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今月の注目点 中小型株や新興市場株の資金流入が活発化

投資信託は投資先や基準価額、純資産総額、騰落率など、項目が多数存在する。
そこでこのページでは多数ある投信の中から旬なテーマを選択してランキング形式で紹介していく。
今月は中小型株ファンドなどの最新事情を探ってみよう。

教えてくれたのは、楽天証券経済研究所 ファンドアナリスト 篠田尚子さん
慶應義塾大学法学部卒業。国内銀行、リッパー・ジャパンを経て、2013年11月より現職。情報収集力と分析力は天下一品。

日本株投信は利益確定売りが目立つ展開に

2016年11月は、いわゆる「トランプ相場」により日本株が大きく上昇しました。為替相場でも円安が進み、その結果投資信託の世界では利益確定とみられる解約が相次ぎました。

こうした中、主として国内株式に投資を行なうファンドについて、11月の月間純流入合計額が大きかった順に並べてみたところ、時価総額の小さい中小型株や新興市場株を組み入れたファンドが上位に名を連ねていることがわかりました。

一般的に中小型株とは、時価総額が比較的小さな銘柄を指します。この時価総額の定義は調査機関や運用会社によって異なりますが、国際的には1兆円未満を指すことが多いようです。なお、本ランキングで3位につけた「スパークス・プレミアム・日本超小型株式ファンド」は、時価総額100億円前後の「超小型」株式に厳選投資します。

一方、新興市場株とは、マザーズやジャスダック等の新興市場に上場する銘柄を指します。投信の世界では、新興市場株と中小型株は同列に扱われることが多く、ファンド名に「新興市場」という単語が入っていても、実際にはマザーズやジャスダック以外の市場に上場する中小型株が組み入れられることがあります。

原油価格の上昇でルーブルなどの選択型がランクイン

新興市場銘柄は発行済み株式数が少なく流動性が低いため、投資対象銘柄の範囲にある程度の「余白」を持たせたうえで柔軟に運用する必要があるのです。中小型株に投資するファンドの純資産残高が総じて小さいのも同様の理由によるものです。

ほかには、国内株式に投資を行ないながら、ブラジル・レアルやロシア・ルーブルといった新興国通貨の為替取引を組み合わせた通貨選択型のタイプもランクインしました。原油価格の上昇を受け、両通貨がともに大きく反発したことで積極的な買いが入ったとみられます。

金関連投信は円安の環境では為替ヘッジ付が好調

さて、日本株投信が利益確定の流れにある中で、2016年に上昇が顕著だった、金関連投信はどうだったでしょうか。

金関連の投信を11月の月間純流入合計額が大きかった順に並べてみたところ、金の現物に実質的に投資を行なう「ピクテ・ゴールド」が首位につけたことが分かりました。

当ファンドのポイントは、米ドル建ての金価格の値動きを享受しながらも、対円の為替ヘッジを行なうことで、為替変動リスクの低減を図る点にあります。

これから、金関連の投信を選ぶ上で重要なポイントとなるのが、この為替と投資先市場の動向です。国内の金価格は円建てですが、海外の金価格は先物・現物ともに米ドル建てのため、為替の影響を受けます。

たとえば、2位につけた「三菱UFJ 純金ファンド」は、国内市場(東京商品取引所=TOCOM)の金価格を反映するのに対し、7位の「MHAM金先物ファンド」は海外(ニューヨーク商品取引所=COMEX)の金先物価格を反映します。

海外ものは他にも、現物(地金)価格の動向を反映する10位の「i -mizuhoゴールドインデックス」や、世界最大の金ETFである「SPDR ® ゴールド・シェア」を組み入れた5位の「ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)」などがあります。

現在は為替相場が円安基調に入っているので、海外ものなら為替ヘッジ付、国内ものであればTOCOMの市場価格を反映する投信を検討したほうがよいかもしれません。

※112~114ページのデータはすべて2016年11月末現在。ETF(上場投資信託)とDC(確定拠出年金)・SMA(投資一任勘定)口座専用ファンド、またデリバティブ(金融派生商品)型を除く。販売手数料、信託報酬は税込み。データ提供:ISIDフェアネス、QUICKのデータをもとに楽天証券経済研究所が作成