ファンペップ
(画像=NET MONEY編集部)

【目次】
①️ファンペップIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント(12/9更新)

会社名
株式会社ファンペップ
コード
4881
市場
マザーズ
業種
医薬品
売買単位
100株
代表者名
代表取締役社長 三好 稔美 /1964年生
会社住所
大阪府茨木市彩都あさぎ七丁目7番18-303号
(最寄りの連絡場所) 東京都渋谷区千駄ヶ谷五丁目8番4号
設立年
2013年
社員数
11人(2020年10月31日現在)
事業内容
機能性ペプチドを用いた医薬品等の研究開発事業
URL
http://www.funpep.co.jp/
資本金
1,388,240,000円 (2020年11月20日現在)
上場時発行済み株数
16,746,700株
公開株数
2,739,700株
連結会社
なし
スケジュール
仮条件決定:2020/12/08→650~730円に決定
ブックビルディング期間:2020/12/10 - 12/16
公開価格決定:2020/12/17→650円に決定
申込期間:2020/12/18 - 12/23
上場日:2020/12/25→初値715円
シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
主幹事証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
引受証券:いちよし証券
引受証券:エース証券
引受証券:藍澤證券
引受証券:岩井コスモ証券
引受証券:東海東京証券
引受証券:東洋証券
引受証券:極東証券
引受証券:水戸証券
大株主
森下竜一 13.53%
平井昭光 10.92%
SBI4&5投資事業有限責任組合 7.32%
三好稔美 7.13%
塩野義製薬(株) 6.74%
(有)アドバンステクノロジー 6.15%
New Life Science 1号投資事業有限責任組合 4.88%
(株)SOLA 4.61%
(株)レックスウェル 4.00%
(株)メディパルホールディングス 3.66%
業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産
2017/12 単体実績 
101,179 -193,706 -204,061 716,579
2018/12 単体実績 
355,866 -8,744 -11,937 1,165,906
2019/12 単体実績 
301,417 -232,293 -235,183 930,723
2020/09 第3四半期単体実績 
2,032 -323,302 -325,440 2,112,683
ロックアップ情報
指定された株主は上場後90日目の2021年3月24日まで
または、上場後180日目の2021年6月22日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×公開価格)
17億8080万5000円(2,739,700株×650円)
潜在株数(ストックオプション)
2,251,500株
ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
株式会社ファンペップ<4881>は機能性ペプチドと抗体誘導ペプチドの研究開発を進め、医薬品等としての実用化を目指す大阪大学発の創薬系バイオベンチャー企業である。

IPOレポート1
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■技術シーズの起源
同社の技術シーズの起源は、大阪大学大学院医学系研究科における新規血管新生因子の探索研究により同定されたAG30(angiogenic peptide 30)である。AG30は30個のアミノ酸からなる機能性ペプチドで、血管新生作用を持っており、更に耐菌活性を併せ持つ創薬シーズである。同社の研究者は、機能性ペプチドAG30を起源とし、そのペプチドを構成するアミノ酸の一部を置き換える検討を重ねることで、目的とする機能を最適化した「SR-0379」などの機能性ペプチドを見いだしている。

●SR-0379について
SR-0379はAG30を起源とし、生体内安定性や製造コストを改良し、医薬品として最適化を図った20個のアミノ酸からなる機能性ペプチドである、血管新生や肉芽の形成促進を主たる作用とし、抗菌活性を併せ持った皮膚潰瘍治療薬として、現在は第Ⅲ相臨床試験の準備段階まで開発が進んでいる。


■抗体誘導ペプチドについて
同社の創薬活動の強みは新しい創薬技術である抗体誘導ペプチドの創薬プラットフォーム技術「STEP UP」を保有する部分にある、抗体誘導ペプチドは、患者の体内で「抗体」産生を誘導して治療効果を示すペプチドワクチンである。既存の抗体医薬品と比較して製造コストが安く投与頻度が少ないため、医療費を抑制できる代替医薬品として注目を集めている。


■開発パイプライン
同社の現在の開発品パイプライン及び研究テーマは下記である。

IPOレポート2
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

機能性ペプチド、抗体誘導ペプチドの開発研究に加え、新型コロナウイルス感染症の感染症予防ワクチンもアンジェス株式会社<4563>と共同研究を行っている。

●SR-0379について
2015年3月にアンジェスMG株式会社(現、アンジェス株式会社:4563)との間で現物出資契約を締結し、同社よりSR-0379の知的財産権を取得。その後2015年10月に塩野義製薬株式会社との間でSR-0379に関するライセンス契約を締結した。塩野義製薬株式会社との共同開発において、同社は第Ⅲ相臨床試験及び薬事承認申請を担当し、塩野義製薬株式会社が治験薬製造(CMC)を担当する予定であり、また製品上市後は販売も担当する。

この契約に基づき同社は契約一時金、開発マイルストーン、製品上市後には販売額に応じたロイヤリティー及び販売マイルストーン、製品供給に関する収入を受け取る(契約一時金と一部の開発マイルストーンは既に受取り事業収入に計上済み)。

●抗体誘導ペプチドのFPP003、FP004について
同社ではFPP003(乾癬及び強直性脊椎炎に関与)、FPP004(アレルギー性疾患の発症に関与)の研究を行っている。

FPP003は大日本住友製薬との間で2018年3月にオプション契約を締結しており、2019年4月から尋常性乾癬を対象とするオーストラリアでの第Ⅰ/Ⅱa相臨床試験が開始されている。

FPP004は花粉症を対象とする前臨床試験を実施中である。


■ビジネスモデル
同社は大阪大学発の創薬系バイオベンチャー企業であり、大学の研究成果を製薬会社へ橋渡しして実用化する役割を担っている。

医薬品の研究開発は期間が長く必要資金も大きいため、研究開発の段階から製薬会社等との提携関係を構築している。研究開発段階では契約一時金・研究開発協力金・開発マイルストーン、販売段階ではロイヤリティー及び販売マイルストーン等の収入を想定している。

これらの収入により研究開発段階での財務リスクの低減を図り、開発品上市後の販売段階においてロイヤリティー収入等によって利益拡大を実現する計画である。

IPOレポート3
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■業績推移
2017年12月期 事業収益1.0億円、経常利益▲1.9億円、当期純利益▲2.0億円
2018年12月期 事業収益3.6億円、経常利益▲0.1億円、当期純利益▲0.1億円
2019年12月期 事業収益3.0億円、経常利益▲2.3億円、当期純利益▲2.3億円
2020年12月期 事業収入0億円、経常利益▲5.6億億円、当期純利益▲5.6億円

同社は現状では研究開発段階にある。よって提携先製薬会社からの契約一時金等の収入が中心である。

2018年12月期、2019年12月期は塩野義製薬株式会社などから開発一時金を得ており3億円程度の事業収入を計上した。

2020年12月期は開発一時金などの計上が予定されていないため、事業収入は化粧品等に使用する機能性ペプチドの販売額3百万円に留まる予想である。事業収入が殆ど計上されないため、経常利益▲5.6億円と赤字額が拡大するが、研究開発費は前期比横ばいの4.1億円としている。


■財務状況
2019年12月期末時点で資産合計10億円に対し純資産合計9.3億円、自己資本比率92%である。

借入金なく現預金8.9億円を有しており財務状況に特段の懸念事項はない。


■資金使途
IPOにより20億円の資金調達を行い、下記の使途を予定している。

・機能性ペプチドSR-0379の皮膚潰瘍を対象とする臨床試験費等の開発費 8.7億円
・抗体誘導ペプチドFPP003の研究開発費 3.6億円
・抗体誘導ペプチドFPP004の研究開発費 2.8億円
・抗体誘導ペプチド新規開発品の開発費 1.7億円
・抗体誘導ペプチド新規製材技術の開発費 1.1億円
・研究費 0.9億円
・人件費 1.1億円

調達資金は機能性ペプチドSR-0379、抗体誘導ペプチドFPP003・FPP004の研究開発費中心に充当される。

尚、売出は行わず公募による資金調達のみが行われる。


■株主構成
筆頭株主はアンジェスMG<4563>創業者の森下竜一氏(株式シェア14%)。第2位株主(同13%)は元同社社長の平井取締役(同11%)。三好社長は第4位株主(同7.1%)である。

事業提携先の塩野義製薬株式会社が第5位株主(4705:同6.7%)、第10位株主がメディパルHD(7459:同3.7%)となっている。

第3位株主のSBI4&5投資事業有限責任組合(同7.3%)以下、多数のVCが出資を行っており、VC比率は20%を超えている。尚、IPO後90日もしくは株価1.5倍のロックアップが設定されているが、SBI4&5投資事業有限責任組合など複数のVCはロックアップ契約が未締結である。


■まとめ
バイオベンチャーのアンジェスMG創業者でもある森下竜一氏が大株主の大阪大学発の創薬系バイオベンチャー企業のIPO案件である。

機能性ペプチド及び抗体誘導ペプチドの研究開発を進め医薬品等としての実用化を目指している。現状は研究開発段階であるが、塩野義製薬株式会社他との提携により研究開発を進めている。

製薬会社との提携により研究開発を進め、各パイプラインが製品化され上市(市場投入)にまで到達することができるか、という点が今後の注目ポイントになると考えられる。
IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
当社は、機能性ペプチドを用いた医薬品等の研究開発事業を展開するバイオベンチャー企業である。研究開発のパイプラインには、皮膚潰瘍の疾患に対応するものが塩野義製薬に全世界のライセンス契約、乾癬の疾患に対応するものが大日本住友製薬と北米のオプション契約を締結しており、それぞれ第Ⅱ相の臨床試験まで進んでいる。

株価のバリュエーションは、公開価格時価総額が122億円だが、赤字なので予想利益ベースPERは計測できない。上場当日の株価動向は、資金吸収額が23億円とさほど大きくないが、IPOラッシュの中で、バイオベンチャーは人気薄と考えられるので、初値は前場の早い時間帯に付くと推測する。

セカンダリー市場においては、VCが20%超の株式を保有しているのでロックアップ明けには売りが出て来ると考えられるので、取り組みはVCの保有がなくなるまで待った方が賢明と言える。

バイオベンチャー企業への投資のコツは、グッドニュース(開示)が出たらしばらくは株価が動くので、薄商いの中、もうこれ以上誰も売る株主がいなくなった頃に拾っておいて材料が出たら売るという戦略が有効である。