私が「イコールフッティング」(競争を行なう際の諸条件を平等にすること)として主張してきた「くりっく365」など取引所FX(外国為替証拠金取引)と店頭FXの税制一本化が来年1月からなされる予定であること―が挙げられます。

②に関してはPTSに直接関係するものではありませんが、同じFXの取引をしているにもかかわず、取引所取引に係る所得であれば20%の申告分離課税が適用され、店頭取引に係る所得であれば総合課税が適用されるという従来の税制はあまりにもばかげているということです。さらに言えば、たとえば大阪証券取引所(以下、大証)は民間企業としてすでに公開しているわけで、そのような状況において取引所取引を〝公的〞なものであるかのように扱い、店頭取引との間に差異を設けるということ自体がおかしいのです。

このような意味において私はこれまでずっと「イコールフッティング」ということを主張してきたわけですが、前述したような改善がなされたことは大いに喜ばしいことであると思っています。

また、前述したあまたの規制の弊害に対する変革が実現されるならば、東証のシェアというのは一挙に奪われていくことになるでしょう。こうしたPTSの動きがもたらす東証への影響度合いは拡大しており、東証が窮地に追い込まれることになっていくのは時間の問題ともいえるのです。

米国証券取引所の歴史を見ますと、NYSE(ニューヨーク証券取引所)は2006年にECN(米国の私設取引システム)大手の「Archipelago Holding s 」を買収し、NASDAQ も2005年にECN大手の「Instinet Group 」を買収したわけで、日本においても次のステージとして業界再編成というシナリオが見えてきています。今、統合協議を行なっている東証と大証はすったもんだしていますが、今年度内にもありうると思われるのが東証自身の上場です。東証が株式公開してバリューがつくとなれば、どう考えても大証とのバリュエーションの差は非常に大きくなるわけですから、大証株主をはじめ大証自体も経営統合への抵抗感が高まってくるのはないかと考えています。

したがって、そう簡単に両社の統合問題が前進していかないという中では、まずは躍進するPTSに狙いを定め、それを組み入れるということを考えるのが次のストーリーになってくるのではないかと想定しています。このような文脈において業界再編成が起こってくるだろうと私はみています。