
【目次】
①️ポピンズホールディングスIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(12/2更新)
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント(12/2更新)
ポピンズホールディングスIPOのスケジュール
ポピンズホールディングスのIPOスケジュールは以下の通りだ。
仮条件決定 | 2020/12/02 |
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ブックビルディング期間 | 2020/12/04 - 12/10 |
公開価格決定 | 2020/12/11 |
申込期間 | 2020/12/14 - 12/17 |
上場日 | 2020/12/21 |
ポピンズホールディングスのブックビルディング概要と初値予想
ポピンズホールディングスのブックビルディングの概要が次の通りだ。
仮条件 | 2,650~2,850円 |
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公募価格 | 2,850円 |
当選株 | 3,737,500株 |
初値予想金額(※) | 2,200円 ~ 3,000円 |
ブックビルディング期間 | 2020/12/03 - 12/09 |
狙い目証券会社 | 大和証券 |
ポピンズホールディングスIPOの幹事証券会社
ポピンズホールディングスのIPOの幹事証券が以下の通りだ。
IPOに申し込むなら主幹事である大和証券、前受金が不要の野村證券がおすすめだ。
証券会社 | 割当率 | 前受金 | |
---|---|---|---|
主幹事 | 大和証券 | 90.00% | 必要 |
幹事 | 野村證券 |
5.00% | 不要 |
SBI証券 | 1.74% | 必要 | |
みずほ証券 | 3.00% | 必要 | |
SMBC日興証券 | 2.00% | 必要 |
ポピンズホールディングス業績情報
業績推移
売上高 | 経常利益 | 当期利益 | |
---|---|---|---|
2017年12月期 | 147億円 | 3.7億円 | 0.7億円 |
2019年12月期 | 171億円 | 10億円 | 2.2億円 |
2020年12月期(予想) | 228億円 | 15億円 | 10億円 |
増収増益を続けており、2018年12月期に大幅な増益を達成した。また2019年12月期は売上高200億円の大台を突破している。
2020年12月期も増収増益は継続するものの、若干の増収増益に留まる予想となっている。2020年12月期Q3(累計)で売上高168億円、経常利益11億円であり通期予想達成に向け順調に進捗している。
財務状況
2019年12月期末時点で資産合計101億円に対し、純資産合計19億円、自己資本比率19%である。借入金48億円に対し、現預金41億円を保有している。
資産合計のうち流動資産68億円に対し、建物などの有形固定資産16億円であり、高い流動比率となっている。
キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが2018年12月期0億円、2019年12月期13億円と推移している。2018年12月期は役員退職慰労引当金の減少(▲6.2億円)、売上債権の増加(▲3.3億円)があり、営業活動によるキャッシュ・フローが税金等調整前当期純利益(4.3億円)に対し減少している。
資金使途
IPOにより43億円を調達し、下記使途を予定している。
- 基幹システム開発資金 3.0億円
- 借入金の返済資金 19億円
- 認可保育所等(2021年12月期4施設、2022年12月期8施設)の設備投資資金 22億円
調達資金の半数以上が認可保育所等の設備投資資金に充当され、残額の多くは借入金の返済資金に充当される。
株主構成
筆頭株主(株式シェア47%)は中村会長及び轟社長の資産管理会社である株式会社スピネカ。轟社長は第2位株主(同21%)、中村会長は第3位株主(同18%)であり、轟社長及び中村会長の関係先で株式シェアの85%以上が保有されており、安定的な株主構成である。
個人中心の株主構成であり、ファンド及び金融機関の株主参入はない。
ポピンズホールディングスビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
株式会社ポピンズホールディングス<7358>はベビーシッター派遣を中心とした在宅サービス事業及び保育・学童施設運営を行うエデュケア事業を手掛ける企業である。

事業内容
同社グループ(以下、同社)は同社、連結子会社3社、非連結子会社2社より構成されており、下記事業を行っている。
- 在宅サービス事業
- エデュケア事業
在宅サービス事業について
在宅サービス事業では下記3サービスを提供している。
- チャイルドケアサービス事業(ナニーサービス、ベビーシッターサービス)
- シルバーケアサービス事業
- 家事支援サービス事業
在宅サービス事業ではナニー(教育ベビーシッター)及びベビーシッターを中心とした在宅保育サービス、高齢者向け住宅ケアサービス及び家事支援サービスを提供している。
顧客の自宅等にナニー、ベビーシッター、ケアスタッフ、ハウスキーパースタッフなどの派遣を行い、サービスの提供を行っている。
エデュケア事業
エデュケア事業では保育・学童施設の運営を行っており、「認可保育事業」と「認可外保育事業」の両者の事業を手掛けている。
同社が運営するエデュケア事業施設数は下記で推移している。

2018年12月期末から2019年12月期末にかけて100施設以上の増加があり、合計施設数は300を超え2020年10月末時点で322施設となっている。
学童・児童館の89施設が最多で、次いで事業所内保育所87施設、認定こども園67施設である。
同社では三大都市圏以外の地方主要都市も含め、保育施設から学童施設まであらゆる形態の施設をフルラインで運営しており、保護者の多様なニーズに対応できることが同社エデュケア事業の特徴である。

セグメント別損益
各期のセグメント別損益は下記となっている。
2018年12月期 売上高171億円、営業利益10億円
- 在宅サービス事業 売上高29億円、営業利益8.8億円)
- エデュケア事業 売上高138億円、営業利益16億円)
2019年12月期 売上高215億円、営業利益14億円
- 在宅サービス事業 売上高34億円、営業利益10億円)
- エデュケア事業 売上高174億円、営業利益17億円)
全体売上高の約7~8割がエデュケア事業から計上されている。ただし在宅サービス事業は利益率(営業利益率約30%)が高く、売上規模は小さいながら2019年12月期に営業利益10億円を計上するなど、利益面での貢献が大きい。
尚、2020年12月期の売上高は下記の予想である。
- 在宅サービス事業 28億円(対前年同期比▲18%減)
- エデュケア事業 191億円(同10%増)
2020年12月期はエデュケア事業の増収は継続するものの、在宅サービス事業は減収の見込みである。
まとめ
ベビーシッター派遣を中心とした在宅サービス事業及び、保育・学童施設運営を行うエデュケア事業を手掛ける企業のIPO案件である。
在宅サービス事業とエデュケア事業がいずれも伸びており、2019年12月期は売上高200億円の大台を突破した。しかし2020年12月期は在宅サービス事業の減収を見込んでおり、全体では増収増益を見込むものの、増収増益ペースは鈍化の見込みである。
IPOによる調達資金を活用して、IPO後も成長を維持することができるのか、という点が今後の注目ポイントになると考えられる。
IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
当社は、ベビーシッター派遣等を中心とした在宅サービス事業及び保育・学童施設等の運営を行うエデュケア事業等を展開している。当社のベビーシッターサービスの特徴は、ナニーと呼ばれる英国では国家資格になっている、子供のおむつ交換や授乳などの基本的な身の回りのお世話に加えて、送迎や教育、しつけなどを親に代わって行うプロフェッショナルの派遣を行っているところだ。このナニーサービス会員が毎年二桁の伸びとなっている。
株価のバリュエーションは、公開価格時価総額が279億円、予想利益ベースのPERが27.3倍となっており、労働集約型のサービス業としてはやや割高感を感じるが、事業の成長性は持続すると考えられるので、ナニ―会員の伸び率が変わらない限り、PER30倍程度の水準は妥当と考えられる。
上場当日の株価動向は、資金吸収額が100億円を超すが、時価総額が250億円超となり東証1部指定となることから、機関投資家の買いも想定され、公開価格近辺で前場の早い時間に初値が付くと考える。セカンダリー市場においては、当社は12月決算なので、2月に発表される来期の業績予想を見てからの取組でも遅くないと考える。また、期末配当が1株35円見込まれるので、12月末に向けて、株価が軟調に推移すれば、配当狙いの買いもあるかもしれない。
ポピンズホールディングス会社情報
会社名 |
---|
株式会社ポピンズホールディングス |
コード |
7358 |
市場 |
市場第一部 |
業種 |
サービス業 |
売買単位 |
100株 |
代表者名 |
代表取締役会長 中村 紀子 /1949年生 |
会社住所 |
東京都渋谷区広尾五丁目6番6号 |
設立年 |
2016年 |
社員数 |
40人(2020年10月31日現在) |
事業内容 |
ベビーシッター派遣等を中心とした在宅サービス事業及び保育・学童施設等の運営を行うエデュケア事業等 |
URL |
https://www.poppins.co.jp/ |
資本金 |
90,000,000円 (2020年11月16日現在) |
上場時発行済み株数 |
9,780,000株 |
公開株数 |
3,250,000株 |
連結会社 |
4社 |
大株主
(株)スピネカ | 46.72% |
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轟麻衣子(戸籍名:軣麻衣子) | 20.76% |
中村紀子(戸籍名:軣紀子) | 7.93% |
軣怜大 | 3.54% |
軣有紗 | 3.54% |
森榮子 | 2.83% |
杉本五十洋 | 1.42% |
中村靖 | 0.47% |
井上正明 | 0.12% |
田中博文 | 0.12% |
ロックアップ情報
中村紀子、轟麻衣子、軣怜大、軣有紗、森榮子、杉本五十洋、中村靖、株式会社スピネカは、上場後180日目の2021年6月18日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×公開価格) |
---|
92億6250万0000円(3,250,000株×2,850円) |
潜在株数(ストックオプション) |
276,000株 |