SANEI
(画像=NET MONEY編集部)

【目次】
①️SANEI IPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント(12/9更新)

会社名
SANEI株式会社
コード
6230
市場
市場第二部
業種
機械
売買単位
100株
代表者名
代表取締役社長 西岡 利明 /1958年生
会社住所
大阪府大阪市東成区玉津1丁目12番29号
設立年
1960年
社員数
647人(2020年9月30日現在)
事業内容
給排水器具等の製造販売
URL
https://www.sanei.ltd/
資本金
98,000,000円 (2020年11月19日現在)
上場時発行済み株数
2,220,000株
公開株数
460,000株
連結会社
3社
スケジュール
仮条件決定:2020/12/08→2,050~2,200円に決定
ブックビルディング期間:2020/12/10 - 12/16
公開価格決定:2020/12/17→2,200円に決定
申込期間:2020/12/18 - 12/23
上場日:2020/12/25→初値3,525円
シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
主幹事証券:大和証券
引受証券:野村證券
引受証券:三菱UFJモルガン・スタンレー証券
引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
大株主
西岡利明 38.78%
吉川正弘 34.69%
吉川弘二 5.10%
SANEI従業員持株会 5.10%
夏目和典 3.06%
尼見幸一 2.04%
岸田敏雄 1.28%
新田裕二 1.02%
(株)岡本製作所 (株)坂井製作所 1.02%
(株)多喜プラスチック (株)田中工業 夏目明美 1.02%
業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産
2018/03 単体実績 
20,771,938 1,033,159 513,745 7,540,549
2019/03 連結実績 
20,805,926 938,064 608,972 8,237,469
2020/03 連結実績 
21,346,079 1,095,716 726,550 8,894,309
2020/09 第2四半期連結実績 
10,359,813 656,803 457,478 9,314,186
ロックアップ情報
指定された株主は上場後180日目の2021年6月22日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×公開価格)
10億1200万0000円(460,000株×2,200円)
潜在株数(ストックオプション)
なし
ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
SANEI株式会社<6230>は水まわり製品(給水栓・給排水金具・継手及び配管部材等)の製造販売を手掛ける大阪市に本社を置く企業である。


■事業内容詳細
同社は1960年に創業され蛇口など水栓金具の販売から事業を開始した。その後はモノ作りを進め、水道メーターから蛇口までの水道インフラ全体をカバーする事業展開を進めた。

現在はキッチン・バスルーム・洗面ルームなどの水まわりにおける住空間全体をトータルに提案できるメーカーを目指し事業を展開する。

また同社では水まわり製品を自社で一貫生産する体制を有しており、マーケティング・企画から完成まで自社内で完結できる体制を構築している。

尚、岐阜県各務原市に主力工場である岐阜工場、大阪府大阪市城東区に組立工程専門の鴫野工場、中国大連市に100%子会社を有し生産を行っている。

IPOレポート1
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■同社の特徴
同社の特徴は下記2点をあげることができる。

・専業メーカーとしてのブランド展開
・複数の異なる販売チャネル

●専業メーカーとしてのブランド展開
同社はプロダクトデザイナーなどの協力を得て従来とは異なる水栓の提案を行っている。インテリアを構成する素材の1つとして、その空間のコンセプトに調和するようなデザインの選択肢を提供する複数ブランドの製品を用意している。

IPOレポート2
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

●複数の異なる販売チャネル
同社は販売チャネルを下記4ルートに分けている。

・管工機材ルート→水まわり資材を取り扱う管材店への販売(デベロッパーや設計事務所への販売も手掛ける
・リテールルート→量販店への販売が中心、ネット販売も強化中
・メーカールート→住宅設備機器メーカーへ製品供給を行う
・海外ルート→海外市場への輸出を行う

4つの販売チャネルに対し、四大都市圏である東京、名古屋、大阪、福岡に支店を設置し、また全国24カ所に営業所を設置して営業展開している。

IPOレポート3
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■2020年3月期のルート別売上高
2020年3月期売上高213億円
・管工機材ルート 売上高88億円(対前年同期比1.0%増)
・リテールルート 売上高70億円(同2.8%増)
・メーカールート 売上高49億円(同7.3%増)
・海外ルート・その他 売上高5億円(同12%現)

4つの販売チャネルを有しているものの、海外ルート・その他の売上高は5億円に留まっており、管工機材・リテール・メーカーの3者が主力ルートである。特に管工機材ルートが売上高の約4割を占める同社最大の販売ルートとなっている。


■業績推移
2018年3月期 売上高208億円、経常利益10億円、当期純利益5.1億円
2019年3月期 売上高208億円、経常利益9.4億円、当期純利益6.1億円
2020年3月期 売上高213億円、経常利益11億円、当期純利益7.3億円
2021年3月期(予想) 売上高208億円、経常利益10億円、当期純利益6.6億円
※2019年3月期より連結決算

2020年3月期まで順調に増収増益を続け、2020年3月期は経常利益10億円の大台に到達した。

2021年3月期は若干の減収減益予想となっている。2021年3月期Q2(累計)は売上高104億円、経常利益6.6億円であり、通期予想達成に向けた進捗は順調である。

業績は2020年3月期が一旦ピークとなり、2021年3月期は2019年3月期並の業績に留まる予想である。


■財務状況
2020年3月期末時点で資産合計179億円に対し純資産合計89億円、自己資本比率50%である。

借入金15億円に対し現預金14億円を有している。尚、流動資産合計は現預金14億円。受取手形及び売掛金38億円、商品及び製品32億円など114億円が計上されている。

土地や建物及び構築物など固定資産が46億円であり、自己資本で固定資産をカバーする状態である。

キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが2019年3月期7.5億円、2020年3月期12億円となっている。減価償却費が2018年3月期4.1億円、2019年3月期4.5億円計上されており、税金等調整前当期純利益に比べ、営業活動によるキャッシュ・フローが増加している。


■資金使途
IPOにより6.3億円の資金調達を行い、下記の使途を予定している。

・岐阜工場における加飾鍍金設備の更新のための投資資金 0.8億円
・岐阜工場における水栓本体生産設備の投資資金 2.0億円
・岐阜工場における鍍金設備の更新のための投資資金 3.5億円

調達資金は岐阜工場での各種設備投資に充当される。


■株主構成
筆頭株主は西岡社長であり株式シェアの39%を保有している。また第2位株主は吉川副社長であり株式シェア35%を保有。西岡社長と吉川副社長で株式シェアの約7割が保有されており、安定的な株主構成である。
個人及び取引先(未上場会社)中心の株主構成となっており、金融機関やファンドの株主参入はない。

■まとめ
大阪市に本社を置く水まわり製品の製造販売を手掛ける企業のIPO案件である。主に岐阜工場で生産を手掛けており、製販一体のビジネスモデルとなっている。

デザイナーなどを活用し独自の複数ブランドで水まわり製品の展開をしており、4つの販売ルートを有している。2020年3月期は管材店やデベロッパー、設計事務所経由の管工機材ルートが売上の42%を占める最大の販売ルートとなっている。

2020年3月期の売上高213億円、経常利益11億円が一旦業績のピークとなったものの、売上高約200億円、経常利益約9億円がコンスタントに計上できる状態である。2021年3月期は若干の減収減益予想でIPOを行うが、2022年3月期以降どのような業績推移を見せるのか、という点が今後の注目ポイントになると考えられる。
IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
当社グループは、水回りの製品(給水栓、給排水金具、継手及び配管部材等)の製造・販売を主たる内容とする、水栓金具を専門に扱うメーカー。当社の製品が使われているのは、戸建て・マンション等住宅市場が中心だが、近年は旅館やホテル、学校などの公共施設等非住宅市場でのシェア拡大にも取り組んでいる。

上場市場は東証2部。株価のバリュエーションは、公開価格時価総額が49億円、予想利益ベースのPERは7.4倍、3月期末配当は1株70円の予想で、公開価格での配当利回りは3.2%となる。

上場当日の株価動向は、上場市場が東証2部で、なおかつ事業内容が地味であることから、資金吸収額は12億円弱と少なく需給的にはタイトなはずだが、個人投資家の人気はいまひとつと考えられるため、初値は前場には付きそうだ。

セカンダリー市場においては、当社が3月決算ということから、配当狙いの買いが入り始めるとしたら2月上旬ということになりそうだ。しかしながら、成長性の観点から、株価が続伸するような銘柄ではないので、上場直後に株価が跳ねてPERが10倍半ばまで行くようなことがあれば、少し様子見で株価が落ち着くまで待った方が良いかもしれない。