ハイスクール
(画像=PIXTA)

【ファンダ編】投信――マイナス金利下での投信の買い方

今年1月末に日銀がマイナス金利の導入を発表後、MMF(マネー・マネジメント・ファンド)は繰り上げ償還を決定。

マイナス金利の影響を受ける投信とそうでない投信との明暗がはっきり分かれている。さて、何をチェックするべきか?

マイナス金利導入で投資信託市場への影響は?
●MMFを運用する全11の運用会社が繰上償還を決定
●日銀がMRFのマイナス金利適用外を決定
●運用会社各社が国内債券ファンドの信託報酬引下げを決定
●一部の運用会社が国内債券ファンドの新規買付申込みを一時停止

日銀によるマイナス金利導入の発表を受けて、投資信託の世界で最も早く反応を示したのはMMFでした。MMFとは、国内外の公社債など短期の金融商品を中心に組み入れた日々決算型の投信です。

マイナス金利の導入により安定した利回りの確保が難しくなったため、MMFを運用する全11社が3月上旬までに繰り上げ償還を決定し、投資家に資金が返還されることとなりました

一般的な公募投信でもやはり、国内債券を主要な投資対象とするファンドが苦境に立たされています。2月8日には、三井住友トラスト・アセットマネジメントが、「日本債券ファンド(毎月分配型)」の積立を含む新規の買い付け申し込みの受け付けを当面の間停止すると発表しました。

NET MONEY
(画像=NET MONEY)

では、マイナス金利対策として、具体的に何をすればいいのでしょうか。ここでは、3つの方法をご紹介します。

①毎月分配型の見直し

日本の投信市場を長年牽引してきた毎月分配型は、債券やREIT(不動産投信)を主要投資対象としているものが中心です。これらはインカム収益を生む資産であると同時に、金利感応度が高い資産でもあります。まずは自身の保有する投信が金利感応度の高い資産に偏っていないかを確認するところから始めてください。

②マイナス金利に耐えられる資産を選ぶ

国内株式でも配当政策や株主還元を重視するもの、海外債券でも為替変動リスクの抑制機能が付いているものなどは、マイナス金利に対する耐久性が相対的に高い資産といえます。最近は、リスク抑制のための投資戦略を活用した投信も新たに設定されていますので、こうした銘柄を取り入れるのもいいでしょう。

③MRFはマイナス金利の適用対象外

証券会社の決済口座として活用されているMRF(マネー・リザーブ・ファンド)は、3月15日の日銀の金融政策決定会合で、マイナス金利の適用から除外することを決めました。これにより、懸念されていたMRFの元本割れはひとまず回避されました。

ただし、日銀は昨年のMRFの受託残高をマイナス金利適用外の上限としており、証券会社に現在預け入れている資金を即座に引き揚げる必要こそなくなったものの、状況については引き続き注視したほうがよさそうです。

マイナス金利の導入で国内債券全般に金利低下圧力が高まった結果、残存期間10年までの国債の利回りはすでにマイナスとなっています。運用面で厳しい環境が続く中、「ダイワ日本国債ファンド(毎月分配型)」や「ジャパン・ソブリン・オープン」など、買い付け停止にこそなっていないものの、これまで銀行を中心に投資初心者の受け皿として機能してきた国内債券ファンドも足元では資金流出です。

短期と中長期の両方で純資産総額をチェックしておくのが大事です。

【海外投信動向】今月の数字203.1%増
S&P500に含まれるエネルギー企業の利益予想

ロイターが報じたところによると、T・ロウ・プライス、フィデリティ、アメリカン・ファンズなど米国の大手運用会社が足元で石油関連株を買い増しているという。今後、生産停止の効果により過剰供給が改善され、2017年には業績が持ち直しそうです。

【マンガで押忍! 投信編】将来設計ができる人はモテる?の巻

マイナス金利導入以降、保有している投信を見直している火原東晋(とうしん)。先生に現状報告をしていると、見知らぬ女子から手紙を受け取った。中身を見る前に火原は、結婚や将来のことを想像してしまうが、実際の手紙の内容はというと…。

NET MONEY
(画像=NET MONEY)

今月のファンダ先生

篠田尚子
楽天証券経済研究所 ファンドアナリスト。慶應義塾大学法学部卒業。国内銀行、リッパー・ジャパンを経て、2013年11月より現職。情報収集力と分析力は天下一品!

【ニューフェース編】投信――北海道の企業と地方創生企業の株式に投資

長期分散投資で投資資金の一部を企業〝応援〞ファンドに

年初から世界のマーケットは、中国の景気減速への懸念や米国の利上げ観測、原油価格の下落により乱高下し、不透明になっています。日本もこれらの海外要因に加え、円高による企業業績への懸念や消費税増税による長引く消費低迷の影響により、正念場を迎えています。

このような状況下、新規設定という条件でご紹介したいのが、「北海道未来の夢創生ファンド」。組み入れ比率は北海道企業の株式に70%、地方創生企業の株式に30%です。

北海道企業とは、北海道内に本社を置いている企業だけではなく、北海道に進出し雇用を創出している企業のことです。地方創生企業とは地方創生に貢献する、または地方創生から恩恵を受けると考えられる企業を指します。

北海道で創業して一流企業に駆け上がった「お、ねだん以上、ニトリ」で有名なニトリホールディングス、ドラッグストア大手の一角であるツルハホールディングスなどが北海道企業です。また、ロボットタクシーやロボットバスで地方活性化に取り組むディー・エヌ・エーなどが地方創生企業に該当します。

北海道新幹線開通やインバウンド(訪日外国人)消費の増加で今後が期待できる北海道企業ですが、投資地域が限定されてしまう一面は否定できません。

つまり、このファンドをメインのファンドと考えるのではなく、〝応援〞というスタンスで資金の一部を振り向けるファンドと考えたほうがいいでしょう。

今後のマーケットは不確定要素が多く先読みするのは難しいですから、長期分散投資の基本を守りつつ、応援投資という投資の醍醐味を味わいたい方に向いているファンドといえるでしょう。

NET MONEY
(画像=NET MONEY)
長谷剛史
長谷ファイナンシャルプランナー事務所。独立系FP事務所を開業して10年の実績があり、個別相談、講演、執筆などを精力的にこなす。

【復活の老舗!編】投信――積極的な銘柄入れ替えで下落相場でも好成績

大型株は軟調。マザーズ市場で中小型株の動きに期待

2016年は、年初から株式市場が暴落する事態となりました。2月12日に短期的な底を打ち、反転しました。日経平均株価は昨年12月初めに一時2万円台だったわけですが、年初のチャイナ・ショック以降に、日本企業の業績悪化を織り込みにいったのでしょう。

今後は時間はかかるかもしれませんが、米ドル/円の底打ちに合わせて、日本の株式市場も底打ちの可能性が高いでしょう。なかでも、東証マザーズ指数は高値を更新しており、新興市場に注目です。

そこでおすすめは、中小型株への投資を得意としている「ひふみプラス」です。マーケットの変動に合わせて機動的に組み入れ銘柄を入れ替えることによって、設定来のパフォーマンスは175%(2016年3月末現在)を超えています。最近の下落相場でもしっかりと利益を上げている点からも好感が持てますね。

NET MONEY
(画像=NET MONEY)
横山利香
ファイナンシャル・プランナー。テクニカルアナリスト。投信だけでなく、株式、FXなど投資関連 の執筆のほか、初心

【月替わり番付編】投信――投信最新番付!今月のランキング

新興市場を中心に中小型株ファンドが活況。中国株関連は軟調に

2016年4月の世界の株式市場は、原油をはじめとする資源価格の上昇を受け新興国の一部こそ上昇しましたが、4月末に発表された今年の1-3月期のGDP成長率が市場予想を下回った米国は上昇幅が抑えられました。また、日本は先月末の日銀金融政策決定会合で市場の期待に反して金融政策の現状維持が決定。このため、円高が進み、株価も急落しました。

NET MONEY
(画像=NET MONEY)
チャートも見たい1本
NET MONEY
(画像=NET MONEY)
「ベスト」で7位につけた「日本株セレクト・オープン『日本新世紀』日本・小型株・ファンド」は、マザーズなどの国内市場上場の小型株に投資するファンドで、2000年の運用開始以降、15年以上に渡ってベンチマークを上回る運用成績を収めてきました。足元では、ペプチドリームやそーせいグループなど、個別株でも人気の銘柄が組み入れられています。

こうした中、ランキングの「ベスト」は、引き続き国内の中小型株、新興市場株に投資するタイプが上位を独占しました。日経平均株価とTOPIXが軟調に推移した中でも、マザーズ指数は4月に約11%上昇するなど好調を維持。関連銘柄を組み入れていたファンドは相対的に持ち堪えることができました。

他方、「ワースト」の上位には、MLP(エネルギー関連インフラへの投資促進を目的とした投資事業形態)関連ファンドのほか、中国株に投資するファンドも名を連ねました。原油価格が続伸し、MLP関連ファンドの運用成績が改善したため、4月に成績が低下した中国株ファンドが上位にランクインしました。

中国株式市場は3月以降、緩やかに上昇を続けていましたが、利益確定売りに押されて下落しました。

NET MONEY
(画像=NET MONEY)

【いま気になる投資編】商品対決――政府目標で有望なJ-REIT

J-REITvs.金(ゴールド)

マイナス金利下で有利なのはお金を借りるとき。すぐに思い浮かぶのは個人の住宅ローン、企業ならファンドを含む不動産関連だ。

一方、各国の金融緩和策で利息がつかない金にも出番が到来し、世界的景気減速への懸念により金価格は上昇した。狙える投資先はどっち?

政府目標の「不動産投資市場30兆円」で成長が期待できる

日銀のマイナス金利導入後、株価の乱高下を横目に人気を集めている商品といえば、最低保証金利が年0.05%の個人向け国債、そして銀行からの借入金依存度が高いJ-REIT(不動産投資信託)と金利低下が追い風の金です。

今回は税込み0.05%の下限金利となった個人向け国債はさておいて、J-REITと金を比較しながら投資先として検討してみることにしましょう。

そもそもJ-REITは、多くの投資家から集めた資金でオフィスビルや商業施設、マンションなどの不動産を購入し、賃貸収入や売買益を投資家に分配する商品。不動産に投資する投資信託の一種で、2001年9月に2銘柄が初上場、現在、東証上場銘柄は53、株式と同様に売買することができます。

利益の90%超を投資家へ分配すれば法人税が課せられないので、投資家は株式の配当より高額な分配金が受け取れる可能性があります

J-REIT市場のスタート後、全銘柄合計の予想分配金利回りが10年物国債利回りを下回ったことはなく、安定的に収益を確保できる商品といえそうです。また、間接的とはいえ不動産に投資するため、インフレヘッジができる商品でもあります。

今年1月に日銀がマイナス金利導入を発表して以来、2月前半は軟調な動きでしたが、実際にマイナス金利が適用されてからは復調。さらに10年物国債の利回りがマイナスとなってからは上昇スピードがアップしました。

NET MONEY
(画像=NET MONEY)

マイナス金利の導入で銀行からの借入金利も低下しており、不動産購入コストの減少や、その分、分配金の増加もあり、有望な商品といえるでしょう。日銀の買い入れ対象となっていることも、下支え要因です。

「今年3月には国土交通省が『不動産投資市場の成長戦略』を取りまとめ、2020年ころにJ-REITなどの資産総額を約30兆円に倍増させる目標を示しました。不動産投資市場の9割を占めるJ-REIT市場は成長余地が非常に大きいといえるのではないでしょうか」と話すのはFPの金子千春さんです。

実際にJ-REITに投資する方法は3つ。53ある個別銘柄、複数のREITで運用するREITファンド、そして東証REIT指数に連動するETF(上場投資信託)で現在6銘柄が上場されています(表参照)。

世界景気の減速懸念と金融緩和策が続けば金の魅力が高まる

一方の金は、各国の金融緩和策により、利息がつかない金の弱点が薄まり、投資対象としてあらためて注目を集めています。世界的な景気減速懸念による年初からの株価乱高下を背景とした、安全資産とされる金への投資資金シフトも大きな要因です。

中国をはじめとする世界の景気減速懸念や日欧を中心とする金融緩和策が継続すれば、金の相対的魅力がさらに高まりそうです。

金投資の方法は5つ。金地金、地金型金貨、純金積立、金価格に連動する金ETF(表参照)、金先物取引です。このうち金ETFは、数千円から数万円と少額から投資できる、株式同様リアルタイムに売買可能、株式との損益通算、信託報酬などのコストが割安、といった特徴があります。ただし、出来高が少ないと価格変動が大きく、思った価格で売買できない、現物の裏づけがない債券型の銘柄には信用リスクがあるなど注意点もあります」(金子さん)

金には米ドル建ての国際価格と円建ての国内価格があり、国内価格は米ドル/円相場に左右されます。先行き不透明な金価格と成長余地が大きいJ-REIT市場を比べると……。というわけで、今回はJ-REITに軍配!

【マンガで押忍! 商品対決編】
二兎を追える一挙両得物件の巻

不動産と金、当面は不動産が有望そうですが、不動産は文字通り動かせない財産。金は昔からいざというときに持って逃げることのできる万国共通のお宝。日本がいつまでも逃げずにすむ国であり続けてくれればいいのですが……。

NET MONEY
(画像=NET MONEY)

今月のジャッジ先生

金子千春
ファイナンシャル・プランナー。日本長期信用銀行(現・新生銀行)を経て、2003 年に独立。保険の見直しや住宅ローン、資産運用の相談、セミナー講師として活躍中。