
【目次】 ①️ビーイングホールディングスIPOの基礎情報 ②ビジネスモデル解説(12/1更新) ③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント(12/1更新)
ビーイングIPOのスケジュール
ビーイングほのIPOスケジュールは以下の通りだ。
仮条件決定 | 2020/11/25 |
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ブックビルディング期間 | 2020/11/27 - 12/03 |
公開価格決定 | 2020/12/04 |
申込期間 | 2020/12/07 - 12/10 |
上場日 | 2020/12/15 |
ビーイングホールディングスのブックビルディング概要と初値予想
ビーイングホールディングスのブックビルディングの概要が次の通りだ。
仮条件 | 910~1,000円 |
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公募価格 | 1,000円 |
当選口数 | 1,731,900株口 |
初値予想金額(※) | 1,260円 ~ 1,500円 |
ブックビルディング期間 | 2020/11/27 - 12/03 |
狙い目証券会社 | 野村證券 |
ビーイングホールディングスIPOの幹事証券会社
ビーイングホールディングスのIPOの幹事証券が以下の通りだ。
IPOに申し込むなら、主幹事である野村証券で申し込んで抽選に参加するのがおすすめだ。
証券会社 | 割当率 | 前受金 | |
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主幹事 | 野村證券 |
95.7% | 不要 |
幹事 | SBI証券 | 0.9% | 必要 |
みずほ証券 | 0.9% | 必要 | |
SMBC日興証券 | 0.9% | 必要 | |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 0.9% | 必要 | |
auカブコム証券 | 0.9% | 必要 |
ビーイングホールディングス業績情報
売上高 | 経常利益 | 当期利益 | |
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2018年12月期 | 138億円 | ▲3.1億円 | ▲1.2億円 |
2019年12月期 | 162億円 | ▲5.5億円 | ▲4.1億円 |
2020年12月期(予想) | 183億円 | ▲5.8億円 | ▲4.0億円 |
2019年12月期は対前年同期比で増収増益となり、経常利益5億円の大台を突破した。 2020年12月期も経常利益ベースでは増収増益の予想だが、当期純利益は若干の減益予想である。尚、Q3時点で売上高135億円、経常利益4.7億円であり、通期予想達成に向けた進捗は順調である。
財務状況
2019年12月期末時点で資産合計114億円、純資産合計20億円、自己資本比率17%である。借入金57億円に対し、現預金27億円を保有する。また物流施設中心に有形固定資産61億円が計上されている。
キャッシュ・フロー計算書では年間約5億円の減価償却費が計上されている。その結果、営業活動によるキャッシュ・フローは2018年12月期+7.0億円、2020年12月期+12億円と当期純利益に比べプラス幅が大きくなっている。
資金使途
IPOにより10億円の資金調達を行い下記の使途を予定している。
- 設備資金 車両入替費用4.0億円、福井センター物流設備0.9億円
- 運転資金 1.1億円
- 借入金返済 2.0億円
- 連結子会社における運転資金 1.0億円
調達資金の約半数が車両入替などのための設備資金に充当される。
ビーイングホールディングスビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
株式会社ビーイングホールディングス<9145>は金沢市に本社を置き、顧客の物流を一貫して請け負う3PL事業を主に手掛ける企業である。

事業内容詳細
同社グループ(以下、同社)は持株会社である同社及び連結子会社11社で構成されている。顧客の物流を企画・提案して、自社及び顧客の物流センターの輸送・保管・包装・荷役・流通加工・情報システムの構築を一貫して推進する3PL(Third Party Logistics)事業を主軸に事業展開している。
同社では取り扱う商品を生活物資に特化している。3温度帯(常温・冷蔵・冷凍)の食品、医薬品、化粧品、日用品の小口物流に強みを持ち、卸売企業及びコンビニエンスストア、スーパーマーケット、ドラッグストアの物流センター運営を受託している。
また同社は物流システムであるWMS(Warehouse Management System:倉庫管理システム)、TMS(Transport Management System:輸送管理システム)、PMS(Productivity Management System:生産性管理システム)を自社開発及びメーカーと共同開発している。
これらの情報システム構築、独自の設備や機材などにより、顧客それぞれの特性に合わせたオリジナルの物流システムを構築できることが同社の最大の強みである。
尚、同社の拠点数は下記で推移しており、着実に増加している。

同社物流事業の特徴
同社では顧客に対し、いかに「運ばない物流」を構築するか、という技能、技術、マネジメントの手法を提供している。拠点間に複数ある物流倉庫を1つにまとめ、生産者から消費者までの物流の作業工程を合理化して、顧客の管理コスト、保管コスト、移動コスト、配送コストを低減する。またメーカーやベンダーからの商品入荷管理及び小売店の受注から納品までの動きを可視化して、流通プロセスのボトルネックを発見し改善することで物流を全体最適化し、顧客の物流戦略に対する強力なサポートを実現している。
また物流センター内のWMSによる在庫量や入庫・出庫業務の進捗及びTMSによる配送の進捗状況などを、ITシステムにより「見える化」する。更にその情報を顧客側もインターネット経由で同時に確認し共有することができる、「見せる化」するシステムを構築している。

まとめ
顧客の物流を一貫して請け負う3PL事業を主に手掛ける、金沢市に本社を置く企業のIPO案件である。
自社で全国各地に物流施設などを保有しており、食品、医薬品、化粧品、日用品の小口物流を請け負っている。株式会社クスリのアオキ、三菱食品株式会社、株式会社PALTACの3社で売上の約半数を計上する状態が継続しており、3社中心に手堅く増収増益を続けている。
手堅い成長を続けているがIPOでの調達資金を活用するなどして成長を加速させることができるのか、という点が今後の注目ポイントになると考えられる。
IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
当社グループは、生活物資に特化した物流事業として、主に自社及び顧客の物流センターの輸送・保管・包装・荷役・流通加工・情報システムの構築を一貫して手掛ける3PL事業、物流コンサルティング等を事業として展開する。
上場市場は東証2部。株価のバリュエーションは、公開価格時価総額は57億円、予想利益ベースPERは14倍と割安感がある。上場当日の株価動向は、東証2部上場で地方銘柄ということもあり、同日上場の別の銘柄に人気が奪われて、正直なところ人気薄となるかもしれず、初値は午前中に付くものと考える。
しかしながら、物流業界はある意味において、成長産業でもあり、この先数年間の成長はある程度読むことができるため、上場当日の早い時間帯に初値が付けば妙味がありそうだが、翌日以降にIPOが多数控えており、人気は早々に次のIPOに向かうため、少し長めに保有するつもりで取り組む必要がありそうだ。
セカンダリーマーケットにおいては、当社は12月決算であり、2月中旬には来期の業績予想が出て来ることになり、増収増益の業績予想が発表されたとなれば、上場後の調整を経て上値の追う展開も考えられる。できるだけ、中長期保有で臨みたい銘柄である。
ビーイングホールディングス情報
会社名 |
---|
株式会社ビーイングホールディングス |
コード |
9145 |
市場 |
市場第二部 |
業種 |
陸運業 |
売買単位 |
100株 |
代表者名 |
代表取締役社長 喜多 甚一 /1966年生 |
会社住所 |
石川県金沢市専光寺町レ3番地18 |
設立年 |
1986年 |
社員数 |
36人(2020年9月30日現在) |
事業内容 |
生活物資に特化した物流事業(主に自社及び顧客の物流センターの輸送・保管・包装・荷役・流通加工・情報システムの構築を一貫して手掛ける3PL事業、物流コンサルティング)、その他(旅客事業等) |
URL |
https://being-group.jp/ |
資本金 |
102,921,000円 (2020年11月10日現在) |
上場時発行済み株数 |
5,675,000株 |
公開株数 |
1,506,000株 |
連結会社 |
11社 |
大株主
(株)喜多商店 | 58.27% |
---|---|
喜多甚一 | 23.54% |
喜多和行 | 3.08% |
喜多良枝 | 2.57% |
高桑和浩 | 2.26% |
松木正康 | 1.59% |
桐原義浩 | 1.08% |
越峯均 | 1.08% |
山本元也 | 1.08% |
森本浩行 | 0.72% |
ロックアップ情報
指定された株主は上場後90日目の2021年3月14日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×公開価格) |
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15億600万0000円(1,506,000株×1,000円) |
潜在株数(ストックオプション) |
350,000株 |