カードローンを申し込む際は、審査を通過するためにさまざまな書類を提出する必要があります。そうした書類の一つである収入証明書について「絶対に必要なのか」「提出せずに借りる方法はあるのか」などと考えている人もいるのではないでしょうか。
この記事では、収入証明書が不要なケースや、収入証明書がなくてもお金を借りられる方法などを解説します。
カードローン申請で必要な2つの書類とは

カードローンを申し込む際に必ず必要なのは「本人確認書類」です。一方、必須ではないものの場合によって求められるのが「収入証明書」です。それぞれの書類について簡単に説明しておきましょう。
・本人確認書類
「本人確認書類」は、いかなる金融機関でも提出しなければなりません。
主に以下のような書類です。
●運転免許証
●健康保険証
●パスポート
●住基カード
運転免許証やパスポート、住基カードなど顔写真の記載されているものであれば、比較的円滑に審査が進む傾向にあります。
・収入証明書
収入証明書は、その人の年間収入を証明する書類で、主に以下が当てはまります。
●源泉徴収票(最新)
●所得証明書(最新)
●給与明細書(直近2ヵ月分)
●確定申告書(最新)
●住民税決定通知書(最新)
これらの書類は、申込者の収入状況を見ることによって、その人の返済能力を判断するためのものです。ただし、条件によっては提出不要の場合もあります。
消費者金融で収入証明書が不要な場合
アコムやアイフル、プロミスなどの大手消費者金融にカードローンを申し込む場合、一般的に借入希望額が50万円を超えなければ、収入証明書の提出は求められません。
ただし、他社との借り入れの合計が100万円を超える場合は、提出を求められるので注意が必要です。
以下は、消費者金融ごとの収入証明書の提出が求められる条件の一覧表です。これに該当しなければ、基本的に提出を求められないと考えてよいでしょう。
カードローン会社 | 収入証明書類が必要な条件 |
アコム | ●希望額が50万円を超える ●希望額+他社が100万円を超える ●前回提出から3年以上経過している |
アイフル | ●希望額が50万円を超える ●希望額+他社が100万円を超える ●就業状況の確認など、審査の過程で必要なとき |
プロミス | ●希望額が50万円を超える ●希望額+他社が100万円を超える |
レイクALSA | ●希望額が50万円を超える ●希望額+他社が100万円を超える ●前回提出から3年以上経過している |
SMBCモビット | 審査の状況により収入証明書の提出が必要な場合あり |
この表を見ると、どの消費者金融業者でもおおむね同じ基準を設定していることが分かります。
その理由は、そもそも消費者金融業やクレジットカード会社などの貸金業者には、「貸金業法」が適用されるからです。貸金業法によって義務付けられているので、すべての消費者金融において、ほとんど同じガイドラインが設定されていると考えられます。
銀行カードローンで収入証明書が不要な場合
銀行には、貸金業法が適用されません。収入証明書に関しては、それぞれの銀行が独自の判断で提出の要不要を決めています。
以下は、主な銀行カードローンにおける収入証明書が提出不要になる条件の一覧表です。
銀行名 | 収入証明書類が不要な条件 |
三菱UFJ銀行カードローン | 利用限度額が50万円以下 |
みずほ銀行カードローン | 利用限度額が50万円以下 |
楽天銀行スーパーローン | 具体的な記載なし |
ジャパンネット銀行ネットキャッシング | 利用限度額が300万円以下 |
住信SBIネット銀行Mr.カードローン | 具体的な記載なし |
auじぶん銀行カードローン | 利用限度額が50万円以下 |
2017年あたりまでは、どの金融業者でも収入証明書を求めないことが多かったといわれています。しかし、金融庁からの指導もあり、過剰な貸し付けを防止するために貸金業法のようなガイドラインを設けたようです。
収入証明書不要の条件を満たしても提出が必要な場合
カードローン会社の規定する収入証明書が提出不要である条件を満たしているにもかかわらず、提出を求められる場合がまれにあります。具体的に説明しましょう。
・申告年収が信ぴょう性に欠ける
カードローンの申し込みでは、氏名や年齢、居住地や勤務先、雇用形態などの申告が必要です。万が一年齢や勤務先、雇用形態などの情報から想定される年収と申告された年収がかけはなれている場合、収入証明書の提出が求められることがあります。
例えば、パートタイムとして働く主婦の年収が700万円になっていると、不自然と見られて証明書で確認するということになるのです。
・収入が不安定そうな職業
勤務形態がアルバイトの場合、シフトや就業時間によって月々の収入に違いがあることも珍しくありません。また、水商売で働く人も、サラリーマンのような安定収入ではないと見られることが多いようです。
そういったケースでは、安定収入があるかどうかを、収入証明書で確認することがあります。
・個人事業主
個人事業主の場合は、サラリーマンなどの雇用形態の人とは異なり、希望額にかかわらず収入証明書の提出を求められることがあります。
収入の安定性という面では給与所得者よりも不確かであり、さらに言えば無職でも個人事業主を名乗ることは可能なので、念のために証明書の提出を求められるのでしょう。
個人事業主にとって、収入証明書として認められるのは以下の書類です。
●確定申告書
●青色申告決算書
●所得証明書
●納税証明書(税務署発行のもの)
●収支内訳書
いずれにしても、公の機関が保証した書類であることが条件です。
利用開始後に転職や起業をすると収入証明書の再提出が必要?
カードローンの利用を開始してから転職するなどして、状況が変化する可能性もあります。転職をしたり起業したり、あるいは会社員を辞めてフリーランスになったりするケースなどが考えられます。
職業や勤務先が変わったら、金融機関には新たに収入証明書の提出が必要となることもありますが、職を変えて1年未満では年収の証明はできません。その場合は、直近2ヵ月分の給与明細書や事業収入証明書、納税通知書などの提出が望ましいでしょう。
提出から一定期間を経ていると収入証明書を再提出?
新規契約時に収入証明書を提出してからある一定の期間を経ている場合、現状の確認として再提出を求められる場合があります。
目安としては、3年ほどで再提出を求められることが多いようです。勤務先が変わっていなくても、昇進や降格で年収が変化している可能性があるので、3年ほどの期間を設けていることが考えられます。
50万円まで収入証明書の提出が不要のおすすめ消費者金融3選
収入証明書の提出が希望額50万円までは不要の消費者金融の中からおすすめの3社を挙げるとすれば、プロミス、アイフル、アコムです。
プロミスでは、Webからの申し込みであれば最速1時間で融資が受けられます。「瞬フリ」を利用すれば、土日祝日も含めて24時間365日、スピーディーにお金を用立てられます。また30日間の無利息期間があるのも魅力です。
全国に「無人契約機」が設置されているので、最寄りに契約機さえあれば申し込んだその日のうちに融資を受けることが可能です。すぐにお金が必要な人には、おすすめのサービスと言えるでしょう。
アイフルでは、Web完結で融資を受けられます。しかも、申し込み後にカスタマーサービスに電話をして、オペレーターに審査の優先度を上げてもらえるような相談もできます。こちらも少しでも早くお金を借りたい人におすすめです。
公式アプリを利用すると、カードレスで24時間365日いつでも融資が受けられます。セブン銀行ATMで借り入れと返済ができる利便性も魅力的です。
アコムでは、初めての利用者には、30日間の無利息期間が設けられています。また、審査担当者の性別を指定できるので、審査の進め方に希望があれば事前に伝えておくとよいでしょう。
50万円まで収入証明書不要のおすすめ銀行3選
銀行は、それぞれ収入証明書の提出を求める基準が異なりますが、以下の3社は希望額50万円までの場合は不要としています。
●みずほ銀行カードローン
●三菱UFJ銀行カードローン
●auじぶん銀行カードローン
みずほ銀行カードローンはWeb完結で、最大800万円の利用限度額が魅力です。住宅ローン利用者なら0.5%の金利優遇サービスが利用できます。
三菱UFJ銀行カードローンは最低金利が年1.8%と低く、利用限度額は500万円です。
auじぶん銀行カードローンは、auユーザーなら最大で0.5%の金利優遇があります。最低金利も年0.98%(auユーザーの場合)とかなりの低さです。KDDIと三菱UFJ銀行が共同出資したネット銀行なので、安心して利用できます。
カードローン以外に収入証明書不要でお金を借りる方法
収入証明書が不要なカードローンに申し込んでも、残念ながら審査に通らないこともあります。それでも、急いでお金が必要な場合にはどうすればよいでしょうか。
手軽にできる方法が2つあります。
1つ目は、クレジットカードのキャッシングサービスです。多くの人は、クレジットカードを数枚持っているのではないでしょうか。
2つ目は、質屋です。なじみのない人も多いかもしれませんが、ひと昔前はちょっとした金額なら質屋で借りる人もよくいたと言われています。
・クレジットカードのキャッシングを利用
クレジットカードには、本来のショッピングで利用できるサービスとは別に、キャッシングサービスが付いている場合が多いです。申し込みの際に選択した人は、最初の審査がキャッシングの審査も兼ねているので、キャッシング枠があればいつでも使えます。
キャッシングは、提携銀行のATMやコンビニのATMで融資を受けられるので便利です。返済は、基本的にショッピングと同じ締め日の引き落としになります。ただし、金利手数料は年15〜18%と消費者金融並みになるので注意が必要です。
・質屋に質入れして借りる
質屋とは、自分の所有物を担保(質草・しちぐさ)として預け(質入れ)、お金を借りることができる店です。決められた期限までに元金と利息を返済すれば、その品物は戻ってきます。
返済ができないと、「質流れ」といって質屋の所有物となり、借金は棒引きになります。カードローンとは異なり、返済できなくなっても担保の品物を失うだけで済む借り方と言えます。質入れ向きの品物は、貴金属やブランドのバッグ、高級腕時計などです。
利息は、借りる金額や店によっても変わりますが、おおむね月利1%台くらいが多く見られます。借りる額が大きいほど、月利は下がります。年率に置き換えれば12%くらいになり、それほど高い金利ではありません。
収入証明書不要でも計画的に利用しよう
ここまで見てきたように、カードローンの申し込みに収入証明書は必ずしも必要ではありません。本人確認書があれば、Web完結などを利用して手軽かつその日のうちにお金を借りることも可能です。
収入証明書なしで簡単に借りられたとしても、もちろん返済が必要です。そのため金利や返済額、返済期日などをよく考えて計画的に利用するとよいでしょう。