ネットマネー 2017年1月号より一部を特別公開!

今やサラリーマンの副業としてもすっかり定番となった感すらある大家業。アパートや一戸建て投資で、リスクを抑えて、利回りを高めるにはどうすればいいのか? 成功している大家に毎月の収入を10万円アップさせる秘訣を聞いた。

毎月40万円の持ち出し! 「外国人向け賃貸業」で起死回生を図る!

不動産投資
(画像=ネットマネー編集部)

・家賃収入(年間) 約3600万円
・所有物件数 5棟102室
・平均利回り(年) 約12%

不動産投資家アンロック伏見さん(38歳)
地方の国立大学を卒業後、IT業界に勤務。2014年に不動産投資を始め、2015年の夏に脱サラして起業。現在、所有物件は5棟102室、キャッシュフローは約800万円。

一向に改善されない空室率に悩まされた半年間で学んだこと

不動産投資
(画像=ネットマネー編集部)

IT関連企業に勤務していたアンロック伏見さんが不動産投資の世界を知ったのは、2013年のことだった。

「サラリーマン生活にやりがいが感じられなくなっていたところでした。そんなとき、たまたま参加した金融投資セミナーで、不動産投資の話を聞いて興味を持ち、不動産投資関連の本を読んだりセミナーに参加して、勉強するようになりました」

そんな中で知り合った、ある著名な不動産投資家のアドバイスを受けて、2014年、伏見さんは栃木県宇都宮市に3階建てのマンションを1棟購入する。

「勤務先がそこそこ名のある会社だったので、銀行に属性が悪くないと評価してもらえたのか、年収の30倍という限度額いっぱいの融資を受けることができました」

多くのサラリーマン大家にとって第一の関門となる資金調達も難なくクリアし、順調な滑り出しのように思えたが、まもなく、伏見さんは大きなトラブルに直面する。空室が埋まらないのだ。

「購入時点で全58室のうちの約50%にあたる28室が空室でした。有名な投資家さんがお勧めする物件なので、すぐに入居者がつくだろうと高をくくっていたのですが、ひと月たってもふた月たっても、空室数がまったく埋まらない。これには頭を抱えましたね」

家賃収入の不足分は当然ポケットマネーからの持ち出しで補填。伏見さんは毎月約40万円もの自腹を切る生活を半年近く続けたという。

「業を煮やして、管理会社に『何とかしてくれ』と直談判に赴きました。そこでわかったのが、管理会社が〝客付け〞のための努力をまったくと言っていいほどやっていなかったこと。それでは、空室率が改善されないのも当然です」

このままではらちが明かない。伏見さんは管理会社を替え、自らの足で営業することを決意。休日になるたびに不動産仲介業者を回ったり、チラシを配布する日々が始まった。すると、入居希望者が次々に訪れ、わずか3カ月後には空室がゼロになったという。

「自分の頭を使い、足を動かし、汗をかく。それが大家業の基本なんだと痛感しました」

日本で働く外国人を助けるために専業大家に転身する

伏見さんは2015年に勤務先を退職し、現在は専業大家として主に外国からの労働者向けの物件を運営している。

「サラリーマン時代に外国人と一緒に仕事をする機会が何度かあったんですが、地方に住む外国人の多くがなかなか住まいを見つけられずに困っているという話をよく耳にしました。大家業を通じて少しでもそうした人たちの力になれればと思い、専業大家の道に進むことを決断しました」

生活文化の違いなどから、外国人に部屋を貸すことをためらう大家も少なくないが、「外国人特有の問題で困らせられることはほとんどありません」と伏見さんは強調する。

今では、伏見さんの名前は北関東の在日外国人の間に口コミで広まっており、見知らぬ外国人から伏見さんの携帯電話に突然連絡がきて、住居の相談を受けることもしばしばだという。

そうした状況にも迷惑がるそぶりすら見せず、「お客さんが自分からきてくれるんだから、ありがたい」と笑う。伏見さんは現在、栃木県と群馬県を中心に5棟102室の物件を所有しているが、どの物件も常時満室状態なのは当然の結果といえるだろう。

アンロック伏見さんの「10 万円増やす」不動産投資の秘訣

「セミナーなどで『カメムシになろう』とよく話すんで。小さい虫も独特の臭いで、強烈な存在感を放ちます。大家業も、何らかの特色があれば、注目されて、入居者が集まるんです。私の場合は、外国人を積極的に受け入れたことですが、おかげで不動産会社からも『外国人はまず伏見に紹介』という評価をいただいています」

儲かる大家がわかるKEY WORD

【利回り】 投資額に対して年間に得られる利益の割合。不動産投資の利回りには、単純に年間の家賃収入を取得価格で割る「表面利回り」と、年間の家賃収入から諸経費(管理費や固定資産税など)を差し引いた正味の利益を取得価格で割る「実質利回り」とがある。

【実質利回り(ネット利回り)】 一般的な算出式は「年間収入-年間諸経費÷物件取得価格」となるが、サラリーマン大家で有名な藤山勇司氏による“藤山式"では固定資産税やリフォーム代金を年間総家賃の2割と見積もり、物件取得価格に諸経費を加えて10%増しに修繕費を足したものを物件購入価格で割っている。「(年間総家賃×80%)÷(物件取得価格×110%+修繕費)」。

狙い目は地方都市の 一戸建て。安く買い セルフリフォームで 付加価値を高める!

株式投資の収益を元手に不動産の世界に足を踏み入れる

今年で専業大家になって10年になる松田淳さん。以前はホームセンターに勤務するごく普通のサラリーマンだった。「不動産の世界に興味を持ったのは、2004年に当時ベストセラーになっていた不動産投資の本を読んだのがきっかけでした。それまでは株式投資をしていたんですが、株で安定して収益を上げるのは難しかったんです。でも、不動産なら自分にもできるのでは? 本を読んでいるうちに、そんな思いがフツフツと湧き起こってきて、読み終わるのも待ちきれずに不動産屋に駆け込みました(笑)」

狙い目は地方都市の 一戸建て。安く買い セルフリフォームで 付加価値を高める!
(画像=ネットマネー)
狙い目は地方都市の 一戸建て。安く買い セルフリフォームで 付加価値を高める!
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その不動産屋で、1000万円以下で購入できる物件がないか問い合わせたところ、埼玉県入間郡の1棟4室のアパートが900万円で購入できることが判明。内見した物件にも特に不満点はなかったので、購入を決断する。

「銀行から650万円の融資を受けることができたので、それに株式投資で稼いだ200万円あまりを加えて購入したんですが、銀行にローンの相談に行ったときは、『もし失敗したらどうしよう』という考えが頭をよぎって、急に背筋が寒くなったことをよく覚えています」

失敗したときのことを考えれば怖くなるが、まずはやってみないことには始まらない。そんな思いで大家業の第一歩を踏み出した松田さんだが、購入した物件が期待以上に順調に収益をもたらしてくれることに驚かされたという。「毎月12万円ほどの家賃収入で、ローンの支払いを引いても9万円ほど手元に残りました。年収400万円ほどだった当時の私にとっては、大きな副収入です」

狙い目は地方都市の 一戸建て。安く買い セルフリフォームで 付加価値を高める!
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もっと所有物件を増やせば、収益もさらに上がるのでは? 不動産投資の世界に魅せられた松田さんは、新たな物件を手に入れるべく、休日には不動産屋巡りをするのが習慣となり、着実に所有物件を増やしていく。

どんな地方都市にも中古の一戸建ての需要は確実に存在する

不動産投資を始めて2年後の2006年に専業大家となった松田さん。現在は13棟もの物件を所有しているが、最近購入している大半は地方都市の一戸建て住宅だという。

しかし、多くの地方都市で空き家の増加が問題となっている昨今、投資対象としてはややリスクが高そうだが……。「そういう懸念を抱く人も多いんですが、空き家問題に悩む地方でも、毎年、何戸かの住宅は新築されています。つまり、どんな過疎地にも、その土地で家を持ちたいという人は必ずいる。では、なぜ空き家が増えるのかといえば、住みたいと思うような魅力的な中古住宅がないからです。だからといって、魅力的にリフォームしようとするとお金がかかる。その結果、『どうせ買い手もつかないだろうから』と空き家のまま放置されたり、『タダでもいいから手放したい』と二束三文の値段で売りに出されたりするわけですが、そうした物件こそ、まさに狙い目なんです」

〝投げ売り〞された地方都市の一戸建てを格安価格で購入し、リフォームして魅力的な物件に生まれ変わらせることで客を呼び込む。それが松田流不動産投資成功の極意だ。「リフォームにはお金がかかると言いましたが、それは専門業者に依頼した場合。自分で手がければ、コストは数分の1に抑えることができます」

狙い目は地方都市の 一戸建て。安く買い セルフリフォームで 付加価値を高める!
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ホームセンター勤務時代にリフォーム用の資材などを取り扱った関係で、壁紙や建材に関する知識が豊富にあったことが、セルフリフォームの発想にもつながったという。「とはいえ、知識はあっても実際に作業した経験は皆無でした。最初はリフォームの本を参考に作業を進めていましたが、壁紙の張り替えもうまくできずに苦労しました」

それでも、物件を購入するたびに自らリフォームを手がけ、少しずつ経験を積み重ねていき、今ではプロ顔負けのリフォーム技術を身につけるまでになっている。実際、今回取材した茨城県古河市の物件では、ペット臭が染みついた壁や床板を自らすべてはがして張り直したという。

松田さんによれば、「不動産投資は失敗に寛大な世界」だという。「リフォームもそうですが、投資自体も、少しくらい失敗しても、そこからノウハウを学んで挽回することが十分可能です。『まずやってみる』の精神が成功を引き寄せる秘訣ではないかと思います」

狙い目は地方都市の 一戸建て。安く買い セルフリフォームで 付加価値を高める!
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生活費を稼ぐために 自宅を担保に大家業! 売却も考え一戸建てに 絞って〝出口〞を確保

格安中古の一戸建て。リフォーム範囲は水回りだけにとどめる

黄金ガールさんが大家さんになるまでの経緯は波瀾万丈。ご主人が難病にかかって事業を続けられなくなり、子供を抱えて将来を悲観したこともあったけれど、長い付き合いの会計士に相談したところ、大家業を勧められて、物件まで譲ってもらった。

生活費を稼ぐために 自宅を担保に大家業! 売却も考え一戸建てに 絞って〝出口〞を確保
(画像=ネットマネー)
生活費を稼ぐために 自宅を担保に大家業! 売却も考え一戸建てに 絞って〝出口〞を確保
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「それが出発点です。ローンを完済していた自宅を共同担保に入れて2006年1月に埼玉県蕨市の4000万円のアパート1棟を買ったところ、総額で月50万円の家賃収入を得ることができました」

家賃を少しでも高く設定できるように、入居者が出ていくたびに、玄関ドアに電子キーを付けるなどしてグレードアップを図り、総額収入を月50万円↓55万円↓58万円と増やしていった。 現在の黄金ガールさんは埼玉県を中心に、自宅から1時間で行ける範囲に格安の中古の一戸建てを12戸保有。家賃は1戸当たり6万〜7万円の設定で、総家賃収入は月額70万円(年間840万円)に。

格安の一戸建てに切り替えた理由は「売りやすさ」だ。「アパートは不動産投資家しか買いませんが、一戸建てはマイホーム需要が期待できるので、売る気になったらすぐに売れます」

写真の一戸建ては、340万円で購入して外観をリフォーム。室内はキッチンと風呂、トイレの水回りを140万円かけて一新した。

「入居者は完璧にリフォームされた室内よりも、水回りを気にします。ほかの部分は多少汚しても気にならない程度のきれいさを好みますね」

入居者は家賃保証会社がOKした人に限るが、礼金・敷金はゼロに設定。ペットを飼う場合のみ敷金2カ月分として、1カ月分は償却するという借りやすい契約にしている。

「不動産業者とは長く深く付き合うこと」と黄金ガールさんは客付けについてアドバイス。「用事がなくてもお店に遊びに行きます。お中元、お歳暮も贈りますよ」とも。そうした気持ちのいい関係づくりが、優良物件の紹介につながる。

リフォーム業者も1社に絞る。黄金ガールさんは毎回、1人で複数の作業や工程をこなせる技術を持った多能工(一人親方)コンビに頼んでいるため、自分たちの手間が増えるにもかかわらず低コストでリフォームするための方法を提案してくれるという。

格安の中古一戸建て物件で、流動性を確保しつつ、業者と信頼関係を築く。それが月10万円を稼ぐコツだ。

生活費を稼ぐために 自宅を担保に大家業! 売却も考え一戸建てに 絞って〝出口〞を確保
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大家歴 30 年! 修羅場を切り抜け、 不動産投資を 長く続ける秘訣

90年代のバブル崩壊で4000万円の債務超過、自己破産の危機に陥る

不動産投資家歴30年というベテラン大家の加藤隆さん。大家業を始めたきっかけは、「会社に依存しすぎたくなかったから」だという。

「私が若手社員だった80年代半ばは、バブルの真っ盛り。栄養ドリンクのCMではないですが、〝24時間働ける〞モーレツ社員がもてはやされていました。でも、私はそんな働き方はしたくなかった。もっと自分の時間を大切にしたい。でも、充実した余暇を過ごすには、お金も必要。そこで目をつけたのが、少ない労力で安定して収益を上げられる不動産投資でした」

大家歴 30 年! 修羅場を切り抜け、 不動産投資を 長く続ける秘訣
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大家歴 30 年! 修羅場を切り抜け、 不動産投資を 長く続ける秘訣
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株式投資で稼いだ800万円を元手に、1986年、東京都豊島区の区分マンションを現金購入。その後も、都内を中心に区分マンションを少しずつ購入していくが、困ったことに、なかなか思うように収益が上がらない。

「当初から毎月2万円ほどの持ち出しがありましたが、年を経るごとに悪化していき、3年後には一物件月8万円にまで膨らんでしまいました」

しかも、追い打ちをかけるようにバブルが崩壊。債務超過額が4000万円に達したときには、「最悪の場合、自己破産も覚悟した」という。

それでも、立て直すことができたのは、「後に、キャッシュフローは常に黒字をキープしていたこと」が大きく寄与したと加藤さんは振り返る。また、バブル後の地価下落と低金利で、良質な物件を安く購入できるようになったこともプラスに働いたそうだ。

こうして危機を乗り越えた加藤さんだが、現在は100室もの物件を所有し、常にほぼ満室状態をキープするなど、順調なサラリーマン大家ライフを送っている。そんな加藤さんに、不動産投資を長く続ける秘訣を聞いた。

「複数の物件を所有し、リスクを分散させること。融資を受けられるなら、できるだけ活用すること。そのほうがよりよい物件を入手できますから。そのためには、金融機関にどういう物件なら融資してくれるかを聞いてみることをお勧めします。具体的に教えてくれるものですよ」 今すぐ金融機関へ相談に行ってみてはいかがだろう。

加藤 隆さん
IT企業でサラリーマン歴36年(現役)、大家歴30年の実績を持つ。不動産経営を通じ、サラリーマンの経済的・時間的・精神的自立を提唱し、セミナー・勉強会の講師も多く務める。

不動産のプロが指南! 月 10 万円を稼ぐ 賃貸物件の成功法則

埼玉県と神奈川県の中古の一戸建てか、アパート物件を狙え

「都内の物件価格は相変わらずの高値で、横ばい状態が続いています。地方の物件価格はどちらかと言えば下落傾向です。融資がつきやすい札幌、関西、福岡でも下げ始めているという声を聞きます」と話すのは、不動産投資の情報サイト「健美家」代表取締役・倉内敬一さん。

ただ、これが下落の始まりというわけではなく、調整に入った状態と分析する。都内の物件が高止まりしている要因としては主に①融資がつきやすい、②低金利が継続している、③不動産投資のメジャー化の3つが考えられるが、③による大家人口の増加が、価格を下支えしているようだ。

このような環境の中で、最も着実に毎月10万円を稼ぐ方法としては、「現金を用意して、家賃5万円が設定できる、物件価格400万円程度の一戸建てを2戸持つこと」をあげる。

また、1000万円程度の「中古アパートを現金で購入した場合は、利回り10%程度でも確保可能。融資を使う場合は、融資額が多くなるほど手残が減り、リスクが大きくなるので注意が必要です」と倉内さんはアドバイスする。

ほかに、マンションの区分所有も悪くないが、「空室期間は共益費などが持ち出しになるため、埋まる物件の見極めが大事です。エリアとしては埼玉県か神奈川県が狙い目だが、周辺の需要や相場の調査を忘れずに」という。

融資を受ける場合、頭金がある程度用意できる人は融資期間が長いノンバンクを利用すると、手残りが多くなる。ただし、実家や自宅の共同担保を求められるので、それが嫌なら日本政策金融公庫を利用するのがお勧めという。公庫は融資期間が短いので2棟保有を検討するのもいい。銀行融資なら、まず担保評価の高い格安の一戸建てを現金で買い、それを担保に入れて融資を受けるという方法もある。「たとえば300万円で購入した一戸建ての土地が広ければ、600万円の融資が受けられることも」(倉内さん)

手間はかかるが挑戦する価値はありそうだ。

不動産のプロが指南! 月 10 万円を稼ぐ 賃貸物件の成功法則
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