東京通信
(画像=NET MONEY編集部)

【目次】
①️東京通信IPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント(12/8更新)

会社名
株式会社東京通信
コード
7359
市場
マザーズ
業種
サービス業
売買単位
100株
代表者名
代表取締役社長CEO 古屋 佑樹 /1986年生
会社住所
東京都渋谷区恵比寿南一丁目1番9号
設立年
2015年
社員数
48人(2020年10月31日現在)
事業内容
アプリ事業、広告代理事業、その他
URL
https://tokyo-tsushin.com/
資本金
120,525,000円 (2020年11月19日現在)
上場時発行済み株数
4,937,500株
公開株数
1,000,000株
連結会社
7社
スケジュール
仮条件決定:2020/12/04→1,200~1,250円に決定
ブックビルディング期間:2020/12/08 - 12/14
公開価格決定:2020/12/15→1,250円に決定
申込期間:2020/12/16 - 12/21
上場日:2020/12/24→初値2,484円
シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
主幹事証券:野村證券
引受証券:みずほ証券
引受証券:岩井コスモ証券
引受証券:いちよし証券
引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
引受証券:楽天証券 (楽天証券の詳細記事はこちら)
引受証券:松井証券 (松井証券の詳細記事はこちら)
大株主
(株)YSホールディングス 62.15%
(株)monolice 9.75%
外川穣 9.37%
古屋佑樹 7.12%
村野慎之介 2.27%
SHINOSKAL(同) 2.27%
(株)セレス 1.81%
寺山隆一 1.46%
サンエイト・PS1号投資事業組合 0.85%
みずほ成長支援第3号投資事業有限責任組合 0.62%
業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産
2017/12 単体実績 
839,365 187,334 104,819 268,602
2018/12 連結実績 
1,236,847 238,769 90,576 944,025
2019/12 連結実績 
1,640,088 268,026 144,978 591,523
2020/09 第3四半期連結実績 
1,658,569 299,364 137,711 664,779
ロックアップ情報
指定された株主は上場後90日目の2021年3月23日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×公開価格)
12億5000万0000円(1,000,000株×1,250円)
潜在株数(ストックオプション)
80,910株
ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
株式会社東京通信<7359>はカジュアルゲームなどのアプリ事業及びアフィリエイト中心の広告代理事業を展開する企業である。

東京通信,IPOレポート1
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■事業内容詳細
同社は下記2事業を展開している。

・アプリ事業
・広告代理事業

●アプリ事業について
同社はアプリ事業を下記4事業に区分している。

・アプリ企画戦略事業
アプリの企画、開発及びパブリッシング、コンサルティング
・国内カジュアルゲームアプリ事業
国内向けカジュアルゲームアプリの運用及び管理
・海外カジュアルゲームアプリ事業
海外向けカジュアルゲームアプリの運用及び管理
・ハイパーカジュアルゲームアプリ事業
ハイパーカジュアルゲームアプリ運用及び管理

同社の主な開発ゲームは下記となっている。

東京通信,IPOレポート2
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

これまで国内向けカジュアルゲームアプリを中心に成長を果たしたが、第2の収益の柱を構築すべくハイパーカジュアルゲームアプリへの取組みを積極的に推進中である。

また海外展開も2019年12月期より米国、中国を中心に積極的な取組みを行っている。

収益モデルとしては、各カジュアルゲームに表示される広告による広告料収入が中心となっている。

●広告代理事業
同社ではアフィリエイト広告(成果報酬型広告)代理事業を展開しており、2019年12月期より運用型広告にも取り組んでいる。

VOD(Video On Demand)サービスに強みを持っており、クローズドネットワークを通じて過去に実績があるなど、集客力に強みを持つアフィリエイターを発掘し事業展開している。


■2019年12月期部門別損益
2019年12月期 売上高16億円、営業利益2.7億円
・アプリ事業 売上高14億円(対前年同期比145%)、セグメント利益3.4億円(同111%)
・広告代理事業 売上高2.8億円(同107%)、セグメント利益2.0億円(同93%)

全体売上の80%以上がアプリ事業から計上されており、アプリ事業が同社の主力事業である。ただし2019年12月期のセグメント利益はアプリ事業3.4億円に対し、広告代理事業2.0億円であり、広告代理事業は売上高2.8億円ながら利益率の高い事業となっている。

2019年12月期は対前年同期比ではアプリ事業は増収増益であるが、広告代理事業は増収ながら若干の減益である。

2019年12月期の主な相手先別売上は下記である。
・Google Asia Pacific Pte.Ltd. 6.4億円(割合39%)
・株式会社フジテレビジョン 2.8億円(同17%)

Googleとフジテレビの2社で売上高の半数以上が計上されている。2018年12月期も同様の状態であるが、2020年12月期Q3(累計)では両者の比率は38%まで低下しており、他社の開拓も進んでいる。


■業績推移
2017年12月期 売上高8.4億円、経常利益1.9億円、当期純利益1.0億円
2018年12月期 売上高12億円、経常利益2.4億円、当期純利益0.9億円
2019年12月期 売上高16億円、経常利益2.7億円、当期純利益1.4億円
2020年12月期(予想) 売上高21億円、経常利益2.9億円、当期純利益1.3億円
※2018年12月期より連結決算

既に黒字化しており着実に増収増益を続けている。

2020年12月期は増収により売上高20億円の大台到達の予想である。2020年12月期Q3(累計)で売上高17億円、経常利益3.0億円であり、通期予想達成に向けた進捗は順調である。

2020年12月期の部門別売上高は、アプリ事業18億円(対前年同期比130%)、広告代理事業3.3億円(同117%)を予想しており、両事業ともに増収が予想されている。


■財務状況
2019年12月期末時点で資産合計8.7億円に対し、純資産合計5.9億円、自己資本比率68%である。借入金なく現預金3.8億円を有しており、財務内容に対し特段の懸念事項はない。

尚、資産合計のうち流動資産合計が7.2億円であり、非常に流動比率の高い状態にある。


■資金使途
IPOにより6.8億円の資金調達を行い、下記使途を予定している。

・運転資金 3.4億円(アプリ事業におけるユーザー獲得のための宣伝広告費3.0億円、事業拡大のために必要な人材の採用費及び人件費0.3億円他)
・借入金返済 3.4億円

調達資金は事業拡大に向けた運転資金と子会社取得のために借り入れられた資金の返済に充当される。(2020年1月に65.0%の株式シェアを持つ子会社で広告運用事業を行う株式会社テクノロジーパートナーを完全子会社化している)


■株主状況
筆頭株主(株式シェア62%)の株式会社YSホールディングスは外川会長の資産管理会社である。外川会長は第3位株主として個人でも9.4%の株式シェアを持っている。

また第2位株主(同9.8%)の株式会社monoliceは古屋社長の資産管理会社。古屋社長は個人でも第4位株主(同7.1%)の株主である。外川会長と古屋社長の関係先で8割以上の株式が保有されており、安定的な株主構成となっている。

またVCとしてサンエイト・PS1号投資事業組合(同0.9%)他が株主参入している。


■まとめ
カジュアルゲームなどのアプリ事業及びアフィリエイト中心の広告代理事業を展開する企業のIPO案件である。

既に黒字が定着する中で、2020年12月期はアプリ事業及び広告代理事業ともに増収を予想している。同社が提供するカジュアルゲームアプリは売り切り型やアイテム課金型のゲームと異なり、広告モデル型のゲームである。手軽なゲームコンテンツのため、莫大な開発コストをかけずとも一定のユーザー数の確保がなされれば継続的な収益計上が可能であり、ゲーム事業としては手堅いビジネスモデルとなっている。

安定的にカジュアルゲームのユーザーを確保してIPO後も継続的な成長を続けることができるのか、という点が今後の注目ポイントになると考えられる。またアプリ事業と広告代理事業の2事業体制の継続性も注目される。
IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
当社は、スマートフォン向けの無料カジュアルゲームアプリを企画開発し、アプリ内に表示される広告をユーザーがクリックすることで得られる広告料を得る事業およびアフィリエイト広告代理事業を展開している。

株価のバリュエーションは、公開価格時価総額が62億円、予想利益ベースのPERは47.8倍となっている。上場当日の株価動向は、資金吸収額が約14億円と大きくないことから需給はタイトであり、初値は後場まで持ち越されると推測する。

初値が付いた後は、類似会社比準で公開価格は決まっているので、あくまでも類似会社比較では割高感とは言えないかもしれないが、ここ数年にわたり売上は伸びているものの利益が伸びていないので成長性はいまいちであり、株価を追うような形での買いが入るとは考えにくく、むしろ、初値が付いた後は、厳しい展開となるかもしれない。

セカンダリー市場においては、年明け2月中旬の決算発表で成長性が担保されるような来期の業績予想が出てきたら取り組む程度にしておいたほうがよさそうだ。