交換できるくん
(画像=NET MONEY編集部)

【目次】
①️交換できるくんIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント(12/8更新)

会社名
株式会社交換できるくん
コード
7695
市場
マザーズ
業種
小売業
売買単位
100株
代表者名
代表取締役社長 栗原 将 /1975年生
会社住所
東京都渋谷区東一丁目26番20号
設立年
1998年
社員数
73人(2020年10月31日現在)
事業内容
インターネットを利用した住宅設備機器の販売
URL
https://www.dekirukun.co.jp/co/
資本金
113,250,000円 (2020年11月19日現在)
上場時発行済み株数
2,170,000株
公開株数
350,000株
連結会社
なし
スケジュール
仮条件決定:2020/12/04→1,890~2,050円に決定
ブックビルディング期間:2020/12/08 - 12/14
公開価格決定:2020/12/15→2,050円に決定
申込期間:2020/12/16 - 12/21
上場日:2020/12/23→初値4,615円
シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
主幹事証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
引受証券:楽天証券 (楽天証券の詳細記事はこちら)
引受証券:エース証券
引受証券:東洋証券
引受証券:極東証券
引受証券:エイチ・エス証券
引受証券:岩井コスモ証券
引受証券:藍澤證券
引受証券:むさし証券
引受証券:水戸証券
引受証券:あかつき証券
大株主
(株)CRESCUNT 46.11%
栗原将 28.36%
栗原剛 11.76%
NVCC8号投資事業有限責任組合 4.61%
酒井克知 1.84%
(株)ベクトル 1.38%
ジャパンベストレスキューシステム(株) 1.38%
JBRあんしん保証(株) 1.38%
リンナイ(株) 0.46%
吉野登 0.46%
業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産
2018/03 単体実績 
3,534,219 98,363 67,558 290,652
2019/03 単体実績 
3,426,571 -81,411 -135,769 154,882
2020/03 単体実績 
4,008,308 171,655 133,542 288,424
2020/09 第2四半期単体実績 
2,182,022 123,999 96,312 384,736
ロックアップ情報
指定された株主は上場後90日目の2021年3月22日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×公開価格)
7億1750万0000円(350,000株×2,050円)
潜在株数(ストックオプション)
98,500株
ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
株式会社交換できるくん<7695>は住宅設備機器と工事をセットで販売するeコマースサイト「交換できるくん」を運営する企業である。

交換できるくん,IPOレポート1
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■事業内容詳細
同社は住宅オーナーの住宅設備機器の故障や劣化などによる機器交換時のニーズに対して、住宅設備機器と工事をセットで販売するeコマース事業を展開している。大規模リフォームではなく住宅設備機器の交換事業に特化する点が特徴である。

具体的には住宅設備機器について、同社のWebサイト「交換できるくん」を通じて顧客から注文を受け付け、訪問による取り付け工事を行っている。

顧客は見積りフォームに指定された写真の添付と必要項目の記入を行うのみでサービス利用が可能である。同社は受領した情報を参照して機器の設置可否・適合の判定・必要部材の有無、オプション工事の有無などを確認し、全ての費用を含んだ見積りを作成する。

尚、支払いについてはクレジットカード払い、分割払い、現金払い、銀行振込など多彩な方法で対応している。

交換できるくん,IPOレポート2
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■同社の強み
同社の強みは下記3点である。

・媒体力
・ネット完結型
・施工品質

●媒体力
Webサイト「交換できるくん」では商品紹介、施工事例及びユーザーレビューといった情報を蓄積し、ユーザーに有益なコンテンツを提供している。コンテンツ力が強化されることでサイト流入が増加し、それがユーザーからの見積もり依頼の増加に繋がるという好循環が同社の成長サイクルとなっている。

●ネット完結型
見積もりはオンラインでスピーディーに完結し出張見積もりはない。年間3万件超(2020年3月期)の工事実績から得たノウハウで、現地出張なく見積金額の取得が可能である。

また見積りは商品代金と基本工事費をシンプルに提示している。基本工事に諸経費が全て含まれており、見積り以外の追加費用は発生しない。

Webサイト「交換できるくん」ではWeb集客から交換工事まで、一気通貫で対応し各工程を自社管理している。自社管理を行うことでサービス品質の維持向上が可能であり、顧客からのリピート注文にも繋がっている。

交換できるくん,IPOレポート3
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

●施行品質
20年間の技術力・ノウハウの蓄積を元に、同社が定める施行水準を満たした正社員もしくは契約パートナー(施工業務契約に基づく)が施工を行っている。また最長10年の工事保証を提供する。


■業績推移
2018年3月期 売上高35億円、経常利益1.0億円、当期純利益0.7億円
2019年3月期 売上高34億円、経常利益▲0.8億円、当期純利益▲1.4億円
2020年3月期 売上高40億円、経常利益1.7億円、当期純利益1.3億円
2021年3月期(予想) 売上高47億円、経常利益2.3億円、当期純利益1.9億円

2020年3月期に売上高40億円に到達するなど、着実に事業を拡大している。2019年3月期は赤字となったものの2020年3月期は黒字を回復した。

2021年3月期は増収増益を予想し、経常利益は2億円の大台達成の予想。2021年3月期Q2(累計)で売上高22億円、経常利益1.2億円であり、通期予想達成に向けた進捗は順調である。


■財務状況
2020年3月期末時点で資産合計8.6億円に対し、純資産合計2.9億円、自己資本比率34%である。借入金1.2億円に対し現預金3.4億円を保有している。尚、負債合計5.7億円のうち買掛金が2.7億円と約半数を占めている。

キャッシュ・フロー計算書において、営業活動によるキャッシュ・フローは2019年3月期▲1.1億円、2020年3月期1.2億円であり、2020年3月期はプラスに転換している。


■資金使途
IPOにより2.7億円の資金調達を行い、下記使途を予定している。

・Webサイト改修やCRMに係る投資資金 1.1億円
・データ活用・AIによる経営の効率化及び業務改善に係る投資資金 1.2億円
・同社サービス認知度向上のための宣伝広告費 0.5億円

調達資金は事業拡大のためのWebサイト改修や宣伝広告費、また業務効率化のための投資資金に充当される。

また公募株数100,000株に対して売出株数250,000株である。売出は栗原社長他の保有株数で行われる。

■株主状況
筆頭株主(株式シェア46%)の株式会社CRESCUNTは栗原社長の資産管理会社である。栗原社長は個人でも第2位株主(同28%)で、親族も第3位株主(栗原剛氏、同12%)である。栗原社長の関係先で株式シェアの8割以上が保有され安定的な株主構成となっている。

事業会社として株式会社ベクトル(6058:同1.4%)、ジャパンベストレスキューシステム株式会社(2453: 同1.4%)などが出資している。

またVCとしてNVCC8号投資事業有限責任組合(同4.6%)が株主参入している。


■まとめ
Webサイト「交換できるくん」を運営し、住宅設備機器と工事をセットで販売するeコマース事業を展開する企業のIPO案件である。

価格設定が分かりにくい住宅設備機器工事について、同社のWebサイト「交換できるくん」を経由することで、現地出張なく見積りがなされて、見積りから工事の手配までをネットで完結できる。また見積り以外の追加費用は発生しない明瞭会計のサービスが提供されている。年間3万件超(2020年3月期)の工事実績を有しており、最長10年の工事保証が付く。

2021年3月期は売上高47億円、経常利益2.3億円の予想であり、経常利益は2億円を超える予想である。増収増益を続ける中で、IPO後はどのようなペースで成長を続けることができるのか、という点が今後の注目ポイントになると考えられる。
IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
当社は、住宅オーナーの住宅設備機器の故障や劣化などによる機器交換時にニーズに対して、住宅設備機器と工事をセットで販売するeコマース事業を展開している。取扱い商材は、キッチンまわり、トイレ、洗面室、浴室まわり等に特化し、大型にリフォームは行わない。

株価のバリュエーションは、公開価格時価総額が44億円、予想利益ベースのPERが23.4倍となっている。住宅リフォーム会社と比べるとやや割高感があるが、売上利益の成長が持続することを前提とすれば、公開価格ベースのPER水準が妥当と考えられる。

上場当日の株価動向は、資金吸収額が約8億円と小さいこともあり、需給はタイトであり、初値は後場まで持ち越される可能性が高い。しかしながら、eコマース関連とはいえ、扱っている商材からすると消耗品のようなリピート率があるわけではないので、成長性にも限界があると考えられるため、初値が付いた後は軟調な動きとなると予想する。

セカンダリー市場においては、上場後のラリーが一服して株価が落ち着いたときに、公開価格にIPOディスカウントを加味した水準まで売り込まれているようなことがあれば、業績見合いで取り組むことを検討してもよいのではないだろうか。