ネットマネー 2017年3月号より一部を特別公開!

〝トランプフィーバー〞冷めやらぬまま2016年12月も続伸した米国株。NYダウは歴史的節目である2万ドル台が目前に迫っている。年が明けて、2017年の外国株にはどのような相場が待ち受けているのか? 興味津々だ。

トランプ効果でNYダウが2万ドル目前に!

昨年12月の外国株相場は、前月のトランプ次期大統領当選を受けて米国株が続伸。NYダウは歴史的節目となる2万ドル台が目前に迫った。

一方、中国・香港株は、中国本土市場の主要インデックスである上海総合指数が11月末に比べて4・5%下落。香港ハンセン指数も3・5%下げるなど軟調のまま1年を終えた。上海総合指数の年間下落率は12%を超えた。

NYダウは、OPEC(石油輸出国機構)が11月30日に約8年ぶりとなる減産合意に達し、原油価格が上昇するとの期待を受けて月初めから連日最高値を更新。トランプ大統領誕生による規制緩和やインフラ投資が米国経済に恩恵をもたらすとの期待も相場の上昇に拍車をかけた。

12月の米国FOMC(連邦公開市場委員会)で昨年2度目の利上げが決定したことは一時的な〝冷や水〞となったが、2017年に利上げペースを加速させる可能性が示唆されたことは、むしろ米国経済の堅調な成長を予感させるものであり、株価をさらに押し上げる要因となった。

年末の持ち高調整で2万ドルには届かなかったが、NYダウは2017年の早い段階で節目を突破しそうだ。

中国株市場では、12月5日に深セン市場と香港市場の相互取引がスタートした。

事前にはこれが好材料となって香港株相場が上昇するとの期待もあったが、相互取引による商いは思ったほど活発ではなく、むしろ香港金融当局による利上げが悪材料視されてハンセン指数は軟調に推移した。香港は米ドルと為替相場をペッグ(連動)させる通貨政策を採用しており、米国が利上げをすれば、香港も金利を上げざるをえないというジレンマを抱えている。

 東南アジアではタイのSET指数が12月の1カ月間で2・2%上昇。通年では4年ぶりの上げ幅を記録した。

今月の注目国 米国利上げでチャンス!香港の不動産株を狙え

人民元安を嫌気。香港不動産市場に中国マネーが流入中

米国のトランプ新大統領の経済政策への期待から、世界中の株式相場は軒並み大きく上昇。だが、その波に乗れずに低迷しているのが香港株だ。

 香港株の主要インデックスであるハンセン指数は2016年9月の2万4000ポイント台をピークに下降トレンドとなり、トランプ氏が当選した米国大統領選挙後も下げ止まらず、昨年12月には2万1000ポイント台と3カ月で10%以上も下落した。

「香港株が振るわないのは、トランプ効果で金利が上昇しているからです。香港ドルは米ドルと為替相場を連動させるペッグ制なので、金融政策も米国に同調せざるをえません。つまり米国の金利が上がれば香港の金利も上がるのですが、その結果、香港経済のスローダウンが意識され、株式市場では不動産株が下がってしまっているのです」と語るのは、〝新興国投資のカリスマ〞としておなじみの戸松信博さん。

当然、香港の不動産株は相場以上に大きく下げている。だが、「売られすぎたところが買いのチャンスという株式投資のセオリーからいえば、香港の不動産株は絶好の買い時です」(戸松さん)。

今でこそ下げ止まらない状況が続いているが、「必ず反転するタイミングが訪れます」と戸松さんはみる。その支えとなるのは、中国本土からの資金流入だという。

「トランプ効果によるドル高の影響で、人民元安が進行しています。中国の投資家にとって元安は資産の目減りを招くので、海外に資産を逃がしたい。そこで米ドルと連動する香港ドル建ての資産を持とうとする動きが活発化し、香港の不動産が買われるようになるのです」(戸松氏)

そもそも香港の不動産相場は、デベロッパー最大手のサンフンカイプロパティーズが最近分譲した商業ビルの1平方フィート(約0・09平方メートル)当たりの分譲価格が60万円以上(坪単価で2100万円以上)と世界最高クラス。「利上げで資金調達コストが多少上がっても、物件が高く売れるので十分に利益を稼げる構造になっています」(戸松さん)。

足元の配当利回り(今期予想ベース)は4%弱だが、「利回りが5%前後になるまで株価が下がったら、買いのタイミングが訪れそうです」と戸松さんはみる。

もうひとつ、戸松さんが香港の不動産関連銘柄で注目するのは、アジア最大のREIT(上場不動産投資信託)であるリンクリートだ。「香港と中国で174のショッピングモールと駐車場を保有しており、規模だけでなく財務内容でもアジア最良のREITのひとつです。配当利回りが5%前後になったら買いのチャンスです」(戸松さん)

米国株を買わないのは、なぜですか?

米国株は、2016年末に史上最高値を更新。1万9000ドルを超えて、いよいよ2万ドルも視野に入ってきた。そんな強気相場では著名投資家の行動を参考にしよう。

第31回 伝説の投資家のポートフォリオに注目!

米国株は著名投資家のポートフォリオが参考になる

米国には、バフェットをはじめ有名な伝説の投資家が存在しており、今回はその顔ぶれを見てみましょう。

まず日本でバフェットの次に知名度が高いジョージ・ソロスは、投資妙味がある市場や商品の方向性に投資する運用手法を得意としています。ポートフォリオの時価総額は1・9兆円。「もの言う株主」として積極的に株主還元などを求めることで知られるアクティビスト投資家です。

これを上回るのが、1994年、自身の投資ファンドを設立したジョン・ポールソン。サブプライムローンの破綻を予測し、地位を築き上げています。

顔ぶれを見ると過去の金融危機を好機に変えた投資家が多く、その代表的な投資家がデービッド・アインホーンです。彼はバフェットを敬愛しており、過去にはバフェットと昼食をともにする権利を約263万ドルで購入したなどのエピソードがあります。

ところで、彼らのポートフォリオを知りたいですよね。実はマネックス証券提供の「iBillionaire」で確認できるので、参考にして予測し、地位を築き上げています。

顔ぶれを見ると過去の金融危機を好機に変えた投資家が多く、その代表的な投資家がデービッド・アインホーンです。彼はバフェットを敬愛しており、過去にはバフェットと昼食をともにする権利を約263万ドルで購入したなどみてください。ポートフォリオをチャートでも表示しており、彼らの過去の運用成績も知ることができますよ。

スパイシ〜・マ〜ケットの歩き方

第58味 インド 突如発表されたインドの高額紙幣廃止。モディ首相のもくろむ真の狙いとは?

現金主義のインド。偽造紙幣や不正蓄財、脱税問題の一掃が目的

2016年11月8日といえば、世界中が注目した米国大統領選挙が行なわれた日でしたが、ちょうど同じ日の夜、インドでは「高額紙幣の五百ルピー札と千ルピー札が明日から使えなくなる」とナレンドラ・モディ首相が発表しました。

今回の廃止が決まった紙幣がインド国内で流通していた量は、全体の80%以上を占めていたため、当然のことながら、翌日以降のインド国内は大混乱となりました。

これまで使っていた紙幣はどうなるかというと、身分証を持って銀行に足を運び、百ルピー札や新紙幣の二千ルピー札に交換するか、もしくは口座を作って預金すれば、保有している廃止紙幣が紙くずになってしまうことはありません。

インド経済は比較的好調が続いていますが、今回の紙幣廃止はブレーキになってしまうリスクを伴います。実際にインド株のSENSEX指数が大きく下落する場面もありました。にもかかわらず、モディ政権が思い切って踏み込んだ狙いは、偽造紙幣や不正蓄財、脱税などの問題を一掃することです。

インドは極度に現金主義が根強い国で、現金決済比率は約78%といわれています。先進国の現金決済比率はだいたい20%ぐらいなので、その数字の大きさがうかがえます。現金主義が根強いとタンス預金が増える、つまり銀行を経由しないお金が多くなり、国がマネーの流れを把握しづらくなります。国の目が行き届かない通貨が増えると、先ほど挙げたような問題が深刻になっていくというわけです。

今回の紙幣廃止の重要なポイントは「お金を銀行経由にさせる」ことです。不正な資金を持つ人は、そのお金を表に出すことができないので、身分証持参で銀行へ行くことはできません。また、紙くずになってしまいかねないタンス預金は、銀行預金に代わります。そして、マネーの流れを国が把握できることで、税収アップも見込めます。ちなみに、インドで所得税をきちんと納税している人は全体の3%程度といわれています。

さらに、銀行にお金が集まることで、クレジットカードなど現金以外の決済手段の普及も期待できます。インドのクレジットカード保有率は約2%です。

モディ首相は今回の紙幣廃止について、「私とともに50日間耐えてほしい」と国民に理解を求めました。まだ混乱は続いていますが、長い目で見ればメリットの大きい政策になるのかもしれません。