住宅ローンの金利は低いほど、トータルで返済する金額は少なくなります。そのため、多くの人が「できれば、金利の低い住宅ローンを選びたい」と考えているでしょう。

この記事では、住宅ローンの3種類の金利タイプの特徴やメリット・デメリットを解説し、2021年最新の住宅ローンの金利を徹底比較します。金利が低い住宅ローンをランキング形式で紹介するので、住宅ローンの利用を検討している人は参考にしてみてください。

そもそも住宅ローンの金利とは?

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(画像=PIXTA)

住宅ローンで銀行から融資を受けると、金利の分だけ借りた金額よりも多く返済しなければなりません。この元本に上乗せされる部分を、利息(利子)といいます。

利息は、金利をもとに計算されます。つまり、金利が低いほど元本に上乗せして支払う金額は少なくてすむことになります。逆に金利が高ければ、元本に上乗せして支払う金額が増えます。

住宅ローンでは、数千万円単位の借り入れをすることが一般的です。金利が少し変わるだけで、支払う利息の金額は大きく変わります。住宅ローンを組むなら、少しでも金利の低い金融機関を選び、毎月の負担額を減らすべきでしょう。

住宅ローンの金利タイプは3種類!

金利には、変動金利と固定金利の2種類があり、住宅ローンにも変動金利型と固定金利型があります。さらに住宅ローンでは、変動金利と固定金利を組み合わせた金利タイプもあり、固定期間選択型と呼ばれています。

住宅ローンの金利タイプは、変動金利型・固定金利型・固定期間選択型の主に3種類に分けられると言えます。これらの金利タイプの特徴やメリット・デメリットを順番に解説していきます。

変動金利型の特徴は?メリット・デメリットも解説

変動金利型は、金融情勢に応じて、一定期間ごとに金利が見直されます。金融情勢というと難しく感じますが、そもそも金利は常に変動しています。

簡単に言えば、お金を借りたい人が多ければ金利は上がり、お金を借りたい人が少なければ金利は下降します。このほか、景気が良くなって物価が上昇すると金利が上がったり、逆に景気が悪くなって物価が下落すると金利が下がったりします。

このように、世の中の金利の変動に合わせて、金利が定期的に見直されるのが変動金利型の特徴です。一般的に、半年ごとに年2回、金利が見直されます。

変動金利型のメリット

変動金利型のメリットは、一般的に同時期の固定金利より金利が低いことです。そもそも固定金利より金利が高いと、変動金利を選ぶメリットはありません。先が読めない代わりに、現状では低い金利を適用できることが変動金利のメリットです。

将来的に金利が下がれば、トータルで支払う利息額も少なくてすみます。金利が下がると予想しているなら、変動金利を選んだほうが、メリットが大きいでしょう。

変動金利型のデメリット

変動金利型のデメリットは、金利が見直されるため、先々の返済額が読めないことです。元本の返済額が変わらなくとも、金利が変われば、金利をもとに計算される利息の金額は変わります。

つまり、金利が見直されるたびに、毎月の返済額が変わるのです。金額が2倍になったり半分になったりすることはなくとも、年2回の変更はそれなりの頻度です。固定費である住居費が変動するのが煩雑だと考えるのならば、変動金利型はデメリットが大きいかもしれません。

金利が下がればトータルで支払う利息額が少なくなると説明しましたが、逆もあります。金利が上がれば、トータルで支払う利息額は増えてしまいます。将来的に金利が上がると予想しているなら、変動金利型を選ぶべきか慎重に検討したほうがよいでしょう。

固定金利型の特徴は?メリット・デメリットも解説

続いて、固定金利型の特徴を解説します。金利は常に変動していると説明しましたが、住宅ローンを組んだ時点で適用金利を固定してしまうのが固定金利型です。固定金利型を適用した場合、世の中の金利が上がったり下がったりしても、自分の住宅ローン返済には影響がありません。

固定金利の中には、住宅ローンの返済期間に応じて、段階的に金利が定められているタイプもあります。いずれにせよ、世の中の金利の変動にかかわりなく、当初の計画どおりの金利が適用されるのが固定金利型の特徴です。

固定金利型は、固定期間選択型と区別するため、「全期間固定型」と呼ばれることもあります。

固定金利型のメリット

固定金利型の特徴は、住宅ローンを組んだ時点で、利息額も含めたトータルの返済額が明確になることです。トータルの返済額が分かることで、計画的に返済しやすくなり、不安感も減少するでしょう。繰り上げ返済を計画している場合なども、計画を立てやすくなります。

世の中の金利が上がった場合、変動金利を適用していると返済額が増加しますが、固定金利型なら影響を受けません。マイペースかつ計画的に返済したいという人には、固定金利型が向いています。

固定金利型のデメリット

固定金利型のデメリットは、同時期の変動金利型と比べると、金利が高い傾向にあることです。

世の中の金利が下がった場合、変動金利を適用していると返済額が減少しますが、固定金利型は返済額は変わりません。世の中の金利の影響を受けないことが、良い方向に働くこともあれば、悪い方向に働くこともあるのです。

金利がこれから下がると思うなら、変動金利を選択したほうが、トータルで支払う利息額が少なくてすむ可能性があります。

固定期間選択型の特徴は?メリット・デメリットも解説

最後に紹介するのは、固定期間選択型です。変動金利型と固定金利型の中間とも言える金利タイプです。

固定期間選択型では、住宅ローンの返済期間のうち、一定期間は固定金利が適用され、それ以外の期間は変動金利が適用されます。

例えば「最初の3年間は固定金利が適用され、4年目以降は変動金利に切り替わる」といった形です。固定期間選択型の呼び方は金融機関によって異なり、「当初固定金利型」といわれることもあります。

固定金利が適用される期間は、2年・3年・5年・10年・20年などさまざまです。固定期間選択型は、一定期間を除き変動金利が適用されるため、変動金利型の一部に分類されることもあります。

固定期間選択型のメリット

固定期間選択型のメリットは、同時期の固定金利型ほど金利が高くないことです。変動金利型と固定金利型のメリット・デメリットが中和されるとも言えます。

「住宅ローンの返済」といっても、具体的なイメージがわかない人もいるでしょう。そうした人は、最初の3年は固定金利が適用される固定期間選択型を利用することで、3年間で返済ペースや貯蓄ペースを何となくつかむことができるでしょう。そのうえで、その後は変動金利に切り替わるという流れです。

金利の低さと計画的な返済のバランスがよいのが固定期間選択型のメリットです。最近では変動金利型より金利の低い固定期間選択型の住宅ローンも登場しています。

固定期間選択型のデメリット

固定期間選択型のデメリットは、メリットと表裏一体ですが、それぞれのメリット・デメリットが中途半端に現れてしまうことです。計画的に返済したいと思っても、固定期間以降の返済額は不確定な部分があり、金利も変動金利型ほど低くないことがあります。

「出産のため休職していたパートナーが数年後に復職予定」など、明確な理由があれば、固定期間選択型を選ぶメリットがあると言えるでしょう。自分たちのライフスタイルを踏まえ、固定期間をどのくらいの長さに設定するのかも、よく検討してみてください。

住宅ローンの新規借入と借り換えとは?

新しく家を建てたり、家を購入したりして住宅ローンを組むのは、新規借入となります。一方、すでにある金融機関で住宅ローンを組んだものの、金利などの条件をより良いものにするため、金融機関の変更を希望するケースもあります。一度住宅ローンを組んだ人が、新しい金融機関でローンを組み直すことを「借り換え」といいます。借り換えをすることで、金利が下がったり、返済期間を変更できたりします。

新規借入と借り換え、それぞれについて、各金融機関の住宅ローンの金利を見ていきましょう。

【新規借入】住宅ローンの金利相場は?

新規借入の住宅ローンの金利相場は、以下のとおりです。(各金融機関の下限金利・上限金利を参考にピックアップ)

変動金利型:0.380%~1.275%
固定金利型:0.550%~1.280%
固定期間選択型:0.280%~1.000%

2016年に日銀が実施したマイナス金利政策によって、今の日本は金利が低い水準にあります。住宅ローンも、下限金利が0.5%を切る商品もあるほどです。金利面を考えれば、今は住宅ローンを組むのに適した時期と言えるでしょう。

次に、各金融機関の住宅ローンの金利を比較してみましょう。

【新規借入】住宅ローンの金利を徹底比較

2020年12月現在の住宅ローンの金利を比較表にまとめました。変動金利型・固定金利型・固定期間選択型のそれぞれについて、下限金利が低い順にランキング形式で紹介していきます。

変動金利型

金融機関 商品名 適用金利
1.ジャパンネット銀行 住宅ローン変動 0.38%
2.ヤフー株式会社 住宅ローン変動 0.38%
3.auじぶん銀行 住宅ローン全期間引下げプラン変動 0.41%
4.SBIマネープラザ ミスター住宅ローンREAL<通期引下げプラン>変動 0.41%
5.住信SBIネット銀行 ネット専用全疾病保障付住宅ローン<通期引下げプラン> 0.44%

第1位から第5位はすべてネット銀行という結果になりました。ネット銀行は、窓口やATMがないので、人件費をはじめとしたさまざまな経費を最小限に抑えられ、金利を安く設定できる傾向にあります。

固定金利型

金融機関 商品名 適用金利
1.アルヒ ARUHI スーパーフラット5S(金利Aプラン)【自己資金50%以上】 全期間固定(15年~35年) 0.55%
2.アルヒ ARUHI スーパーフラット5S(金利Bプラン)【自己資金50%以上】 全期間固定(15年~35年) 0.55%
3.アルヒ ARUHI スーパーフラット6S(金利Aプラン)【自己資金40%以上50%未満】 全期間固定(15年~35年) 0.58%
4.アルヒ ARUHI スーパーフラット6S(金利Bプラン)【自己資金40%以上50%未満】 全期間固定(15年~35年) 0.58%
5.アルヒ ARUHI スーパーフラット6.5S(金利Aプラン)【自己資金35%以上40%未満】 全期間固定(15年~35年) 0.60%

固定金利型は、すべてアルヒが占める結果となりました。アルヒは、フラット35で10年連続シェアNo.1を達成した、住宅ローン専門の金融機関です。店舗を持ちながら、インターネットサービスにも力を入れています。

固定期間選択型

金融機関 商品名 適用金利
1.SBIマネープラザ ミスター住宅ローンREAL<当初引下げプラン> 固定2年 0.28%
2.三菱UFJ銀行 ネット専用住宅ローン固定3年
プレミアム住宅ローン 固定3年
0.34%
3.SBIマネープラザ ミスター住宅ローンREAL<当初引下げプラン> 固定3年 0.34%
4.ジャパンネット銀行 住宅ローン 固定2年 0.41%
5.ヤフー株式会社 住宅ローン 固定2年 0.41%

固定期間選択型の第3位までは、変動金利型より低い金利水準となりました。第2位にメガバンクの三菱UFJ銀行のネット専用住宅ローンもランクイン。その他はやはりネット銀行が上位を占めています。

次に、借り換えの場合の住宅ローンの金利相場を見ていきましょう。

【借り換え】住宅ローンの金利相場は?

借り換えの住宅ローンの金利相場は、以下のとおりです。(各金融機関の下限金利・上限金利を参考にピックアップ)

変動金利型:0.380%~1.275%
固定金利型:0.980%~1.810%
固定期間選択型:0.280%~1.050%

借り換えの変動金利型の金利相場は、新規借入と変わりません。一方、借り換えの固定金利型と固定期間選択型の上限金利は、新規借入より高くなっています。

借り換えの場合の各金融機関の住宅ローンの金利を比較してみましょう。

【借り換え】住宅ローンの金利を徹底比較

変動金利型

金融機関 商品名 適用金利
1.ジャパンネット銀行 住宅ローン(借り換え) 変動 0.38%
2.ヤフー株式会社 住宅ローン(借り換え) 変動 0.38%
3.auじぶん銀行 住宅ローン 全期間引下げプラン(借り換え) 変動 0.41%
4.SBIマネープラザ ミスター住宅ローンREAL(借り換え)<通期引下げプラン> 変動 0.41%
5.KDDI au住宅ローン 全期間引下げプラン(借り換え) 変動 0.41%

変動金利型の第4位までは、新規借入と同じ金融機関がランクインしました。金利も新規借入の場合と変わりません。第5位にはKDDIがランクインしました。

固定金利型

金融機関 商品名 適用金利
1.みずほ銀行 みずほネット借り換え住宅ローン「全期間固定プラン」(保証料一部前払い方式) 全期間固定(11年~15年) 0.930%
2.アルヒ ARUHI スーパーフラット借換 (全期間固定(15年~35年) 0.98%
3.みずほ銀行 みずほネット借り換え住宅ローン「全期間固定プラン」(保証料一部前払い方式) 全期間固定(16年~20年) 0.98%
4.みずほ銀行 みずほネット借り換え住宅ローン「全期間固定プラン」(保証料一部前払い方式) 全期間固定(21年~25年) 1.01%
5.アルヒ ARUHI フラット35(借り換え) 全期間固定(15年~20年) 1.020%

新規借入とは異なり、みずほ銀行の住宅ローンが3つランクインしました。金利の水準は、新規借入と比べると、かなり高めです。

固定期間選択型

金融機関       商品名 適用金利
1.SBIマネープラザ ミスター住宅ローンREAL(借り換え)<当初引下げプラン> 固定2年 0.28%
2.三菱UFJ銀行 ネット専用住宅ローン固定3年プレミアム住宅ローン (借り換え) 固定3年 0.34%
3.SBIマネープラザ ミスター住宅ローンREAL(借り換え)<当初引下げプラン> 固定3年 0.34%
4.ジャパンネット銀行 住宅ローン(借り換え) 固定2年 0.41%
5.ヤフー株式会社 住宅ローン(借り換え) 固定2年 0.41%

固定期間選択型の第5位までは、新規借入と同じ金融機関がランクインしました。金利も新規借入と変わりません。

今は高い?低い?住宅ローン金利のこれまでの推移

変動金利型か固定金利型かを選ぶ際は、これから金利が上がるか下がるかという将来予測が重要だと説明しました。現在の住宅ローンの金利は、過去の推移から見てどのくらいの水準なのでしょうか?

住宅金融支援機構(フラット35)が公開する「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)」によると、住宅ローン金利の過去からの推移は以下のようになっています。

housingloan_201217.jpg

変動金利型を見ると、20年以上前と比べて、低い水準にあると分かります。固定期間選択型(3年)は、登場した当初より金利水準が上がっていると言えるでしょう。固定期間選択型(10年)は、3年タイプより少し遅れて登場し、上昇しながらも横ばいの金利水準を保っています。

住宅ローンの利息の計算方法は?

ここでは、住宅ローンの利息の計算方法を解説していきます。

住宅ローンの利息の計算式

住宅ローンの1ヵ月の利息は、以下の計算式で計算できます。

借入残高×金利×1/12=1ヵ月の利息

毎月返済するたびに、借入残高は減ります。よって、同じ金利を掛けても、利息の計算結果は変わります。1回目の返済のときは、借入金額の金利を掛けて12で割って利息を計算します。

住宅ローンの利息の計算例

具体的に住宅ローンの利息の計算例を見ていきましょう。

例えば、3500万円の住宅ローンを組み、金利が0.5%とします。この場合、1回目の利息の支払額を求める計算式は以下のとおりです。

3500万円×金利0.5%×1/12=1万4583円

このとき、利息とあわせて元金を10万円返済したとします。すると、2回目の支払額を求める計算式は以下のようになります。

(3500万円-10万円)×金利0.5%×1/12=1万4541円

借入残高を計算するときは、返済金額のうち元金部分だけを差し引きます。間違って利息の分も差し引くと計算が合わなくなるので、注意しましょう。

住宅ローン返済シミュレーション

住宅金融支援機構(フラット35)は、住宅ローンシミュレーションを提供しています。住宅ローンシミュレーションを活用すれば、借入額や金利、返済方法を選択することで、返済額を求められます。

各金融機関でも住宅ローンの返済シミュレーションを用意しているので、積極的に活用しましょう。

住宅ローンの返済方法は2種類

住宅ローンの返済方法は、元金均等返済と元利均等返済の2種類あります。金利が同じでも、返済方法によって利息の計算結果が変わるため、返済方法の違いについてもしっかり理解しておきましょう。

元金均等返済とは?メリット・デメリットも解説

元金均等返済とは、毎月の元金の返済額が同じという返済方法です。先ほど説明したように、利息の金額は、返済が進むとどんどん減っていきます。そのため、元金部分の返済額が同額の元金均等返済の場合、利息の減少に合わせて返済額は毎月少しずつ減っていきます。

逆に言えば、最初の返済額は割高になります。最初にたくさん返済し、後から返済が楽になるのが元金均等返済の特徴です。

元利均等返済とは?メリット・デメリットも解説

元利均等返済とは、元金と利息を合わせた毎月の返済額が同じという返済方法です。利息の計算方法は、元金均等返済でも元利均等返済でも変わりません。そのため、利息部分は最初金額が大きく、返済が進むにつれ、金額が下がっていきます。

元利均等返済の場合、最初は返済額のうち利息の割合が高く、返済が進むにつれ元金の割合が高くなっていきます。利息の金額は毎月変わるため、毎月の返済額を同じにするため、元金部分で調整するのです。

毎月支払額が一定なのは元利均等のメリットですが、最初は返済額のほとんどが利息に充てられてしまい、なかなか元金が減りません。利息は元金に金利を掛けて計算するので、元金が減らないと利息の金額も高くなります。

そのため、元利均等返済だと、元金均等返済と比べてトータルで負担する利息額は高くなります。

それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、元金均等返済か元利均等返済を選びましょう。

住宅ローンの金利は家計に与えるインパクトが大きい

住宅ローンの返済は長期間にわたって続くため、家計や資産形成に大きな影響を及ぼします。金利はもとより、手数料や保証料などさまざまな観点から住宅ローンの商品を比較し、後悔のない商品選びをすることが大切です。

現在の住宅ローンの条件に疑問があるなら、借り換えも検討してみましょう。借り換えによって金利が下がれば、毎月の返済額が減ったり、返済にかかる期間を短縮できたりする可能性があります。