
【目次】 ①️スタメンIPOの基礎情報 ②ビジネスモデル解説(12/2更新) ③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント(12/2更新)
スタメンIPOのスケジュール
スタメンのIPOスケジュールは以下の通りだ。
仮条件決定 | 2020/11/27 |
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ブックビルディング期間 | 2020/11/30 - 12/04 |
公開価格決定 | 2020/12/07 |
申込期間 | 2020/12/08 - 12/11 |
上場日 | 2020/12/15 |
スタメンのブックビルディング概要と初値予想
スタメンのブックビルディングの概要が次の通りだ。
仮条件 | 800円~880円 |
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公募価格 | 880円 |
当選口数 | 18,400口 |
初値予想金額(※) | 1,500円 ~ 2,200円 |
ブックビルディング期間 | 2020/11/30 - 12/04 |
狙い目証券会社 | 大和証券 |
スタメンIPOの幹事証券会社
スタメンのIPOの幹事証券が以下の通りだ。
IPOに申し込むなら、主幹事であるSBI証券で申し込んで抽選に参加するのがおすすめだ。
証券会社 | 割当率 | 前受金 | |
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主幹事 | 大和証券 | 93.04% | 必要 |
幹事 | 野村證券 |
2.61% | 不要 |
みずほ証券 | 0.87% | 必要 | |
SMBC日興証券 | 0.87% | 必要 | |
SBI証券 | 0.87% | 必要 | |
マネックス証券 | 0.87% | 必要 | |
東洋証券 | 0.87%% | 必要 |
スタメン業績情報
業績推移
売上高 | 経常利益 | 当期利益 | |
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2018年12月期 | 1.1億円 | ▲1.4億円 | ▲1.4億円 |
2019年12月期 | 4.0億円 | ▲0.4億円 | ▲0.4億円 |
2020年12月期(予想) | 6.1億円 | 0.1億円 | 0億円 |
2016年1月設立であり、2016年12月期が第1期である。着実な売上増加は続いているが、2019年12月期まで赤字が継続。
2020年12月期は売上6億円を超え、黒字化を予想している。Q3時点で売上高4.4億円、経常利益0.1億円であり通期予想達成に向けた進捗は順調である。ただし経常利益0.1億円の予想であり、本格的な利益計上はIPO後の2021年12月期以降と見込まれる。
財務状況
2020年2月期末時点で資産合計19億円に対し、純資産合計0.4億円、自己資本比率2.0%である。借入金6.7億円に対し現預金14億円を有している。
ただし顧客の支払いに対する預り金9.4億円が負債の部に計上されており、借入金などと合わせて負債合計は19億円である。
資金使途
IPOにより8.3億円の資金調達を行い下記の使途を予定している。
- 認知度向上及び顧客基盤拡大に係る広告宣伝費 1.1億円
- 事業の拡大に伴う人材基盤の拡充に係る採用教育費及び人件費 3.8億円
- サービス提供を効率化するための外注費及び業務委託費 0.1億円
- 人員拡大に伴うオフィス移転に係る移転費用等 2.1億円
- 金融機関からの長期借入金の返済 0.4億円
スタメンビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
株式会社スタメン<4019>はエンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG」の開発及び提供を行う名古屋に本社を置く企業である。
エンゲージメントとは
エンゲージメントとは、「会社と従業員」のタテの相互信頼関係及び「従業員同士」の横の相互信頼関係が確立されている状況、と同社では定義付けている。
エンゲージメントと業績指標や離職率との相関関係が報告されており、米ギャラップ社の調査では我が国のエンゲージメントスコアは140カ国中135位という下位の結果である。
エンゲージメントの向上及び組織改善を行うためには、①現状の組織課題を明らかにする、②課題に対して適切な施策を設計する、③設計した施策を形骸化させず継続的に実施していく、という3つのステップが必要とされる。その中で同社開発の「TUNAG」は各ステップに対して「エンゲージメントサーベイ」「組織改善コンサルティング」「社内制度運用クラウド」というソリューションが提供できる「TUNAG」はエンゲージメント向上のためのワンストップサービスである。

事業内容詳細
「TUNAG」はクラウド上で提供されている。サービスの対価を利用期間に応じて受領するサブスクリプションモデルを採用しており、継続ライセンスの蓄積により安定収益の拡大を目指している。2019年12月期末時点で売上ストック比率は87%であり、今期に入り90%台となった。
新規顧客は自社の営業活動に加え、パートナーからの顧客紹介による獲得がある。パートナーには月額利用料等の一部を販売手数料として継続的に支払うことで、更なる顧客紹介につなげている。

契約企業数の推移
「TUNAG」の契約企業数は下記推移となっている。

2018年12月期末123社、2019年12月期末249社、2020年12月期Q3・310社と着実に顧客基盤を拡大中である。
成長戦略
今後の成長戦略としては、拡大余地が大きい国内企業向けのエンゲージメント市場で着実な事業拡大を行いつつ、海外企業(既にシステムは多言語対応が完了)や企業以外のエンゲージメント領域にも、データとノウハウを活かして事業拡張を行う計画である。
既に企業以外のエンゲージメント市場に対して、サブスクファンサロンアプリ「FANTS」事業を立ち上げており、プロバスケットボールチーム、若手アイドルユニットでの導入が進んでいる。
まとめ
エンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG」の開発及び提供を行う名古屋に本社を置く企業のIPO案件である。
2016年12月期が設立第1期で2019年12月期まで増収は続いているものの、赤字も継続している。2020年12月期はわずかながら黒字化を予想する。ただしキャッシュ・フロー計算書では、2019年12月期で既に営業活動によるキャッシュ・フローはプラスとなった。
サブスクリプション型のビジネスモデルで顧客数も拡大が続いており、継続的な成長が期待される。また2020年12月期の黒字化予想であり、2021年12月期からは本格的な黒字計上も期待できる。
2020年12月期に黒字化がなされ、IPO後の2021年12月期から本格的な黒字化を果たすことができるか、という点が今後の注目ポイントになると考えられる。
IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
当社は、エンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG(ツナグ)」をSaaS(Software as a Service)で開発及び提供する事業を展開している。エンゲージメントを「会社と従業員」のタテの相互信頼関係、及び「従業員同士」のヨコの相互信頼関係が確立されている状況と定義づけており、エンゲージメントの強化がと業績指標や離職率との相関関係があるとして現在310社がこのサービスを利用している。
株価のバリュエーションは、公開価格時価総額が74億円、予想利益ベースPERが1944倍となっている。PERだけ見ると、割高を通り越して、どうしてこんな株価になるのか理解に苦しむが、類似会社のPERは100倍以上も多く、HR(ヒューマンリソース)系のテクノロジーカンパニーにありがちな株価である。
上場当日の株価動向は、資金調達額が16億円程度なので、需給からすると上場当日に初値が付かないかもしれないが、翌日にIPOが4社控えており、初値が翌日に持ち越されると、上場当日の買い気配の株価よりもかなり安い初値となる可能性もあるので、公募・売出し株は上場当日に売り切るほうが安全ともいえそうだ。
また、VCが発行済株式の16%を保有しており、上場後の需給に影響を及ぼすことが考えられるので、セカンダリー市場での取り組みには大量保有報告を確認して、VCの売りという需給に気を付けながら取り組むべきだろう。
スタメン会社情報
会社名 |
---|
株式会社スタメン |
コード |
4019 |
市場 |
マザーズ |
業種 |
情報・通信業 |
売買単位 |
100株 |
代表者名 |
代表取締役社長 加藤厚史 /1981年生 |
会社住所 |
愛知県名古屋市中村区井深町1番1号 |
設立年 |
2016年 |
社員数 |
58人(2020年9月30日現在) |
事業内容 |
エンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG」の開発及び提供等 |
URL |
https://stmn.co.jp/ |
資本金 |
202,500,000円 (2020年11月11日現在) |
上場時発行済み株数 |
8,425,000株 |
公開株数 |
1,600,000株 |
連結会社 |
なし |
大株主
加藤厚史 | 54.39% |
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ジャフコSV5共有投資事業有限責任組合 | 12.24% |
(株)スターフロンツ | 7.65% |
大西泰平 | 5.80% |
(株)エイチーム | 5.10% |
ジャフコSV5スター投資事業有限責任組合 | 3.06% |
(株)ライフワーク | 2.55% |
中京テレビ放送(株) | 1.28% |
小林一樹 | 1.28% |
満沢将孝 | 1.28% |
ロックアップ情報
指定された株主は上場後90日目の2021年3月14日まで、 または、上場後180日目の2021年6月12日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×公開価格) |
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14億800万0000円(1,600,000株×880円) |
潜在株数(ストックオプション) |
417,000株 |