FX取引において、ローリスク・ローリターンでありながら、利益を得る方法として知られているのが「サヤ取り」です。

この記事では、サヤ取りの種類や方法、どのような仕組みで利益を出すのかなどを解説します。また、サヤ取りをするのにおすすめのFX会社も紹介します。

FX取引における「サヤ取り」とは?

FX,サヤ取り
(画像=PIXTA)

サヤ取りの「サヤ」とは「差額」のことです。つまりサヤ取りとは、FX取引で上手に差額を発生させ、低リスクで利益を得る方法をいいます。

●サヤ取りの概要

FX取引の中心は為替トレードです。為替トレードをする際に、レートやスワップポイントを利用して差額を生み出し、その差額から利益を上げるのがサヤ取りです。

スワップポイントとは、各国の通貨の金利に差がある場合、その差を埋めるために発生するポイントです。日本円は世界的に見ても低金利の通貨として知られており、日本円を利用した取引の場合、スワップポイントが発生することが多々あります。

●サヤ取りはどんな人におすすめ?

サヤ取りは、為替市場の予測に慣れていない初心者や、ある程度資金があり、少なくても安定して利益を出したい人におすすめの投資方法です。

サヤ取りのメリットは、まずリスクが少ないことです。基本的に保険を掛けながらの投資になるので、大きな損失を出す可能性の低い取引方法と言えます。さらに基本さえ理解してしまえば、初心者でも十分プラス収支を目指せることもメリットです。

反対にデメリットとして、まずリターンが少ないことが挙げられます。サヤ取りはローリスク・ローリターンの取引方法のため、投資金額が低いと当然ながらリターンも少なく、お小遣い程度にもならない可能性があります。

さらに、サヤ取りは基本的に「両張り」の投資方法なので、投資金額は通常の2倍必要です。投資できる資金が少ない人には、あまり魅力的ではない投資方法でしょう。

スワップのサヤ取りにおすすめのFX会社組み合わせ

スワップポイントの差額で利益を出すためには、「買いスワップポイントの大きいFX会社」と「売りスワップポイントの小さいFX会社」の2つのFX会社の口座を持つ必要があります。

買いスワップポイントの大きいFX会社

買いスワップポイントの大きいFX会社が以下の3社です。

売りスワップポイントの小さいFX会社

一方売りスワップの小さいFX会社が以下の3社になります。

一例として、サヤ取りにおすすめのトルコリラ/円での「みんなのFX」と「SBI FXトレード」の組み合わせを見てみましょう。

みんなのFX
買いスワップ
SBI FXトレード
売りスワップ
差額
25円 -13円 12円

みんなのFXとSBI FXトレードの組み合わせの場合、みんなのFXでトルコリラ/円を買い、SBI FXトレードで同じ数だけ売ればスワップの差額で、1万通貨あたり平均して毎日12円もらえるということです。

この場合、20ロットで買いと売りを同時に持っておくだけで年に10万円程度のサヤ取りができる計算になります。

>>みんなのFXの詳細はこちら

>>SBI FXトレードの詳細はこちら

「為替差益」のサヤ取り方法

サヤ取りには「為替差益」、「スワップポイント」2つの方法があります。まずは「為替差益」によるサヤ取りについて解説します。

為替差益によるサヤ取りは、相関性のある2つの通貨ペアに対して、「売り」と「買い」の2つのポジションを持つことで発生する差額を狙う方法です。

相関性のある2つの通貨ペアとして有名なのが「オセアニア通貨」です。オセアニア通貨とは、オーストラリアの「豪ドル」と、ニュージーランドの「NZドル」を指します。この2つと日本円の通貨ペア、「豪ドル/円」と「NZドル/円」の両方で反対のポジションを持つことで為替差益を狙います。

●乖離が大きい点を見極める

豪ドルとNZドルは、同じような挙動を見せることが多いですが、時に豪ドルが上がり、NZドルが下がるなど、反対の挙動を見せることがあります。このとき、豪ドルとNZドルの価値は乖離が大きくなります。この乖離が大きくなる点を見極めるのがポイントです。

乖離が大きくなった後の2つの通貨の挙動を考えてみましょう。相関性の高い通貨であれば、双方の距離は近づくと予想されます。つまり、価値が上がったほうの通貨はその後価値を落とし、価値が下がったほうの通貨はその後価値を上げると予想できます。

つまり上昇した通貨に対し「売り」のポジションを持ち、下降した通貨に対し「買い」のポジションを持つことで、収益を狙うことができるのです。反対の場合も同様です。2つ通貨がより接近しているタイミングであれば、その後双方の通貨間に差が出ると予想できるので、それぞれ売り、買いをすることで差益を狙えます。

この為替差益のメリットは、売りと買いのポジションを同時に持てることです。万が一市場全体が乱高下を見せた場合、一方で損失を被っても、もう一方で収益が出るので大きなマイナスにはなりにくくなります。

逆にデメリットとしては、定期的に相場をチェックし、投資できるタイミングを見極める必要があることです。本業のすき間時間に趣味でFX取引を行う場合、タイミングを逸する可能性があります。

また、相場が予想と反対の動きをした場合、損失が倍になる危険性があります。このような場合は素早く損切りの決断をしないと、大きな赤字になりかねないので注意が必要です。

●どのくらい利益が出るのか

そもそも双方の通貨の差益分のみを狙う取引方法なので、どれだけ有利な値動きを見せたとしても、さほど大きな利益は期待できません。もちろん投資額を大きくすれば投資額に比例して利益も大きくなりますが、リスクも大きくなるので注意が必要です。

スワップポイントによるサヤ取り

ここからは、もう一つのサヤ取りである「スワップポイント差益」について解説します。スワップポイント差益を狙う場合は、少なくとも2つのFX会社を利用する必要があります。

スワップポイントとは通貨ごとの金利差を穴埋めするためのポイントです。スワップポイントはFX会社が独自に設定しているため、同じ通貨ペアでも各社で多少違いがあります。

その違いを利用してサヤ取りを狙うのが「スワップポイント差益」です。スワップポイント差益のメリットは、為替情報に張り付いて、その動きをチェックする必要がないことです。最低でも1日1回、ポジションを持っている取引のスワップポイントを確認するだけで利益を狙うことができます。

デメリットは、為替差益以上にリターンが小さいことです。相場を読むわけでもなく、毎日細かいチェックをするわけでもない手軽な投資方法なので、この点は致し方ないでしょう。

スワップポイント差益を狙う場合、異なる通貨ペアで行う方法と、同じ通貨ペアで行う方法があります。

●異なる通貨で行うサヤ取り

異なる通貨ペアで行う場合でも、相関性のある通貨ペアで行うのがおすすめです。前述のように、日本円に対し、同じような挙動をすることが多く、リスクが少ないためです。

ここでは、「豪ドル/円」と「NZドル/円」を利用した場合で解説します。

まずはこの2つの通貨ペアの、「売り」「買い」双方でのスワップポイントを、FX会社ごとにチェックします。以下の組み合わせで、よりスワップポイントの大きい組み合わせを狙います。利用するFX会社を仮に「A社」、「B社」にします。

・(A社)豪ドル買い - (B社)NZドル売り
・(A社)豪ドル売り - (B社)NZドル買い
・(B社)豪ドル買い - (A社)NZドル売り
・(B社)豪ドル売り - (A社)NZドル買い

この4つの組み合わせの中で、もっとも差益の大きい組み合わせをチョイスし、それぞれ売りと買いのポジションを持ちます。売り・買いのポジションによる差が5円であれば、それがその日の収益ということになります。

●同じ通貨で行うサヤ取り

同じ通貨でスワップポイント差益を狙ってサヤ取りをする場合、同じ通貨ペアで反対のポジションを2つのFX会社で持つという形になります。

A社で「豪ドル/円」の豪ドル売りスワップがプラス20円、B社で「豪ドル/円」の豪ドル買いスワップがマイナス15円の場合、差額である5円がその日の収益になります。

サヤ取りの失敗事例

非常に成功率の高い投資方法であるサヤ取りですが、損失を出してしまう恐れもあります。

一番多いのが、損失が出た際の口座の資金不足です。FX取引では、FX口座に証拠金を持つことで取引が可能になります。しかし、取引で損失が出た場合、証拠金の金額が少ないとロスカット(強制取引終了)が行われる可能性があります。

一度取引をしてしまうと、しばらく放置しておけるのがサヤ取りのメリットですが、ロスカットが起こる可能性が高い取引でもあります。

サヤ取りがローリスクなのは、常に「両張り」の状態をキープできているからです。不本意なロスカットがないように、十分な証拠金を用意するか、こまめにチェックする習慣をつけましょう。

このほかにもよくある失敗例を紹介します。

●差額が縮小する

スワップポイント差益を狙う際に起こりやすいのが差額の縮小です。スワップポイントはFX会社ごとに設定されていますが、定期的に更新されています。多くの場合、スワップポイントは徐々に差額が縮小する傾向にあります。

スワップポイントに差があるからこそ収益が出るのがサヤ取りです。この差が縮小すれば当然収益は減ります。入出金の手数料などを加味すると、知らない間にマイナス収支になっていたということも珍しくないので、十分注意しましょう。

また、為替差益を狙う場合にも差額の縮小は問題です。為替差益を狙う場合、相関性のある通貨ペアを狙います。相関性があるとはいえ、それぞれの国が金融政策を行っている以上、その差額が一気に変動する可能性は否定できません。

サヤ取りを行うとしても、やはり定期的に経済ニュースに目を通すなどして、世界の経済情勢を確認することは大切です。

●決済注文で同時決済されない

決済注文とは、持っているポジションを手放すための注文です。一般的には決済注文を入れると、すぐにポジションは解消され、その時点で損益が確定します。

しかし、相場の値動きが急激に変動した場合など、決済注文が即反映されないことがあります。サヤ取りでは値動きがどちらに動いても、両張りを行っていることが保険となります。もし急激な変動でどちらか一方でも即決済されないと、想定以上のマイナスが出る場合があります。

サヤ取りはあまり相場の変動に左右されない投資方法です。それでも、急激な変動には注意が必要です。やはり経済情勢には気を配っておくべきでしょう。

サヤ取りにおすすめのFX会社

サヤ取りには、FX会社選びが非常に重要です。サヤ取りを行う場合におすすめのFX会社をいくつか紹介します。

●ヒロセ通商

・実効レバレッジ……最大25倍
・取り扱い通貨ペア……50ペア
・ロスカットルール……あり

ヒロセ通商は取り扱い通貨ペアの豊富さに注目です。サヤ取りでもっとも重要なのは通貨ペアの選択なので、選択肢が多いことは大きな魅力です。また、スプレッドの狭さも特徴となっています。

●外為オンライン

・実効レバレッジ……最大25倍
・取り扱い通貨ペア……26ペア
・ロスカットルール……あり

外為オンラインは独自のトレードツールを提供しており、このツールの使いやすさが評判です。また、「iサイクル2取引」を採用しており、自分で設定した方式で簡単に取引を行うことができます。

●みんなのFX(トレイダーズ証券)

・実効レバレッジ……最大25倍
・取り扱い通貨ペア……27ペア
・ロスカットルール……あり

トレイダーズ証券が提供するみんなのFXは、狭いスプレッド、高いスワップポイントが評判のFX会社です。特にスワップポイント差益で利益獲得を目指す場合、スワップポイントが高いみんなのFXは魅力的でしょう。

まとめ

サヤ取りはFX取引の中でも、ローリスク・ローリターンで利益獲得を目指せる人気の取引方法です。

サヤ取りには為替差益を狙う方法と、2社のFX会社のスワップポイント差益を狙う方法があります。自分のスタイルに合った方法で行うとよいでしょう。

サヤ取りはローリスクな投資法ですが、マイナス収支になる可能性がないわけではありません。その可能性をできるだけ下げるため、しっかりとサヤ取りに向いたFX会社を選びましょう。この記事を参考に、ぜひサヤ取りでのFX取引に挑戦してみてはいかがでしょうか。