ネットマネー 2017年3月号より一部を特別公開!

老後資金を確実に貯めていくには、必要資金を把握し、使うお金と残すお金を計画的にコントロールしていく必要がある。
老後に向けて3000万円が貯まる資産3段活用法を伝授しよう。

作戦1 資産を大きく増やしたブロガー登場!
老後資金を貯められたコツは?

3000万円の資産をつくるのは至難の業だ。しかし若くして数千万円を達成している達人がいる!
そのスペシャルワザを紹介しよう。

投資での失敗を糧に、自分への格言をつくり実践

社会人になったときから、お金を貯めようと決めていたという鈴木京助さん。お金で苦労をしたくないと学生時代からマネー誌などで勉強した。独身寮に入り、さっそく、会社の財形を利用してタネ銭を稼いだ。「財形といっても、株30%・債券70%のバランス型投資信託への積立でした。会社から年率1%の補助があったのも利用した理由」。ほかにも会社の持ち株会にも加入。元本以上に積み増すことができた。

まとまったお金ができ、株式投資にチャレンジしたのが、リーマン・ショックのあった2008年。「日経平均が1万4000円まで下がったところで買いを入れたら、市場はさらに下がっていき、1万円割れをしてしまいました。買い焦って、すっかり平常心を失ってしまいました」

京助さんはこのときの失敗を糧に、「15年後も有望と思う銘柄しか買わない」「買いたいと思ってから3カ月は我慢する」といった自分のための格言をつくり、それ以後は忠実に守っている。

この格言の下、2010年以降、米国株や日本株をじっくり研究して購入。当時購入した米国コカ・コーラ・ボトリング、日本電産など3倍以上に上がった株も多くある。

投資配分にも独自のルールを設けている。平時は保有額の半分はMRF(マネー・リザーブ・ファンド)等にしておき、暴落期には1000万円を株の投資に回す。将来の貯蓄目標は3億円というから驚きだ。

FXで失敗。インデックス投信を無心に分散して積立

吊られた男さんが、初めて投資に出合ったのは2002年。会社が確定拠出年金制度をスタートし、手数料が抑えられるインデックス投信を選択したときだ。2007年に結婚したのを機に、本格的にお金を貯めようとインデックス投信の積立を開始した。当初はFX(外国為替証拠金取引)も手がけたが、リーマン・ショックで大きな損失を出し、相場とにらめっこの投資はやらないと決めた。

以後は日本株、先進国株、新興国株投信に3対4対3の割合で投資。月20万円をメドに、手動で積立をしている。「妻は預貯金派なので、夫婦でバランスをとっています」

作戦2 お金のプロが直伝!
資金をつくる&生かす7つのオキテ

老後に向けて3000万円を貯めようと思っても、やみくもに積立をするだけでは実現できない。
お金を貯めるプランとルールを学ぼう

脱・老後破綻!7つのオキテで目指せ3000万円

総務省の家計調査によると、30代の平均貯蓄額は608万円、それに対し負債額は942万円。総貯蓄額は334万円のマイナスだ。終身雇用が崩れ、給料が右肩上がりに増えなくなったうえ、税金負担が重く、実質の手取り額が減っている。
「ごく普通のサラリーマン家庭でも、30代でまとまった貯蓄ができないままに、教育費が家計を圧迫する40代を迎えます。これを何とか乗り切って定年を迎えたときにはスッカラカン。まさに、老後破綻になりかねない状況なのです」と指摘するのはファイナンシャル・プランナーの藤川太さん。
「老後破綻にならないためには、1日でも早く貯蓄計画を立てること。しかも、マイナス金利の今だからこそ、賢くお金を増やすテクニックを身につけることが大切なのです」(藤川さん)

いくら必要になるのかを家計調査年報を元に計算したのが下の図だ。60歳で退職するなら、3000万円の貯蓄が目安だ。
「具体的には、『資産3段活用』をしていくのが基本」(藤川さん)。積立額がまとまったら、利率の高い安全商品に預け替え。さらに投資商品で大きく増やすことだ。次に紹介する7つのオキテを実践しながら、資産3000万円を目指そう。

オキテ1 会社のおトクな制度は徹底的に利用する

会社員だからこそ使える有利な制度は、実は非常に多い。貯蓄に本気で取り組むにあたって、まず社内預金制度や財形貯蓄制度、確定拠出年金制度について必ず確認しよう。
最もお金が貯まる方法は、給料からの天引きだ。積立に回すお金が最初からなかったものとして生活しよう。非課税メリットを利用できればその効果は大きい。

オキテ2 ライフステージごとに貯められる金額は違ってくる

貯蓄をする際にはまず「目標の明確化」が必要だ。いつ、何のために、いくらお金が必要なのかをきちんと決めてから、どのくらいのペースでどのように準備したら間に合うのかを逆算し、毎月の積立額を具体的に試算してみよう。

ただ、結婚・出産費用、子供の教育費、住宅ローンの返済など、ライフステージごとに生じる大きな出費は避けられないもの。下の図のように、イベント資金がほとんど出ていかない、就職してから結婚までの①と子供が小さい時期の②、子供が独立したあとの④の時期は、お金の「貯め時」だ。「貯め時」と「使い時」を意識して、お金を貯めていこう。

オキテ3 「守るお金」と「増やすお金」を意識する

やみくもに投資をして失敗し、大損をしてしまったり、生活やライフイベントに必要なお金まで積み立ててしまったりしていて、いざというときに必要なお金がない! そんなことになっては、貯蓄を無計画に取り崩すことになってしまう。

大切なのは、「守るお金」と「増やすお金」をきちんと区別すること。当面の生活になくても困らない100万円があったら、より有利な条件の商品に預け替えるなど、金額とそこに達したときの目標をきちんと計画して行動することが鉄則だ。余裕資産だけどリスクを取りたくない金額も明確にしておこう。

オキテ4 積立は1日でも早く1円でも多くが鉄則

いざ積立を始めようと思っても、どんな商品が有利かで迷ってしまいスタートが遅くなりがちだが、1日でも早く貯め始めたほうが早く結果が出るのは当然だ。 下の図でわかる通り、目標の金額が同じなら、早く始めて長く積み立てるほど、積立元本は少なくて済む。毎月の積立額が同じ場合、積立期間20年と10年で比べてみると、積立元本は20年のほうが単純に2倍だが、受取総額は2・3倍以上になる(金利3%の場合)。積立の最大のパワーは時間なのだ。

オキテ5 利益確定なしではお金は増やせない

変動のある相場への投資は、当たり前だがいいときもあれば悪いときもある。積立投資の場合、毎月定額ずつ購入することで、価格が下落しているときにはたくさん買え、価格が上昇しているときには少ししか買えないことで結果として平均買付単価が下がる「ドル・コスト平均法」のメリットを受けられる。なお、価格が変動する投資商品への投資は、投資金額の一部でもいいので、相場のいいときにいったん利益確定することも考えよう。

オキテ6 積立は「貯蓄」と「投資」の二刀流で増やす

貯蓄額に大きく影響する金利だが、マイナス金利の今、積立貯蓄だけで資産を増やすことはますます難しくなっている。そこで組み合わせたいのが「積立投資」。

投資商品は価格変動リスクがある。そこで一気に高額投資を行なうのではなく、少額ずつ時間をかけて投資することで、価格変動リスクを減らすことができる。下の図のような「ドル・コスト平均法」のメリットも受けられる。

オキテ7 長期&分散投資が資産を守るための要になる

投資をする際に最も重要なのは、アセットアロケーション= 資産の組み合わせをすることだ。資産とは、日本株式、外国株式、日本債券、外国債券の4資産が基本。資産の割合にもよるが、4資産に投資すれば年に5~7%程度のリターンが期待できる。1つの資産に集中投資していると、ある年は大勝ち、ある年は大負けなどとなってしまう。投資タイミングや銘柄選定より、時間と投資対象の分散こそが資産を守る。

作戦3 資金を効率的に
貯める&増やす&運用する商品ガイド

貯める商品 財形貯蓄や積立投資を上手に使おう

貯蓄の基本は毎月の積立だ。貯蓄分を普通預金に余らせている人がいるが、それは言語道断。積み立てたお金は、生活口座とは別勘定でキープしておくのが基本だ。

会社員で制度があるなら、まず財形貯蓄を選ぼう。マイホーム購入後は、財形年金貯蓄を選ぶのもひとつの手だ。また、確定拠出年金制度があればそちらを利用することで、自動的に老後資金が積み立てられる。

会社に制度がない人や自営業の人は、毎月自動引落としされる自動積立定期預金を利用。個人型確定拠出年金( iイDデeCコo)も活用したい。iDeCoは利息や運用益が非課税のうえ、毎月の掛け金が全額所得控除になるので、所得税・住民税もその分安くなる。

積立に回せる資金があるなら、資産増加のスピードを上げるためにも、毎月1万円でいいので積立投資も組み合わせよう。積立ができる投資商品は下の図の通り。ドル・コスト平均法で、価格変動リスクを減らすことが可能だ。

増やす商品 100万円貯まれば高金利の商品に預け替えを

ある程度お金が貯まったら、積立は継続しつつ、資金の一部を有利な商品に預け替えよう。100万円もあれば少額では利用できなかった商品が利用でき、お金の増え方にも加速がかかる。現在はマイナス金利の影響で貯蓄性保険で有利なものは皆無。使いやすくて金利が有利なネット定期と社債が候補となる。

備えとして安全に確保しておいたほうがよい資金は、金利が有利なネット定期を利用するといいだろう。ネット定期なら、通常の銀行の定期預金金利は1年物で0・01%だが、20倍の0・2%などの金利がつく。地方銀行のネット支店に金利の高い商品が多いほか、ネット銀行のボーナス時の金利上乗せキャンペーンも狙い目だ。

債券に資金を振り向けるのも選択肢だ。個人向け国債「変動10年」は現在0・05%(税引き前)と低金利だが、今後、市場金利が上がれば、連動して適用金利も上がる。個人向け社債も候補のひとつ。2016年は発行額が7年ぶりの高水準だった。その理由はマイナス金利導入で、企業が事業に必要な資金を超低金利で調達できるからだ。多くは100万円から購入可能。新型劣後債と呼ばれる期限前償還条項の付いたタイプもある。代表的なのはソフトバンクグループの25年債で、当初5年の利率は年3・0%だ。いずれも使う予定のある時期までに満期を迎える商品を選ぶこと。

まだ投資できるお金があるなら、その一部をリーマン・ショックのような暴落時にある程度安全性を確保できるリスクコントロールタイプのバランス型投信に投資してもいいだろう。急激な下落時には、自動的にリスク資産を売却して、運用をストップするという特徴がある。

運用する商品 中期と長期に戦略を分けて日本株を売買

貯蓄総額500万円を超え、守るお金が安全にキープできたら、老後資金を増やすスピードをアップするために投資を組み入れよう。

短期で結果を求めないことが肝心だ。損失が出たからとムキになって追加資金を投入せず、投資額は少しずつ増やしていき、1つの投資対象に集中投資しないこと。外貨投資も魅力だが、為替変動によって収益分が飛んでしまうこともあるため、ここでは日本株での運用を選択したい。
「現在は、金融緩和と財政出動の拡大により、世界景気は拡大していく状況なので、株式投資をするにはいいタイミングです。①話題性のあるテーマの成長株を2~3カ月の期間で売買する、②インカムゲイン(配当)目的で安定株を長期保有する、という2つの戦略で始めてみたらどうでしょう」というのは、グローバルリンクアドバイザーズの戸松信博さん。

成長株については、「話題のテーマ関連銘柄をピックアップ。すぐに飛びつくのではなく、値動きのクセを見ながら、少し下がったところで拾うのが鉄則です」(戸松さん)。

今なら、ここ数年ずっと活況を呈しているバイオ関連のサンバイオ。再生医療分野の期待銘柄だ。また、カジノ法案が可決し、がぜん注目なのがセガサミーホールディングス。韓国でカジノ施設を運営している実績が注目を浴びている。IoT(モノのインターネット)成長のコアになるのが部品ビジネス。トリケミカル研究所、富士通、ソフトバンクの動向に注目したい。

長期に持つ銘柄については、「高配当銘柄が基本となるでしょう。高配当ということは、割安に放置されている可能性が高いわけです。PER(株価収益率)が10倍前後のもので、業績がしっかりしている銘柄を見ていきましょう。株主優待銘柄から選ぶのも一考です」(戸松さん)。

これから金融緩和から財政出動へと政策がシフトするにつれ強さを見せそうなのが銀行や不動産、建設関連。三井住友フィナンシャルグループ、住友商事、サンウッドが高配当だ。株主優待関連ではビックカメラが総合利回りが高い。