グラフ,男性
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【ファンダ編】投信――安全資産といえば金関連に限る

米国の弱含みの雇用統計をはじめ、英国のEU離脱が決定と世界経済は不穏な空気を醸し出している。その空気を察してか、金関連の投信が好調だ。

英国のEU離脱など世界経済は不安定化で安全資産の金関連が好調

相場環境が不安定になると、安全資産として金(ゴールド)の注目度が高まります。6月には、低調な米国雇用統計、ユーロ圏のインフレ率押し上げを目的としたECB(欧州中央銀行)の社債買い入れ、さらには英国のEU(欧州連合)離脱などが相次ぎ、ニューヨーク金先物価格は大きく上昇しました。

金価格の値動きを享受する方法としては、現物・先物取引が代表的ですが、投資信託ならNISA(少額投資非課税制度)を活用することで非課税メリットが受けられます。かつては商品先物への直接投資が規制されていた投信ですが、2008年の規制緩和を経て、国内・海外双方の商品先物市場への直接投資が可能となりました。

こうした経緯もあり、規制緩和以前に設定されたブラックロックの3本(下の表参照)は、すべて金鉱企業の株式を主要投資対象としており、金価格の値動きを直接享受するような運用は行ないません。ETF(上場投信)を含む金関連のファンドは、2009年以降に設定されたものが主流になっています。

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金関連のファンドを選ぶうえで重要なポイントとなるのが、投資先の市場と為替です。たとえば、「三菱UFJ 純金ファンド」や「ジャパン・ゴールドファンドⅡ」は、国内市場の東京商品取引所の金価格を反映するのに対し、「MHAM金先物ファンド」は海外市場のCOMEX(ニューヨーク商品取引所)の金先物価格を反映します。海外ものはほかにも、現物(地金)価格の動向を反映する「i-mizuhoゴールドインデックス」や、世界最大の金ETFである「SPDRゴールド・シェア」を組み入れた「ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)」などがあります。

国内金価格は円建てですが、海外金価格は先物・現物ともに米ドル建てのため、為替の影響を受けます。冒頭で、6月以降ニューヨークの金先物価格が上昇したことについて触れましたが、これはあくまで現地通貨である米ドルベースの話です。6月は急激に円高が進んだだめ、円に換算すると、金価格の上昇分はほぼ相殺されてしまいます。もちろん、為替が円安に振れれば、金価格の値上がり益のほか、為替差益も期待できます。

「それなら、為替リスクのない東京商品取引所のほうがより安全に金に投資できるのでは?」と、思われる方も多いでしょう。確かに、円建ての東京商品取引所の金価格そのものには、為替リスクはありません。

しかし、東京商品取引所は、世界の金取引の中心であるニューヨークCOMEXの影響を多分に受けて価格が形成されています。日本固有の材料によって価格が変動することはほとんどないため、国内市場に対して過度な〝幻想〞を抱くこともまた危険です。

安全資産のイメージが強い金ですが、実態は、リスクが高まった際の「消去法的な退避先」です。安全だからと積極的に投資するのではなく、あくまでリスク分散の一環として、ポートフォリオの1割以内の組み入れにとどめておくことがポイントです。

【マンガで押忍! 投信編】
金(ゴールド)に頼りすぎてはいけないの巻

英国のEU離脱を受けて、世界経済に不透明感が漂っている。そんな中、安全資産として金関連の投信が人気になっている。金はあくまでもリスクを分散するための商品で、過度な期待は良くないと熱弁をふるう火原だったが…。

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今月のファンダ先生

篠田尚子
楽天証券経済研究所 ファンドアナリスト。慶應義塾大学法学部卒業。国内銀行、リッパー・ジャパンを経て、2013年11月より現職。情報収集力と分析力は天下一品!

【ニューフェース編】投信――成長性の高い新興市場などの中小型株に投資

リサーチが難しい個別銘柄を厳選投資。爆発力に期待

日本の株式市場は、2016年に入ってからは下落基調が鮮明となっています。それとは対照的に、2016年に入ってから上昇基調が続いているのが、東証マザーズ市場です。ITバブルを経て長く低迷していましたが、2016年春に入ってから東証マザーズ指数も高値を更新してきました。

この7月19日に東証マザーズ指数先物の取引がスタートしました。そうした背景もあって上昇しているのかもしれませんが、インターネットという目に見えないものが登場により、形あるものから社会構造が変化していることが、新興市場銘柄や中小型株が好調に推移する背景として挙げられるでしょう。

今回ご紹介する「いちよし中小型成長株ファンド」は、日本の中小型株の中から、企業の成長性などを企業経営者にインタビューをはじめとして「いちよし経済研究所」がリサーチを行ない、投資対象となる銘柄を選別するファンドです。

中小型株や新興株は、若い企業が多いので成長性や有望性はあります。半面、知名度が低いことからボラティリティー(株価変動率)が高くなりがちです。

リサーチが難しいセクターですが、いちよし経済研究所は中小型株、新興株に対する調査力には定評があります。そのため、銘柄選別力によって、安定かつ高いパフォーマンスが期待できます。

もちろん、マーケットの地合いが悪い場合には、大型株も中小型株、新興株も、いい結果が得られるとは限りません。しかし、地合いがよ良くなったときの爆発力はケタ違いです。

そうした銘柄を選別するプロに任せてみてはいかがでしょうか。

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横山利香
ファイナンシャル・プランナー。テクニカルアナリスト。投信だけでなく、株式、FXなど投資関連の執筆のほか、初心者向けに株塾を主催している。

【復活の老舗!編】投信――社債を組み入れ安定した騰落率を発揮

運用利回りによって信託報酬を引き下げ。長期投資向き

国内債券市場の厳しい運用が難しい中、「DLIBJ公社債オープン(中期コース)」は比較的高い運用利回りを確保できています。国債の組み入れ比率を全体の50%未満に抑え、積極的に事業債(社債)を組み入れることで直近3年の騰落率は10%超、直近3カ月、1年といった比較的短期間の騰落率も非常に安定しています。

販売手数料は無料、信託報酬は水準が3段階に分かれており、ベンチマークの運用利回りが低いときは信託報酬も低くなるため、投資家にとっては納得して長期投資しやすい仕組みだといえます。

組み入れ債券の平均残存期間は執筆時点で10.5年と長めです。残存期間が長いほど金利上昇時に債券価格が下落しやすい金利変動リスクがありますが、現在の金利動向を考慮しますとそれほど気にする必要はなさそうです。中長期保有を前提に考えましょう。

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内山貴博
内山FP総合事務所代表。ファイナンシャル・プランナー。CFP、1級FP技能士の資格を持つ。九州共立大学経済学部非常勤講師を務める。

【月替わり番付編】投信――投信最新番付!今月のランキング

英国のEU離脱問題で世界同時株安。日本は円高の影響が重い

6月は、英国の欧州離脱をめぐる国民投票でEU(欧州連合)離脱支持が過半数を占め、世界に動揺が広がりました。欧米市場は急落した後、月末にかけて反発しましたが、円高が重くのしかかった日本は、日経平均株価が月間で9.6%下落しました。

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チャートも見たい1本
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「ベスト」で6位につけた「フィデリティ・USリート・ファンドA(為替ヘッジあり)」は、米国の取引所に上場するリート(不動産投資信託)に投資するファンドで、海外リートに投資するファンドの中でも12年超という長い運用歴を誇ります。当ファンドの月次分配金は毎月60円と、比較的無理のない範囲で分配が行なわれています。

こうした中、ランキングの「ベスト」はがらりと顔ぶれが変わりました。これまで上位に名を連ねていた国内の中小型株、新興市場株型に代わり、金鉱株を主要投資対象とする「ブラックロック・ゴールド・メタルオープン」や「ブラックロック・ゴールドF」が上位3位までを独占。

このほか、米国リートに投資するファンドの中でも、為替ヘッジのついたタイプは、円高進行による基準価額の下落を回避することができたため、上位に浮上しました。

そして、「ワースト」もやはり、為替変動の影響が色濃く反映された結果となりました。1位の「ドル好感企業日本株オープン」は、円安・ドル高局面で株価上昇が期待できる「ドル好感企業」を組み入れているため、足元のような円高局面で大幅な下落に見舞われました。また、政治・経済の先行き不透明感が通貨安の一要因となっているメキシコペソ関連のファンドも苦戦を強いられました。

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【気になる投資編】商品対決――危機にも強い連続増配株

今年5月から6月にかけて相次いで上場された、通称「賃上げETF」。昨年12月に日銀が決定した年間最大3000億円の買い入れ効果が期待され、話題を集めた。設備投資や人材投資に積極的な企業を対象にした新型ETFの有望度は?

アベノミクスが後押しする新型ETF上場に注目は集まったが…

政府の経済界に対する賃上げ要請が続く中、いつの間にか「賃上げETF(上場投信)」と呼ばれ、上場が注目されるようになった新型ETFですが、実際に5月に3本、6月に2本(下表)が上場された後の人気は今のところ芳しくありません。

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某投資家いわく、「設備投資や人材投資に踏み切る企業はすでに業績のいい企業。株価には織り込み済みで、市場平均より好パフォーマンスは望めない」。某FPは「JPX日経インデックス400の採用銘柄と変わらない。現在上場している『JPX日経インデックス400連動型上場投信』の信託報酬より高く、コスト高」。

某市場ウオッチャーは「連動対象の指数先物がまだ上場していない。日銀の買い入れ枠が3000億円といっても、実際に買い入れるのは純資産総額の半分までと定められている」。

どうにも分が悪いようです。一方、最近あらためて見直されているのが連続増配株(下表)。単なる高利回り銘柄ではなく、長く増配を続けている銘柄です。今回は賃上げETFと連続増配株に注目します。

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「連続増配株は、2008年のリーマン・ショック後も増配を続けたような銘柄で、景気や為替、金利などに左右されにくく、内需に強い業績安定企業が多い。賃上げETFは看板倒れ、ブームや流行に乗る投信販売のあしき風習といった声も聞かれますが、日銀の買い支え効果は無視できません。連動する指数の構成銘柄に着目するという手もあるでしょう。連続増配株とダブルでふるいにかけて、銘柄の選択をするのです」と話すのはFPの金子千春さん。

連続増配株が注目される理由は、まず好業績であること。配当を増額するには利益が順調に伸びていなければできないからです。ただし、配当利回りはさほど高くありません。また、財務体質が健全であり、株主還元に積極的であることも注目すべき理由として挙げられるでしょう。

米国には25年以上連続増配している企業で構成される「S&P500配当貴族指数」という指数があり、通常の「S&P500種株価指数」より高リターンです。リーマン・ショック後の差が大きく、前者の採用銘柄は危機に強い投資先といえます。

米国では配当に対する意識が強く、20年以上増配している企業が150社以上、40年以上の連続増配企業は50社程度。日本では20年以上増配している企業は花王のみ。米国では、投資家も企業も配当意識が圧倒的に強いようです。

『連続増配』は堅実投資のキーワード。常に頭の片隅に置いておこう

「米国の連続増配企業に注目するなら、S&P500配当貴族指数に連動するETN(上場投資証券)が東証に上場していて、1万円前後の少額から投資可能です。また、日本でも連続増配の指標となる『S&P/JPX配当貴族指数』を日本取引所グループ、東京証券取引所とS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが共同で開発中のようです。『連続増配』は堅実な投資のキーワードともいえるのです。投資金額が高めになるかもしれませんが、常に頭の片隅に置いておくといいと思います」(金子さん)

英国のEU(欧州連合)離脱で世界の株式市場に大きなリスクが予測される中、世の中の変動に左右されにくく、生活に必要とされる業績安定企業は魅力的な投資先といえるでしょう。というわけで、今回は連続増配株に軍配!

【マンガで押忍! 商品対決編】
イギリスのEU離脱が次々連想を呼んでの巻

イギリスのEU離脱の次はバングラデシュテロ事件の日本人犠牲者のニュース。国内では参院選に続いて、都知事選となりましたが、世の中がどうなっても私たちの生活を支えているような企業が強い投資先といえるのでしょう。

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今月のジャッジ先生

金子千春
ファイナンシャル・プランナー。日本長期信用銀行(現・新生銀行)を経て、2003年に独立。保険の見直しや住宅ローン、資産運用の相談、セミナー講師として活躍中。