
【目次】 ①️Kaizen PlatformホールディングスIPOの基礎情報 ②ビジネスモデル解説(12/11更新) ③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント(12/1更新)
Kaizen PlatformIPOのスケジュール
Kaizen PlatformほのIPOスケジュールは以下の通りだ。
仮条件決定 | 2020/12/03 |
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ブックビルディング期間 | 2020/12/07 - 12/11 |
公開価格決定 | 2020/12/14 |
申込期間 | 2020/12/15 - 12/18 |
上場日 | 2020/12/22 |
Kaizen Platformホールディングスのブックビルディング概要と初値予想
Kaizen Platformホールディングスのブックビルディングの概要が次の通りだ。
仮条件 | 1,100~1,150円 |
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公募価格 | 1,150円 |
当選口数 | 5,760,600株 |
初値予想金額(※) | 1,150円 ~ 1,600円 |
ブックビルディング期間 | 2020/12/07 - 12/11 |
狙い目証券会社 | SBI証券 |
Kaizen PlatformホールディングスIPOの幹事証券会社
Kaizen PlatformホールディングスのIPOの幹事証券が以下の通りだ。
IPOに申し込むなら、主幹事であるSBI証券で申し込んで抽選に参加するのがおすすめだ。
証券会社 | 割当率 | 前受金 | |
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主幹事 | SBI証券 | 65.00% | 必要 |
幹事 | クレディ・スイス・ジャパン証券 | 25.00% | 必要 |
大和証券 | 4.00% | 必要 | |
三菱UFJモルガン・スタンレー | 3.00% | 必要 | |
みずほ証券 | 1.00%/td> | 必要 | |
岡三証券 | 0.50% | 必要 | |
岩井コスモ証券 | 0.50% | 必要 | |
極東証券 | 0.50% | 必要 |
Kaizen Platformホールディングス業績情報(単位:1千円)
売上高 | 経常利益 | 当期利益 | |
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2017年12月期 | 454,769 | -113,256 | ▲-188,522 |
2018年12月期 | 988,239 | -454,667 | -459,394 |
2019年12月期 | 1,354,946 | -150,475 | -162,646 |
2020年12月期(予想) | 1,192,932 | 21,496 | 12,477 |
Kaizen Platformホールディングスビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
株式会社Kaizen Platform<4170>は顧客のWebサイトの改善を行うサイトソリューション事業と動画ソリューションを提供するKaizen Video事業の2事業を展開する企業である。

■事業内容詳細
同社は下記2事業を手掛けている。
・サイトソリューション事業
・Kaizen Video事業
尚、同社は2013年3月に米国カリフォルニア州で設立されたKAIZEN platform Inc.が前身である。2017年4月に同社が設立され、同年7月に行われた企業再編により現在の国内法人中心の企業形態となっている。

●サイトソリューション事業について
サイトソリューション事業は、顧客のWebサイトのUX(User Experience、顧客体験の略称:ユーザーがサービスを利用して得られる体験の総称)を改善することでCVR(Conversion Rate:Webサイトの訪問者に対する、サイトでの商品を購入や会員登録を行う人の割合)を向上させ、顧客のWebビジネス成長を支援するUXソリューションを提供している。
UXソリューションは、顧客のWebサイトのUI(User Interface:サイトのデザイン等、ユーザーから見える情報の総称)改善に関するコンサルティングを提供するのみならず、分析や個別最適化が容易に実装可能となるツール提供も行うことで、UXを向上させるための戦略立案から施策実施までをワンストップで提供する。
また同社の運営するプラットフォーム上の様々な領域のデジタル専門人材が、顧客の課題や業界特性に合わせてデータを活用し、クラウド上でチームを組成し、プロジェクトを推進している。これらのフルリモートの専門人材チームである「KAIZEN Team」によりコンサルティングから実行に至るプロフェッショナルサービスが提供される。
また、クライアントのDX(Digital Transformation:企業がデータとデジタル技術を活用して製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務・組織・企業文化等を変革して競争上の優位を確立すること)をトータルサポートするDXソリューションを2019年12月期より立ち上げた。

●Kaizen Video事業
Kaizen Video事業は、素材から目的に合わせ最適な動画コンテンツを制作できる動画ソリューションを提供している。5Gの普及により今後更に動画活用が予想される中で、Web上のコンテンツだけでなくカタログやチラシなどの紙媒体のコンテンツも含め、最短5営業日で納品し、動画1本当たり最低5万円からの価格でサービスを提供している。
またカタログ、チラシ等の紙媒体やTVCMなど既存コンテンツから動画を簡単に制作できることもKaizen Video事業のサービスの特色の1つであり、顧客は動画用の素材を新たに準備することなくスピーディーな動画制作が可能である。
2019年12月期部門別損益
2019年12月期 売上高14億円(対前年同期比37%増)、営業利益▲1.6億円(前年同期▲4.7億円)
・サイトソリューション事業 9.7億円(対前年同期比18%増)、セグメント利益▲0.3億円(前年同期▲1.5億円)
・Kaizen Video事業 3.9億円(同上128%増)、セグメント利益▲1.3億円(同上▲3.2億円)
サイトソリューション事業が全体売上の7割以上を占める主力事業である。しかしKaizen Video事業が大幅な伸びを見せており、今後5G普及とともに更なる伸びが期待できる状態である。
サイトソリューション事業、Kaizen Video事業ともにセグメント利益は赤字であるが、赤字額は縮小している。
業績推移
2017年12月期 売上高4.5億円、経常利益▲1.1億円、当期純利益▲1.9億円
2018年12月期 売上高9.9億円、経常利益▲4.5億円、当期純利益▲4.6億円
2019年12月期 売上高14億円、経常利益▲1.5億円、当期純利益▲1.6億円
2020年12月期(予想) 売上高17億円、経常利益▲0.2億円、当期純利益▲0.3億円
※2018年12月期より連結決算
同社は2017年4月設立であり、2017年12月期が第1期である。
順調に増収を続けており2019年12月期は売上高10億円の大台を突破したが、赤字が継続。ただし赤字は2018年12月期がピークとなっている。
2020年12月期も増収は継続するが、経常利益は若干の赤字の予想である。尚、営業利益ベースでは黒字化(2百万円)の予想。2020年12月期Q3(累計)は売上高12億円、経常利益0.2億円であり、通期予想達成に向け順調に進捗している。
財務状況
2019年12月期末時点で資産合計14億円に対し、純資産合計12億円、自己資本比率83%である。借入金なく現預金9.3億円を有しており、財務内容に対し特段の懸念事項はない。
尚、ソフトウェア及びソフトウェア仮勘定などで無形固定資産2.1億円が計上されている。
キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが2018年12月期▲4.5億円、2019年12月期▲0.7億円と推移。減価償却費が2018年12月期0.5億円、2019年12月期0.7億円計上されており、税金等調整前当期純損失に比べマイナス幅が抑えられている。
資金使途
IPOにより20億円の資金調達を行い、下記使途を予定している。
・人件費(開発、営業及びカスタマーサクセス人員の採用費及び人件費) 17億円
・マーケティング費(同社事業の認知度向上及び顧客基盤拡大のため) 2.9億円
調達資金の大半は事業拡大のための採用費及び人件費に充当される。
公募株数1,550,000株に対し売出株数3,459,300株であり、売出株数の多いIPOである。売出はVC保有株を中心に行われる。
株主構成
筆頭株主は須藤社長であり株式シェアの29%を保有している。
第2位Japan Ventures Ⅰ L.P.(株式シェア16%)以下、多数のVCが株主参入しておりVC比率は38%である。尚、VC株主は株価1.5倍もしくはIPO後90日のロックアップ契約を締結済み。
事業会社として株式会社NTTアド(同6.4%)、株式会社コロプラ(3668:同2.7%)、大日本印刷株式会社(7912:同2.5%)が出資している。
まとめ
Webサイトの改善を行うサイトソリューション事業と動画ソリューションを提供するKaizen Video事業の2事業を展開する企業のIPO案件である。
2017年4月の設立以来(前身の米国法人は2013年3月に設立)成長を続けており、2019年12月期は売上高14億円、経常利益▲1.5億円となったが赤字が継続している。
動画ソリューションを提供するKaizen Video事業が成長しており、今後5Gインフラの普及とともに更なる成長が期待される。
5Gの普及によるKaizen Video事業の成長をテコとして、IPO後に黒字化を果たし更なる成長を続けることができるのか、という点が今後の注目ポイントになると考えられる。
IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
当社は、WebサイトのUI/UX改善サービスの提供及び広告/営業/販促動画制作支援により、企業の顧客体験のデジタルトランスフォーメーションを推進する事業を展開している。具体的には、顧客企業のHP上のアクセスを増やすための施策を提案したり、HP上のコンテンツとして動画を作成したりしている。人材においては、その案件ごとに外部のグロースハッカーと呼ぶ技術者でチームを編成してソリューションを提供している。
株価のバリュエーションは、公開価格時価総額が177億円、予想利益ベースのPERは赤字で計算はできない。上場当日の株価動向は、資金吸収額66億円の大きく、同日にIPOする3社はいずれも大型のファイナンスをしているので、初値は前場の早い時間に付くと考える。
セカンダリー市場においては、いつ黒字転換するかによって、手掛けるタイミングが難しそうだ。当社はKPIとして、取引社数と登録グロースハッカー数を開示すると思われるので、この数値の中でも取引社数の成長と収益のバランスを見ながら黒字転換する四半期があれば、そのタイミングから手掛けても遅すぎることはないと考える。
また、当社の既存の株主の中でのVC比率が上場時の売出しをした後でも20%近く保有していることから、ロックアップ明けになると売りが出て来る可能性も念頭に置いておくべきだろう。ロックアップ明けと黒字転換のタイミングが非常に重要になっているので、この二つのイベントを常に意識しておくべきだろう。
Kaizen Platformホールディングス情報
会社名 |
---|
株式会社Kaizen Platform |
コード |
4170 |
市場 |
マザーズ |
業種 |
情報・通信業 |
売買単位 |
100株 |
代表者名 |
代表取締役兼執行役員 須藤憲司 /1980年生 |
会社住所 |
東京都港区白金一丁目27番6号 |
設立年 |
2017年 |
社員数 |
59人(2020年10月31日現在) |
事業内容 |
WebサイトのUI/UX改善サービスの提供及び広告/営業/販促動画制作支援により、企業の顧客体験のデジタルトランスフォーメーションを推進 |
URL |
https://kaizenplatform.com/ |
資本金 |
693,999,000円 (2020年11月18日現在) |
上場時発行済み株数 |
15,424,473株 |
公開株数 |
5,009,300株 |
連結会社 |
1社 |
大株主
須藤憲司 | 28.95% |
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Japan Ventures Ⅰ L.P. | 16.08% |
AT-I投資事業有限責任組合 | 8.20% |
石橋利真 | 7.08% |
(株)エヌ・ティ・ティ・アド | 6.37% |
FinTechビジネスイノベーション投資事業有限責任組合(SBIインベストメント) | 4.01% |
YJ2号投資事業組合 | 3.33% |
(株)コロプラ | 2.67% |
大日本印刷(株) | 2.52% |
渡部拓也 | 2.27% |
ロックアップ情報
指定された株主は上場後90日目の2021年3月21日まで
または、上場後180日目の2021年6月19日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×公開価格) |
---|
57億6069万5000円(5,009,300株×1,150円) |
潜在株数(ストックオプション) |
2,012,318株 |