ネットマネー 2017年2月号より一部を特別公開!

投資に役立つ外国為替の潮流をズバリ!!!
● 注目のビッグイベント
● 為替先読み塾(主要通貨編)
● 為替先読み塾(その他通貨編)

注目のビッグイベント
ハネムーン期間でもマーケットは遠慮なし

大統領就任後の100日間は、新政権の政策批判は行なわれない。「ハネムーン期間」とも呼ばれる紳士協定だが、オバマ大統領の就任式では、容赦なくドルが売り叩かれた。

オバマ大統領の蜜月期間はドル安。トランプ大統領は?

米国大統領就任後の100日間は、マスメディアは新政権の政策批判を控える慣例があり、「ハネムーン期間」とも呼ばれる紳士協定がある。では、マーケットも同様に批判を控えるのだろうか?

2009年1月20日にオバマ大統領が誕生したが、同日のNYダウは大幅安、ドルは急落し、1ドル=87円台を記録した。1995年4月以来13年半ぶりとなるドル安(円高)水準に対し、政府・日銀による円売り介入警戒感までも引き起こしている。当時のテーマは米国金融機関の不良債権問題だったが、就任演説において、経済・景気対策に関して踏み込んだ内容の発言はなく、失望を招いたことがきっかけだ。

2017年1月20日に、トランプ氏は、第45代米国大統領に就任予定。以降、就任演説、一般教書演説、予算教書が注視されるが、おそらくマーケットは遠慮せずに内容を吟味するだろう。矛盾が突かれればドル売りだ。

焦点は、トランプ氏が選挙期間中に掲げた政治信条「米国第一主義」に則した保護主義、孤立主義が経済政策にどのような形で関わるのか。加えて、大規模財政出動、金融規制緩和、国防支出増額など各行動計画の現実性と具体策、政策運営の覚悟が測られる。仮に財政・通商政策がインフレ見通しに転じれば、イエレンFRB(連邦準備制度理事会)議長も今後の金融政策にはタカ派色を強めざるをえない。「強いドル政策」の看板と輸出産業に配慮した整合性も試されるだろう。

要は、ドルを読むにあたり難解な点が多いのだが、一方で円は明確だ。それは、日銀が初めて実施した指定価格での国債無制限購入(指値オペ)が本邦長期金利上昇の抑制となり、日米金利格差で円のインセンティブ低下を促していることだ。

トランプ政権の方程式からドルの行方を探るには変数が多すぎるのだが、円に関しては2017年も円安誘導を目的とした金融緩和が継続し、デフレ脱却の看板が掲げられる点は継続しそうだ。

為替先読み塾 number-1 [主要通貨編] 今後もドル高トレンド継続。対ユーロの流動性枯渇に注意

取引所FX「くりっく365」の出来高ランキングを見れば、日本の投資家がどの通貨ペアを好むかといった嗜好性が一目瞭然だ。意外な流動性リスクの存在も浮き彫りに!

【今週の先読み先生】
カブドットコム証券 投資情報部 投資アナリスト
藤井明代さん(AKIYO FUJII)
株式優待からテクニカルまで幅広い分野の情報発信で人気。
ラジオやテレビなどレギュラー出演多数。
著書『勝てる!「優待株」投資』(幻冬社)。

当面、米ドルの独歩高継続。
国内出来高が少ないユーロ/米ドルに注意

FXの取引において流動性は非常に重要です。通貨ペアの流動性が高いと、思い通りのレートで約定しやすくなります。逆に流動性が低いと売買注文の板が薄く、思ってもいない不利なレートで約定するリスクが高くなります。

下の図は、「くりっく365」の通貨ペアの出来高ランキングですが、米ドル/円が断トツで、日本で最もポピュラーな通貨ペアであることがわかります。3位の豪ドル/円と4位の南アフリカランド/円は僅差。5位にはトルコリラ/円が入っています。

世界的には米ドル、ユーロ、日本円の3極通貨の取引が最も多いはずですが、ランキングでは世界最大の取引高を誇るユーロ/米ドルはなんと7位。ユーロ/円も6位に甘んじており、それを凌りょう駕がして英ポンド/円が2位につけているのは驚きです。

また、南アフリカランド、トルコリラといった世界的には流動性がきわめて低いといわれる通貨が上位に食い込んでいるのは、日本の投資家がいかに高金利通貨好きかの表れといえます。

国内取引では対円ベースの通貨ペアが上位を占めており、その半面、ユーロ/米ドルの出来高は非常に少なく、流動性に難のあることが浮き彫りになりました。

米国でトランプ新大統領の誕生が決定した11月以降、10年物米国債利回りは一時2・4%の水準まで急騰し、為替市場では金利差を狙った米ドル買いが加速しました。対円、対ユーロ、対英ポンドに対するドル高の動きは今後ますます増大していくはず。ユーロ/米ドル、英ポンド/米ドルといった、国内では流動性に欠ける通貨ペアの取引は、値動きも激しくなりがちなので注意しましょう。 ## 為替先読み塾 number-2 [その他通貨編] いま投資するなら、悪材料出尽くしの英ポンドと豪ドルトランプ氏の勝利で年明けの大統領就任までは、政治・経済の先行きが読みづらい米国。 トランプ氏の勝利で年明けの大統領就任までは、政治・経済の先行きが読みづらい米国。 外貨投資においても米ドルにこだわらず、英ポンドや豪ドルなど他の通貨にも視野を広げたい。 【今週の先読み先生】
外為オンライン 外国為替本部長
松本公明さん(KIMIAKI MATSUMOTO)
1989年から金融市場に携わる。
ライブスター証券の証券営業部長、為替営業部長を経て、2012年より外為オンラインにて現職。 ### 米ドルは様子見。
注目は英ポンドと豪ドル 米国大統領選挙は、全世界が注目する中、ドナルド・トランプ氏の勝利という、思いがけない結果で幕を閉じました。過激な発言を繰り返すトランプ氏への不安感から、米ドル/円は一時4円近く暴落しましたが、その後は、トランプ氏が掲げる「1兆ドルの財政出動」や「法人税減税」など、大胆な経済政策への期待感からNYダウ平均株価が上昇。ドルも買われ、11月28日現在で1ドル=114円手前まで上昇しています。 振り返ってみるとトランプ氏の勝利は、マーケットにとってブレグジット(英国のEU〈欧州連合〉離脱)に次ぐ、今年2回目の大ショックであり、英国、米国ともにグローバル主義から保守・保護主義へと変わりつつあることを示しているのかもしれません。こうした経済が内へ内へと向かう状況はお金の流れを滞らせるため、新興国の経済にとっては大きな打撃に。2017年1月のトランプ氏大統領就任で体制や政策が固まるまでは、米ドル/円は先行きの見えない状況が続きそうです。 こうした状況を踏まえ、投資先を考えるのであれば、英ポンド/円と豪ドル/円がおもしろいかもしれません。英国はEU離脱をめぐる国民投票から約5カ月が過ぎ、考えられる悪材料がすべて出尽くした感があります。週足チャートを見ても、10月以降徐々に英ポンドが買われ始めていることがわかります。 一方、豪州は比較的米国の影響を受けにくく、政治・経済が抜群に安定しているという特長があります。豪州は輸出の20%以上を鉄鉱石が占め、長く中国の大量生産による鉄鋼価格と資源価格の低迷、いわゆる〝鉄冷え〞に苦しめられてきましたが、ここに来て鉄鉱石価格が安定してきたので、豪ドルを買いやすい状況となっています。ただし、新興国の経済が不安定になると安全資産の円が買われる傾向があるため、クロス円においては少し注意が必要です。