「過払い金」とは、クレジットカードなどの返済において返しすぎていた余分な利息のことをいいます。実はカードローンでも過払い金請求の対象であれば、払いすぎたお金を取り戻せる場合があります。

この記事では、過払い金とは何か、カードローンで過払い金請求の対象となる条件や、過払い金を取り戻す方法について解説します。

過払い金とは?

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(画像=PIXTA)

過払い金とは、カードローンなどの返済において支払いすぎた利息のことです。カードローンの利息は、金利によって計算されます。貸金業者が高い金利で不当に利息を搾取することのないように、金利の上限は法律で決められています。

しかし、過去に貸金業者が違法な金利を設定していたことがありました。その期間にカードローンを利用していると、過払い金が発生している可能性があるのです。

カードローンで過払い金が発生する条件

カードローンを利用したすべての人に過払い金が発生するわけではありません。カードローンで過払い金が発生する条件は、主に以下の4つです。

・条件1.2010年より前に借り入れしている

貸金業者が設定する金利は貸金業法・利息制限法・出資法などの法律で定められています。利息制限法の上限が20%である一方、出資法の上限は29.2%だったため、多くの貸金業者は29.2%を上限金利に設定していました。

しかし、2010年6月に貸金業法と出資法が改正され、上限金利は利息制限法で定められている20%に統一されたのです。それによって2010年6月以前に借り入れをした分に対しては29.2%の金利が設定されている可能性があるため、現在の法律に合わせると支払金額に差額が生じることになりました。

この金利の差は「グレーゾーン金利」と呼ばれています。グレーゾーン金利で支払った利息は、過払い金として貸金業者に請求することが可能です。

・条件2.複数の賃金業者から借り入れがある

借入先が複数にわたる場合も、過払い金が発生している可能性があります。法改正は2010年ですが、2006年の最高裁判決にともなって、アコムやプロミス、アイフルといった大手の貸金業者は上限金利を20%に引き下げています。

大手の貸金業者に加えて、2006年に金利の引き下げに応じなかった業者からも借り入れしている場合、過払い金が発生している確率は高くなります。

借金を返済するために複数の貸金業者から借り入れしている場合も、利息を多く支払っているため、過払い金が発生している可能性があります。

・条件3.借入金が多いと過払い金も多い

当然ながら借入金が多いと、その分多くの利息を支払っていることになるため、過払い金の金額は大きくなります。

2010年以前の条件に当てはまっていれば、現在の利息制限法と9.2%の差があるため、借入金額が大きければ大きいほど、より多くの過払い金が発生している可能性があります。

・条件4.返済期間が長いと過払い金も多い

返済期間が長くなれば、利息も徐々に加算されていきます。

リボルビング払いなどを利用して長期間返済していれば利息も一括払いより多くなるため、過払い金として請求できる可能性があります。

銀行カードローンは過払い金の対象外

2010年の法改正以前でも、銀行カードローンは過払い金請求の対象外なので注意しましょう。

銀行カードローンは、銀行法という利息制限法や出資法とは異なる法律に基づいて金利が定められているため、過払い金の原因となるグレーゾーン金利がありません。

どんなに多くの金額を長期間にわたって返済していても、銀行カードローンでの借り入れにかかった利息は取り戻すことはできないので覚えておきましょう。

カードローンで過払い金を請求できる条件

カードローンでの過払い金は、以下の2つの条件に当てはまっている場合のみ、返済途中でも完済後でも請求することが可能です。

・条件1.完済から10年以内

カードローンの過払い金を請求できるのは、完済から10年以内に限られます。10年の時効を過ぎてしまうと、どんなに多く利息を支払っていても過払い金が戻ってくることはありません。

利息を払いすぎていることに気づいたら、早めに請求の手続きを進めましょう。

・条件2.賃金業者が倒産していない

カードローンの過払い金の請求先は、カードローンの貸金業者になります。その会社が倒産してなくなっていれば、過払い金が返ってくることはありません。

また、会社が残っていても、業績不振で過払い金が十分に支払われないケースもあります。

カードローンの過払い金請求にデメリットはある?

カードローンの過払い金の請求には条件があるものの、条件をクリアすれば払いすぎた利息が返ってくるというのは大きなメリットです。一方、デメリットについては、ほとんどないといっても過言ではないでしょう。

強いて言えば、過払い金を請求した貸金業者から再び借り入れすることができなくなることがデメリットです。しかし他の貸金業者から借り入れは可能なので、再び借り入れが必要になったとしても問題ありません。

カードローンの過払い金を請求する方法

カードローンの過払いに思い当たることがあれば、請求手続きを進めましょう。

過払い金の請求は大まかに3ステップで進められます。

・1.過払い金があるかどうか調べる

まずは過払い金があるのかどうか、あるならどれくらいの金額を請求できるのかを調べましょう。貸金業者に依頼すると過去の取引履歴を取り寄せることができます。

利息の計算式は「借入金 × 金利 ÷ 365 × 借入日数 = 利息」となるので、金利・借入金額・借入日数をもとに、実際に支払った利息を計算します。ここで算出された利息がグレーゾーン金利による利息ということになります。

同じ計算式で金利を現在の利息制限法の20%として計算すると、利息制限法における利息が分かります。実際に支払った利息から利息制限法での利息を引いた金額が、請求できる過払い金です。

・2.カードローン会社と交渉する

過払い金の金額が分かったら、カードローン会社に「過払い金返還請求書」を郵送してカードローン会社と交渉を始めることができます。

過払い金返還請求書には自分の個人情報のほか、請求日付、請求先の貸金業者名、過払い金の返還を請求する旨の記載、過払い金の金額、過払い金を振り込んでもらう口座情報などを明記する必要があります。

返還請求書を送るときは貸金業者に請求を送った記録が残るように、内容証明郵便を使うとよいでしょう。

・3.過払い金を受け取る

過払い金返還請求書を送った後、無事に受領されて過払い金が指定の口座に返還されれば、請求は完了です。

しかし、個人での過払い金請求はコストを抑えられるというメリットがある一方、スムーズに過払い金が返ってくるケースはほとんどなく、リスクは高いと言えます。場合によっては、裁判にまで発展して余計なコストがかかることや、時間と労力をかけたにもかかわらず過払い金が戻ってこないこともあります。

カードローンをどこから借りたか調べる方法

借金を完済していると、「いつから借り入れと返済を行っていたのか」「どれくらいの利息をどこに対して支払っていたのか」といったことが分からず、過払い金の把握が難しいこともあります。

そのような場合は、信用情報機関に問い合わせれば詳細を調べることができます。信用情報機関とは、株式会社日本信用情報機構(JICC)や株式会社シー・アイ・シー(CIC)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)のことです。

もちろん個人で問い合わせて取引履歴を入手することはできますが、そこから自分で計算するのに時間がかかり、数ヵ月もかかってしまうこともあります。

カードローンの過払い金を調べる方法

カードローンの過払い金が発生する条件に当てはまるかもと思ったら、過払い金がどれくらいあるかを計算してみましょう。

・1.貸金業者から取引履歴を取り寄せる

過払い金計算の基本情報となる借り入れ開始時期や返済金額、支払った利息の総額を知るために、まずは貸金業者から取引履歴を取り寄せます。電話・郵送・FAXなど方法に指定はありません。貸金業者によっては窓口で発行してくれることもあります。

2.②計算ソフトを使う

過払い金の計算は、エクセルなどで第三者が見ても分かるようにすることが望ましいでしょう。

インターネット上に無料で使える表計算ソフトもあります。必要事項を入力すればソフトが自動で計算してくれるので、計算ミスも起こりにくいので便利です。

カードローンの過払い金は弁護士の力を借りよう

カードローンの過払い金の請求は個人でもできますが、より確実に取り戻したいのであれば弁護士の力を借りるとよいでしょう。

・過払い金対象かどうか調べてもらえる

弁護士は依頼すれば、過払い金の対象かどうか調べてくれます。ほとんどの弁護士事務所では無料で行っており、Web上で無料診断を実施しているところもあります。まずは過払い金の対象かどうかを調べてみるとよいでしょう。

・費用は過払い金の一部から

弁護士に依頼すれば、貸金業者に対する交渉をはじめとする返還請求を代行してもらうことができ、裁判に発展した場合にも有利に進められる可能性が高まります。費用は過払い金の一部から支払われるため、個人で請求する場合に比べてコストは高くなります。

カードローンの過払い金を取り戻そう

カードローンの過払い金について、過払い金を取り戻す方法を紹介しました。一定の時期にカードローンの借り入れをしており、余分に利息を支払ってしまっている場合は過払い金を請求することができます。

過払い金の請求対象となっているか調べたり、過払い金の請求を実際に進めたりする際には、弁護士というプロの力を借りるのがおすすめと言えるでしょう。

過払い金の請求は法律に基づいた正当な権利です。心当たりのある人は、自分が過払い金請求の対象かどうか調べるところから始めてみてください。