ネットマネー 2017年1月号より一部を特別公開!

今月の注目点 米国株ファンドの純資産上位はリーマン ・ ショック以降に誕生

投資信託は投資先や基準価額、純資産総額、騰落率など、項目が多数存在する。
そこでこのページでは多数ある投信の中から旬なテーマを選択してランキング形式で紹介していく。
今月は米国株ファンドの最新事情を探ってみよう。

教えてくれたのは、楽天証券経済研究所 ファンドアナリスト 篠田尚子さん
慶應義塾大学法学部卒業。国内銀行、リッパー・ジャパンを経て、2013年11月より現職。情報収集力と分析力は天下一品。

投資信託まるわかりランキング
(画像=ネットマネー)

情報技術を中心にリーマン・ショック以降の米国企業が好調

今年の最大の注目イベントだった米国大統領選挙が終わり、あとは12月に利上げを行なうかどうかに関心が集まっています。市場関係者の間では利上げをするとの見方が強いのですが、注視していく必要があります。

国内追加型株式投資信託のうち、主として米国市場に上場する株式に投資を行なうファンドについて、10月末時点の純資産総額が大きい順に並べてみたところ、株主還元や情報技術など、特定のテーマを掲げたファンドが上位に名を連ねていることがわかりました。

また、時価総額の小さい小型株式を投資対象としていたり、20程度まで組み入れ銘柄数を厳選して投資したりするタイプもランクインしています。投資家の関心を引くこうした各ファンドの特徴的な運用方針が、残高の積み上げに貢献したのでしょう。

米国株市場を後押ししたフェイスブックなどが組み入れ銘柄の中心に

本ランキングのそのほかの特徴として挙げられるのは、6位と8位の2本を除く8本が、2008年のリーマン・ショック以降に設定された比較的新しいファンドであるという点です。

多くのファンドには、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、アルファベット(グーグル)、アップルなど、リーマン・ショック以降の米国株市場の回復に貢献した情報技術関連銘柄が組み入れられています。

なお、「netWIN」についても、2000年代初頭のITバブル崩壊後と2008年のリーマン・ショック後にそれぞれ3000円台まで基準価額が下落しました。しかし、前述のような情報技術関連銘柄が運用成績を押し上げました。

米国株式市場は、堅調な企業業績や雇用環境を背景に過去7〜8年にわたって右肩上がりの上昇を続けてきました。企業の成長スピードが速く、株主への還元も積極的というのが最大の特徴です。

米国は利上げの時期についてなど目先の不確定要素はまだ残されているものの、欧州経済の回復にまだ時間がかかるとすれば、投資先としての米国の存在感は相対的に増大していくと思われます。

騰落率で見ると国内は金関連ファンドが上位にランクイン

さて、一方の国内の投信事情はどうでしょうか。

9月に引き続いて、10月の日経平均株価はボックス圏内で推移しました。

10月末には米国大統領選挙への不安から大幅な下落となったものの、それまでは少しずつ上昇を続けていました。

ここからは年末を意識した個別株への資金流入がさらに活発になってくるものと思われます。

純資産総額10億円以上の国内追加型株式投信(ブル・ベア、SMA/ラップ口座(投資一任勘定)専用ファンドを除く)を過去1年間の騰落率が高かった順に並べ替えたところ、金鉱企業の株式を主要投資対象とする「ブラックロック・ゴールド・メタル・オープンAコース」が首位につけ、2位以下をブラジル株式ファンドが占めたことわかりました。

「ゴールド・メタル」は、金価格の上昇に伴い、昨年から今年8月にかけて基準価額が大幅に上昇しましたが、その後は米国の利上げ観測の高まりなどを理由に下落に転じています。

さらに、ブラジル株式は、景気低迷と財政悪化によって長く苦戦を強いられてきましたが、政権交代と経済改革への期待の高まりから今年春以降、上昇基調が続いてきました。足元ではインフレ率の鈍化を背景に4年ぶりの利下げも行なわれ、今後の本格的な景気回復にさらなる期待が寄せられています。

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※p112~114のデータはすべて2016年10月末現在。ETF(上場投資信託)とDC(確定拠出年金)・SMA(投資一任勘定)口座専用ファンド、またデリバティブ(金融派生商品)型を除く。販売手数料、信託報酬は税込み。データ提供:ISIDフェアネス、QUICKのデータをもとに楽天証券経済研究所が作成。