チャート,株
(画像=PIXTA)

【ファンダ編】株――2014年相場が今と酷似。当時の好調は医薬品、建設 

新しい材料もなく、方向感が見えない相場のときは過去に学ぶのもひとつの手。年初からの相場と経済の状況が似ているのは2年前の2014年だ。

当時、年後半は株価が急上昇したが、後で判明した巨大な買い手は〝年金〞だった。さて、この事実から今月買うべき銘柄は……。

主力株の売買が少なく為替が円安に動かない点も2年前と同じ!

2016年の前半戦がそろそろ終わりますが、日経平均株価は1月の高値(1万8951円)と2月の安値(1万4865円)のほぼ中間で右往左往しています。後半戦はどうなるのか。非常に判断がつきにくい環境にありますが、この雰囲気が非常に似ている年があります。それは2年前の〝2014年相場〞です。

まず、今年前半の動きを大まかに振り返ると、いきなり年初から急落しました。一度2月に底入れしたものの、4月に下落。5月から緩やかですが戻り相場に入っているといったリズムです。2014年も酷似していて、年初からガツンと下がり(米国で量的金融緩和の縮小スタート)、2月に一度は底入れしたものの、再び4月から5月にかけて下落。その後、5月下旬から夏場にかけて上昇に転じました。リズムが一緒です。

これは単なる偶然とも思えません。GDP(国内総生産)がマイナス成長となったことで、2014年11月に安倍首相が消費税増税の先送りを決断しました(このときは12月に衆議院選挙)。また、同年10月の日銀金融政策決定会合で追加の金融緩和策が決定(いわゆる〝黒田バズーカ2〞)。この2つはまさに今年と同じです。

NET MONEY
(画像=NET MONEY)

今年は主力株が崩れる中、東証マザーズからそーせいグループという大出世株が誕生していますが、2014年もミクシィの急騰劇が話題になりました。いずれも主力株の見送りムードから物色資金がシフトした側面を持ちます。その意味では、主力株の売買が少ないのも共通する特徴です。さらに、為替が円安方向に動かなくなった点も似ています。当時も「株価は為替次第」といった発言が頻繁に聞かれました。

今と重なる部分がかなり多い2014年相場ですが、後半戦で株価は上がりました。7月から為替は関係なく、株だけ急上昇だったのです。当時の買い手はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)でした。全体相場に方向感がなく売買が少ない時期のほうが、年金買いの影響はプラスに出やすいのです。

2014年の後半に目立って上昇したセクターは建設、医薬品でした。業種別指数の建設が約8年ぶり、医薬品は約1年ぶりの高値を更新。たとえばアステラス製薬は4月の安値1062円から11月の高値1842円まで約1.7倍に。発行済み株式数22億株に対して信用買い残が60万株しかなかったこともあり、年金のストレートな買いの恩恵をフルに受けた形です。

そう、このような相場で買うべきは、信用買い残が少なくて個人投資家があまり売買しない地味な優良大型株。信用で仕込んでいた投資家の戻り売り圧力が小さいので、安心して持っていられます。

NET MONEY
(画像=NET MONEY)

【マンガで押忍! 株編】
過去に学べばリッチになれる…のか!?

いつも金欠な3人(学生なら珍しくもないですよね)。特にポテトも買えないくらい貧乏な風太は過去に学ぶことにした、が、瓜二つな年のナンバーズの当たり番号って……単なるゲン担ぎなんじゃないでしょうか。お金持ちへの道は遠そう。

NET MONEY
(画像=NET MONEY)
イラスト●大類道久

今月のファンダ先生

岡村友哉
金融ジャーナリスト。証券会社の営業、金融情報ベンダーでアナリストを務めた後、現職。日経CNBCで日々、キャスターをこなす。

【データ編】株――ビクビク会社予想はお見通し。業績上ブレ銘柄を探る

円高の影響もあり、外需株を中心に業績絶不調な日本株。そこで今回は〝いやいや上方修正するでしょ?〞な銘柄を。

3月決算は厳しく…、トヨタ自動車の利益は前期比4割減

3月決算企業の決算発表が出そろいました。今回の決算の印象は、「厳しいっ!」の一言に尽きるのではないでしょうか。東証1部上場の3月本決算企業の業績は、全体では小幅ながら増益を確保したものの、増益率は約2%(岡三証券集計値)と非常に〝ささやか〞。直近の1〜3月期の経常利益は前年同期比15%減となりました。年明けからの急速な円高進行、新興国の景気減速などが逆風になったようです。

2017年3月期についても、見通しは厳しいと言わざるをえません。たとえば時価総額トップであるトヨタ自動車の2017年3月期の営業利益は、**見通しです。ここ数年、円安の追い風を受けて利益をどんどん伸ばしていた外需関連企業は、円安メリットがなくなり、業績前期比で40%もの大幅な減益の急減速が避けられません。

ただ、決算発表が一巡する中で注目したいのが日本企業の決算の〝クセ〞です。このクセとは何かというと、期初時点では保守的な業績計画を出す傾向が強いということです。日本企業は最初からハードルの高い目標を掲げるよりも、「これだけは最低限クリアできる」という目標を掲げる傾向があります。国民性もあるのでしょうか。

たとえば米国で自動車販売の好調が続く富士重工業。同社の直近3年間の期初計画と期末時点の営業利益を振り返ってみると、2014年3月期は期初計画1800億円→期末実績3265億円、2015年3月期は3400億円→4230億円、年3月期は5030億円→5656億円と、3期すべてが期初計画を大きく上回って着地しています。

富士重工業のように、例年、保守的な業績計画を出すクセのある会社が日本には多いのです。このような企業の株価は、期初時点では保守的な業績計画が嫌気されて下落しますが、業績の上ブレ期待が高まる中で株価も持ち直していきます。下の表には、実際に直近3期連続で、期初計画から10%以上も業績が上ブレした企業をピックアップしました。

時価総額が大きい企業では、2020年の東京オリンピックまで受注環境が良好なはずなのに、期初計画では保守的な建設関連などが目立ち、これらは狙い目かもしれません。もちろん時価総額が小さい企業でも同じような傾向があるため、中小型株で期初計画が保守的な企業も併せてチェック!

NET MONEY
(画像=NET MONEY)

今月のデータ先生

小川佳紀
岡三証券。投資戦略部 ストラテジスト。フィスコなどを経て現職。相場概況から注目株まで日本株全般をウオッチし、本誌読者にオススメの銘柄を拾ってくれる貴重な存在。

【ランキング編】株――東証マザーズ指数先物上場で短期決戦で狙う株

年明け以来、波乱続きの日経平均株価とは対照的に、上昇基調が続く東証マザーズ指数。7月からその先物取引が始まるのを見越し、主要な構成銘柄を先回り買いする手も!

先物取引への買いで主力銘柄が大幅上昇!?

いよいよ今年の7月19日から、東証マザーズ指数先物が大阪取引所に上場して取引がスタートすることはご存じでしょうか? 東証マザーズ指数とは、同市場に上場している全銘柄を対象に算出した時価総額加重平均型のインデックスです。その先物取引が始まることもあって、足元で東証マザーズ指数は日経平均株価よりもアウトパフォームして推移しています。

少し古い話になりますが、 1988年に日経平均株価先物取引が登場した際にも、特徴的な動きが見られました。取引開始後からその翌年にかけて、日経平均株価の値動きへの寄与度が高い〝値ガサ株〞の上昇が顕著になったのです。おそらく、先物取引に入った買いが主導する形でそういった動きが生じたのでしょう。

信用取引を利用した場合であっても、とかく個人投資家の大半は〝買い〞から入るのが一般的です。取引開始とともに東証マザーズ指数先物への買いが活発化すれば、その主要な構成銘柄の株価も大きく上昇する可能性があります。つまり、そういった動きに先回りして、今のうちに同指数の構成銘柄を仕込んでおくという作戦が考えられるのです。

NET MONEY
(画像=NET MONEY)

実は、東証マザーズ指数の動きにはごく一部の構成銘柄が大きなインパクトを及ぼしています。同指数は日中値幅の変動率が大きいのも特徴で、2015年の変動率は日経平均株価の平均1.17%に対し、1.68%に達しています。2013年6月10日に日経平均が4.9%の上昇を記録した局面で、東証マザーズ指数は11.9%もの伸びを示しました。言い換えれば、同指数に大きな影響をもたらす銘柄がこれから大きく値上がりする可能性を秘めているとも捉えられるわけです。そこで今回は、東証マザーズ指数への寄与度が高い=時価総額シェアが高い銘柄をランク付けしました。

1位と2位の寄与度が突出しており、3位以下にかなりの差をつけています。なお、そーせいグループは今秋にも東証1部への市場変更を申請するとの観測も出ています。これら寄与度の高い銘柄をいち早く仕込んでおき、先物取引が始まって盛り上がってきた7月ごろに売り抜けるのがベストシナリオでしょう。 

NET MONEY
(画像=NET MONEY)

まとめ

  • ①足元では、日経平均株価よりも東証マザーズ指数のほうが好パフォーマンス!

  • ②東証マザーズ市場は、7月の先物取引スタートでさらに盛り上がる可能性が大!

  • ③指数への寄与度が高い銘柄を今のうちに仕込めば、大幅上昇を享受できるかも。

今月のランキング先生

窪田朋一郎
松井証券 シニアマーケットアナリスト。2001年、松井証券に入社。マーケティング部を経て現職。ネット証券草創期から株式を中心に相場を見続けている。個人投資家動向にも詳しい。