ポイント,ビジネスマン
(画像=PIXTA)

【ファンダ編】投信――環境や社会的責任に配慮した投信が注目

ESGと呼ばれる環境や社会責任、ガバナンスに配慮した企業の取り組みが注目されている。

投信でも10年以上も前からそれらに配慮したラインアップが存在しているので紹介しよう。

環境・社会に貢献し、15年超の運用実績がある投信も

マーケットが世界的に依然として不安定な動きを見せる中、医薬品・バイオ、エネルギー・資源、高配当など、株式でも投資信託でも何らかの「テーマ」を掲げた投資に注目が集まっています。

今回は、個人投資家の関心も高いと思われる「環境」や「社会的責任」といったテーマを銘柄選定の基準として活用しているファンドについてご紹介します。

企業の環境保全に対する取り組みや社会的責任の貢献活動は非財務情報と呼ばれ、業績や財務内容と同様に重要視されています。また、近年は2006年に提唱された国連PRI(責任投資原則)に基づくESG(環境、社会、ガバナンス)の取り組みに優れた企業へ投資する「ESG投資」が推進されています。

ESGを前面に押し出している投信は日本ではまだ一般的ではありませんが、既存の環境関連のテーマ型ファンドや、SRI(社会的責任投資)関連ファンドの中には、10年以上の運用実績を持つものもあります。

最も歴史が古く、純資産総額の大きい「損保ジャパン・グリーン・オープン」は、「ぶなの森」の愛称で知られる元祖「エコファンド」で、環境対策に積極的に取り組んでいる企業に投資するファンドです。こうした企業は、競争社会の中で収益面、技術面ですでに優位に立っており、今後の社会貢献度を消費者や株主が評価することでさらなる発展が期待できるといいます。

NET MONEY
(画像=NET MONEY)

また、「あすのはね」の愛称で親しまれてきた「朝日ライフ SRI 社会貢献ファンド」は、ビジネスを通じて環境問題を含む社会的課題に取り組む企業に投資します。

このファンドの最大の特徴は、信託報酬の一部を社会的課題に取り組む団体に寄付するという点です。直近の決算では、特定非営利活動法人の樹木・環境ネットワーク協会(自然とともに生きる社会づくりの推進)や、社会福祉法人の子どもの虐待防止センターなど計5団体に、約360万円(日々の信託財産の純資産総額に0.1%の率を乗じた金額)の寄付を行なっています。

日興アセットマネジメントの「グリーン世銀債ファンド」は、「グリーンボンド」を含む世界銀行の債券を投資対象としています。グリーンボンドとは、資金の使途が環境関連プロジェクトに限定された債券のこと。当ファンドは、全体の30%以上をこれらの債券に投資します。

本来、非財務情報を活用した投資は、長期的な視点を持った運用が前提です。しかし、欧米と比較して確定拠出年金制度や非課税口座の普及が遅れている日本では、短期間で結果が出ることを望む傾向にあり、10年、20年などの超長期にわたって投信を保有する考えが浸透していません

結果的にESG、SRI関連ファンドの純資産総額はなかなか積み上がらず、目新しいファンドも誕生していない状況にあります。今後、長期にわたる資産形成の重要性が再認識され、ESGと一般的なテーマ投資では性質が異なるなど、非財務情報を活用した投資に対する理解が進めば、ラインアップの拡充にも期待できそうです。

今月の海外投信ノ「値」32週
過去52週間で米国籍株式ファンドが流出超過となった週
米国投資信託協会によると、米国籍の株式ファンドは、5月第2週までで9週間連続の流出超過に見舞われたとのことです。消費関連企業の決算がさえない内容となり、米国株に対する弱気な見方が強まった結果となりました。

【マンガで押忍! 投信編】
環境もお金も同じくらい大切の巻

「環境」や「社会的責任」をテーマに投資する対象を決めるESG投信。公園を歩きながらその話を聞いて、その投資の考え方に大きく同意する火原。しかし、落ちていた500円を見つけると、態度はまったく変わってしまい…。

NET MONEY
(画像=NET MONEY)

今月のファンダ先生

篠田尚子
ファンドアナリスト。慶應義塾大学法学部卒業。国内銀行、リッパー・ジャパンを経て、2013年11月より現職。情報収集力と分析力は天下一品!

【ニューフェース編】投信――株式と高格付けの債券に投資。預金より効率的な運用が可能

1年決算型で中長期にわたって投資するのが◎

日本の金融政策史上初めての「マイナス金利」が導入され、3カ月が経過しました。生活への影響としては、住宅ローン金利の引き下げといううれしい動きがある半面、預金金利の低下が現実化しています。また、一部のMMF(マネー・マネジメント・ファンド)では、国債利回り低下の影響で繰り上げ償還や、新規募集の停止など、まさに〝異次元〞の状況です。

今後の政策次第では、まだまだ株価に大きく影響が出る可能性が高く、どのような投資を選択するか、貯蓄計画の見直しが今後の課題となりそうです。

日本人は、あまりリスクマネーを選択せず、預貯金を利用してきましたが、マイナス金利が拡大すれば、これに代わる商品を選ばなくてはなりません。

選択の条件として、投資対象がより分散されている、想定外の出来事への影響が小さい、高格付けの債券など安定的な投資対象を選んでいる、為替の大きな変動を避ける仕組みが取り入れられていることなどを重視し、「ピクテYENアセット・アロケーション・ファンド」を選びました。

このファンドの基本資産配分は、債券70%、株式30%と債券の組入れ比率が高く、全世界を投資対象としています。分散効果も十分、為替ヘッジを行ない為替変動にも対応できる商品です。

大きなリターンを期待せず、リスクが低めで、預金よりいささか有利な運用という位置づけで、預金からの乗り換えを検討してみてはいかがでしょう。

このファンドには、毎月分配型と1年決算型がありますが、分配金を受け取らず、分配金再投資を選択し、ゆっくり資産を育てる1年決算型がおすすめです。

NET MONEY
(画像=NET MONEY)
楠本充美
KSMT不動産コンサルティング 代表。不動産コンサルティングマスター、CFP。女性目線の不動産投資や家計相談に取り組む。

【復活の老舗!編】投信――シンプルでわかりやすく低リスク・低コスト

中長期の資産形成を視野に、日本と先進国の債券・株式に分散投資するファンド

昨年から、国内の金融機関の投信運用会社の新設・再編の動きが活発化しています。投信市場に流入する100兆円規模の個人マネーの争奪戦が激化しているためです。その中で日本郵政グループ(JP)は、三井住友信託銀行、野村ホールディングスとJP投信を共同設立しました。総資産295兆円、事業規模日本最大のJPが、グループ内で日本郵便・ゆうちょ銀行の専用商品を組成・販売します。

その初の商品として今年2月から販売開始したのが「JP4資産バランスファンド」です。日本債券・株式と先進国の海外債券・株式に分散投資します。「安定コース」「安定成長コース」「成長コース」の3コースがあり、スイッチング可能。年6回の分配を予定しますが、むしろ安定的な収益確保を目指していることも特徴です。中長期的にじっくり資産形成をお考えの方におすすめのファンドです。

NET MONEY
(画像=NET MONEY)
浦野雅子
ザ・ヴィジョンクエスト代表・CFP。住宅購入、保険、貯蓄相談を得意とするファイナンシャル・プランナー。愛知県を中心に、講師やラジオパーソナリティーも務める。

【月替わり番付編】投信――投信最新番付!今月のランキング

新興市場関連のファンドが上位独占。中国株関連は下落

2016年5月の世界の株式市場は、ブラジルやロシアなど新興国の一部を除き、上昇した地域が目立ちました。米国の早期利上げ観測の高まりから、中旬ごろまで世界的に下落基調が続きましたが、市場予想を上回る経済指標の発表が相次いだことで月末にかけて反発。S&P500こそ1.5%の上昇でしたが、ナスダックと日経平均株価はいずれも前月比3.5%前後の上昇率を記録しました。

NET MONEY
(画像=NET MONEY)
チャートも見たい1本
NET MONEY
(画像=NET MONEY)
「ベスト」で10位につけた「インベスコ 店頭・成長株オープン」は、現存する国内中小型株ファンドの中で最も長い22年超の運用歴を誇る「長寿ファンド」で、設定来の運用成績はベンチマークであるジャスダック指数を上回っています。なお、インベスコの運用ファンドは4位と5位にもランクインしており、いずれもイオンファンタジーなど、直近の基準価額上昇に貢献した銘柄が入っています。

こうした中、ランキングの「ベスト」は、前月に引き続き国内の中小型株、新興市場株に投資するタイプが上位を独占。日米の金融政策に対する先行き不透明感を払拭しきれない中、個人投資家の資金は5月も新興市場銘柄に集中し、日経ジャスダック平均、東証マザーズ指数ともに上昇しました。

他方、「ワースト」では、中国株を投資対象とするファンドが上位を占める結果に。中国は、株式のほかに通貨の人民元も5月に下落し、これまで「ワースト」上位に名を連ねていたMLP(エネルギー関連インフラへの投資促進を目的とした投資事業形態)や資源関連ファンドの下落幅を上回りました。原油先物価格は月末に一時50ドルを回復し、7カ月ぶりの水準に戻しました。

NET MONEY
(画像=NET MONEY)

【住宅ローン借り換え編】商品対決――金利上昇に備えた借り換え実行

借り換え躊躇vs.借り換え実行

長期にわたる住宅ローン返済においては、金利上昇リスクを避けては通れない。金利が史上最低局面にある今は、借り換えのチャンスであると同時に将来の金利上昇リスクは逆に高まっているといえる。今回は、金利上昇を踏まえたうえで効果を上げる住宅ローンの借り換えに焦点を当てる。

人ごとと思っていては返済額を大きく減らすチャンスを逸する

日銀のマイナス金利導入前は、借り換えのメリットが期待できる目安は、「金利差1%以上」「残期間10年以上」「残高1000万円以上」といわれていました。

しかし、一段の住宅ローン金利の低下を受けて、これらの条件をすべて満たさなくても、総返済額が大幅に減額できる場合や、毎月の返済額を1万〜2万円減額できる場合も出てきています。

これまで借り換えは人ごとと思っていた人、知識不足や手続きが面倒といった理由で躊躇(ちゅうちょ)し、実行に踏み切れなかった人は、この機会にもう一度検討してみましょう。

借り換えの目的は、「毎月の返済額はそのままで、返済期間の短縮を図る」、あるいは「返済期間はそのままで、毎月の返済額の軽減を図る」場合がほとんどですが、「金利上昇リスクをより長く抑える」ことも可能です。「期間短縮」や「返済額軽減」は繰り上げ返済の解説の際によく登場しますが、借り換えについても同様です。今回はこれらに、「金利上昇リスクの軽減・回避」を加えたいと思います。「過去20年の銀行の住宅ローン金利は平均4.5%程度。今後数十年の返済期間中に金利が上がる可能性は十分あると考えておくべきでしょう。低金利が長く続く時代に暮らす私たちの金利感覚は、どこか普通ではなくなっているかもしれません」とFPの金子千春さんは言います。

以下、2つのケースを「金利上昇リスクの軽減・回避」という視点で確認しましょう。

NET MONEY
(画像=NET MONEY)
NET MONEY
(画像=NET MONEY)

①固定金利の期間を長くして金利上昇リスクを抑える

上のケース1では、借り換えで固定金利期間を長くして金利の上昇リスクを軽減し、毎月返済額の軽減も可能になりました。軽減できる毎月返済額を繰り上げ返済に回して、さらに利息軽減を図る方法もあります。

②総返済額を減らす

ケース2は、金利上昇リスクを回避できる全期間固定金利のフラット35からフラット35への借り換え。通常、同じ金融機関での借り換えはできませんが、フラット35だけは例外。このケースでは、残りの支払金額が約333万円(約3326万円-約2993万円)少なくなり、諸費用の76万5056円を支払っても総返済額を約256万円軽減できます。

借り換えにかかる諸費用のチェックも忘れてはいけない

借り換えには、どの金融機関で借り換えてもかかる「金銭消費貸借契約書の印紙税、抵当権を設定、抹消するための登録免許税、司法書士への報酬」、金融機関によって異なる「保証料、事務(融資)手数料、団体信用生命保険料(任意の場合)」などがかかります。

借り換えのメリットは、金利だけではなく諸費用を含めて総合的に判断することが大切です。ケース1では、残りの支払金額は約319万円(現在の残りの支払金額約3220万円-借り換え後の残りの支払金額約2901万円)軽減できますが、諸費用を含めると軽減額は約288万円となります。

その諸費用を現金で負担する場合は、一時的に手続き時に手元資金が減ることになります。現金負担による諸費用が多くかかる場合には、借り換えの諸費用分を繰り上げ返済に回したほうが結果的にメリットが出るケースもあるので注意が必要です。

「民間金融機関で、借り入れ当時、保証料を一括払いしているケースでは、借換時に先払いした保証料の一部が戻ってくる場合があります。諸費用が少ない金融機関で借り換えをすれば、諸費用を戻り保証料で賄えるケースもあります。しっかりチェックしましょう」(金子さん)

というわけで、今回は金利上昇リスクを抑えた借り換え実行に軍配!

【マンガで押忍! 商品対決編】
面倒くさがり屋の銭失いの巻

借り換えのメリットは残りの支払金額から諸費用を差し引いた軽減額。これに金額としては出しづらい手間もかかります。しかし、数百万円を収入として稼ぐことを考えれば……。わずかな労を惜しんでせっかくのチャンスを逃すなかれ。

NET MONEY
(画像=NET MONEY)

今月のジャッジ先生

金子千春
ファイナンシャル・プランナー。日本長期信用銀行(現・新生銀行)を経て、2003年に独立。保険の見直しや住宅ローン、資産運用の相談、セミナー講師として活躍中。