風になるかもしれない。 (植草まさし)

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はみだしピタピタ

その1●武田薬品工業(4502)がスイスの製薬大手ナイコメッドを98億ユーロ(1兆1200億円)で買収することを決定。特許切れの抜本対策として歓迎する意見と、巨額投資のリスクを懸念する意見が出ている。買収資金は自己資金と借入金でカバーする方針だが、一部では増資の観測も浮上してきた。優良企業の場合は増資による株数増加を嫌って下げても、株価はいつのまにか戻っていることが少なくない。急落場面は買いの好機。