オンデック
(画像=NET MONEY編集部)

【目次】
①️オンデックIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント(12/10更新)

会社名
株式会社オンデック
コード
7360
市場
マザーズ
業種
サービス業
売買単位
100株
代表者名
代表取締役社長 久保良介 /1976年生
会社住所
大阪市中央区久太郎町一丁目9番28号 松浦堺筋本町ビル2階
設立年
2007
社員数
37人(2020年10月31日現在)
事業内容
M&Aに関する仲介、アドバイザリー業務
URL
https://www.ondeck.jp/
資本金
100,000,000円 (2020年11月25日現在)
上場時発行済み株数
2,781,000株
公開株数
550,000株
連結会社
なし
スケジュール
仮条件決定:2020/12/09→1,400~1,550円に決定
ブックビルディング期間:2020/12/11 - 12/17
公開価格決定:2020/12/18→1,550円に決定
申込期間:2020/12/21 - 12/24
上場日:2020/12/29→初値4,500円
シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
主幹事証券:野村證券
引受証券:大和証券
引受証券:みずほ証券
引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
引受証券:岡三証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
引受証券:東洋証券
引受証券:藍澤證券
引受証券:エース証券
引受証券:楽天証券 (楽天証券の詳細記事はこちら)
引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
大株主
久保良介 35.03%
舩戸雅夫 35.03%
Angel Bridge Deal-by-Deal Fund 9号株式会社 14.19%
(株)ペイフォワード 5.81%
(株)タケオホールディングス 3.14%
オンデック従業員持株会 2.50%
山中大輔 2.31%
中井裕介 0.77%
中垣洋祐 0.77%
大西宏樹 0.43%
業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産
2017/11 単体実績 
425,909 199,846 137,081 261,722
2018/11 単体実績 
341,700 33,874 22,526 384,249
2019/11 単体実績 
647,580 122,001 78,087 462,336
2020/08 第3四半期単体実績 
379,288 -32,698 -21,594 440,741
ロックアップ情報
指定された株主は上場後90日目の2021年3月28日まで
または、上場後180日目の2021年6月26日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×公開価格)
8億5250万0000円(550,000株×1,550円)
潜在株数(ストックオプション)
99,180株
ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
株式会社オンデック<7360>は大阪市に本社を置く中小企業特化型のM&A仲介会社である。

IPOレポート1
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■事業内容詳細
同社はいわゆるM&Aアドバイザー業務を行っている。M&Aアドバイザー業務は、企業が買収や合併を行う際に譲渡希望者と買収希望者の仲介、またはいずれか一方のフィナンシャルアドバイザーとして助言を行うものである。

同社ではM&Aの対象となる事業をそのビジネスモデルから深く理解し、自らが当事者の視点を持って業務に当たっている。これによりM&Aの成約のみならず、M&A後の事業の成功を見据えた利害関係者の調整や、各種論点の整理、課題への対応案の検討等を適切に行い、M&Aのプロフェッショナルとして本質的なサポートを提供している。

2007年12月に同社は設立され、設立以来2020年8月までに累計203件のM&A案件の成約を仲介している。

IPOレポート2
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■事業モデル
同社ではM&Aにかかる一連の業務の完了後に、譲渡企業と買収企業の双方から成功報酬を受領している。

またM&A案件に紹介者が介在した場合は、同社から紹介料を支払う。尚、同社株主(Angel Bridge Deal-by-Deal Fund 9号株式会社)の親会社であるAngel Bridge株式会社からの紹介が2019年11月期は売上高の10%を超える有力な紹介先となっている。

また社員数は2017年11月期12名、2018年11月期18名、2019年11月期28名と増加しており、今後の事業成長に向け積極的な採用が行われている。


■今後の戦略
同社は今後下記の強化を計画している。

・譲渡案件のソーシング・マッチング力の強化
・人材の確保と育成

M&Aアドバイザー業務の持続的成長とその加速のためには、譲渡案件のソーシングとマッチング力の強化が必要である。既に協業関係にある各地の引き継ぎセンターや金融機関及び会計事務所並びにベンチャーキャピタル等との信頼関係向上を図り、優良案件の獲得を目指す。また譲渡企業に直接アプローチを行う営業手法の拡充や、M&A検討企業に対して有用な情報をWeb上で提供するプラットフォームの構築を図ることで、更なる優良案件の獲得とマッチング精度の向上を目指す。

更に同社の成長には専門性の高い経験豊富な人材の確保と育成が重要である。積極的な採用活動の実施に加え、採用した人材のモチベーションを向上させる人事諸制度の構築を行うことで、より高い倫理観と高品質なサービスを提供できる人材の育成を行う。


■国内M&A市場の拡大
国内のM&A件数は2014年2,387件であったものが、2018年4,773件まで増加しており、2029年頃は60,000件が目標数字となっている(経済産業省「中小M&Aガイドライン」2020年3月31日公表・中小企業庁・財務課)。

経営者の高齢化による事業承継ニーズは今後も増すと予想され、それにともない国内M&A市場の拡大も継続すると予想されている。

IPOレポート3
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■業績推移
2017年11月期 売上高4.3億円、経常利益2.0億円、当期純利益1.4億円
2018年11月期 売上高3.4億円、経常利益0.3億円、当期純利益0.2億円
2019年11月期 売上高6.5億円、経常利益1.2億円、当期純利益0.8億円
2020年11月期(予想) 売上高7.9億円、経常利益1.3億円、当期純利益0.8億円

2018年11月期に減収減益となったものの、それ以外は増収増益が継続している。

2020年11月期は増収及び利益は横ばいの予想である。2020年11月期Q3(累計)は売上高3.8億円、経常利益▲0.3億円となっている。尚、2020年11月期は業務提携先の野村證券株式会社からの紹介案件による成功報酬が売上高全体の2割強を占める見込みである。

尚、2019年11月期が公開申請決算期であり、期越え決算でのIPOである。


■財務状況
2019年11月期末時点で資産合計6.3億円に対し、純資産合計4.6億円、自己資本比率73%である。借入金0.1億円に対し現預金5.9億円を有しており、財務内容に対し特段の懸念事項はない。


■資金使途
IPOにより5.1億円の資金調達を行い、下記使途を予定している。

・Web上でM&A検討企業に対する有益な情報を提供するプラットフォーム構築資金 2.3億円
・M&Aプラットフォームの企画・設計費用 0.5億円
・本社移転関連資金 0.4億円

調達資金の大半は、今後サービス立ち上げを予定しているWeb上のM&Aプラットフォーム開発・構築費用に充当される。


■株主構成
久保社長及び舩戸副社長が同率の筆頭株主(それぞれ株式シェア35%)で、両名で株式シェアの約7割が保有されており、安定的な株主構成である。

また第3位株主(同14%)は投資ファンドのAngel Bridge Deal-by-Deal Fund 9号株式会社となっている。

第5位株主(同3.1%)の株式会社タケオホールディングスは帝国データバンクグループの会社である。


■まとめ
大阪に本社を置く中小企業特化型のM&A仲介会社のIPO案件である。

経営者の高齢化が進み事業承継ニーズが高まっており、同社は中小企業に特化するM&A仲介企業として成長している。また株主や野村證券などの提携先からの案件紹介も進んでいる。

事業承継をはじめ中小企業のM&Aニーズが高まる一方で、日本M&Aセンター<2127>などの競合も存在する。競合はありながらも市場の成長を背景に、人員増強やWebプラットフォームの開発などを行うことでIPO後も成長を続けることができるのか、という点が今後の注目ポイントになると考えられる。
IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
当社は、大阪に本社を置いて中小・中堅企業を対象にM&Aに関する仲介、アドバイザリー業務を展開している。株価のバリュエーションは、公開価格時価総額が43億円、予想利益ベースのPERが53.9倍となっている。上場しているM&A仲介者会社の平均的なPERが50倍を超していることから、公開価格はけっして割高とは言えない。

上場当日の株価動向は、今年最後のIPOであり、また、資金吸収額が10億円弱であることから、初値は後場の遅い時間もしくは翌日に持ち越される可能性もある。

セカンダリー市場においては、11月決算の開示がある1月中旬に出て来る来期の業績予想次第で株価が動く可能性がある。初値は公開価格の数倍になると推測されるので、上場時のラリーが落ちついてから取組んだ方がよさそうだ。

中長期的には、M&Aの市場は拡大するも、団塊の世代の経営者のリタイアに伴う案件は徐々に少なくなっていると考えられるので、上場非上場のM&A仲介会社が乱立している中、案件のソーシングに強みがないと競合との戦いに勝てるかどうかは未知数と考えられる。