ネットマネー 2017年3月号より一部を特別公開!

人民元安を嫌気。香港不動産市場に中国マネーが流入中

   米国のトランプ新大統領の経済政策への期待から、世界中の株式相場は軒並み大きく上昇。だが、その波に乗れずに低迷しているのが香港株だ。

 香港株の主要インデックスであるハンセン指数は2016年9月の2万4000ポイント台をピークに下降トレンドとなり、トランプ氏が当選した米国大統領選挙後も下げ止まらず、昨年12月には2万1000ポイント台と3カ月で10%以上も下落した。

「香港株が振るわないのは、トランプ効果で金利が上昇しているからです。香港ドルは米ドルと為替相場を連動させるペッグ制なので、金融政策も米国に同調せざるをえません。つまり米国の金利が上がれば香港の金利も上がるのですが、その結果、香港経済のスローダウンが意識され、株式市場では不動産株が下がってしまっているのです」と語るのは、〝新興国投資のカリスマ〞としておなじみの戸松信博さん。

 当然、香港の不動産株は相場以上に大きく下げている。だが、「売られすぎたところが買いのチャンスという株式投資のセオリーからいえば、香港の不動産株は絶好の買い時です」(戸松さん)。

 今でこそ下げ止まらない状況が続いているが、「必ず反転するタイミングが訪れます」と戸松さんはみる。その支えとなるのは、中国本土からの資金流入だという。

「トランプ効果によるドル高の影響で、人民元安が進行しています。中国の投資家にとって元安は資産の目減りを招くので、海外に資産を逃がしたい。そこで米ドルと連動する香港ドル建ての資産を持とうとする動きが活発化し、香港の不動産が買われるようになるのです」(戸松氏)

 そもそも香港の不動産相場は、デベロッパー最大手のサンフンカイプロパティーズが最近分譲した商業ビルの1平方フィート(約0・09平方メートル)当たりの分譲価格が60万円以上(坪単価で2100万円以上)と世界最高クラス。「利上げで資金調達コストが多少上がっても、物件が高く売れるので十分に利益を稼げる構造になっています」(戸松さん)。

 足元の配当利回り(今期予想ベース)は4%弱だが、「利回りが5%前後になるまで株価が下がったら、買いのタイミングが訪れそうです」と戸松さんはみる。

 もうひとつ、戸松さんが香港の不動産関連銘柄で注目するのは、アジア最大のREIT(上場不動産投資信託)であるリンクリートだ。「香港と中国で174のショッピングモールと駐車場を保有しており、規模だけでなく財務内容でもアジア最良のREITのひとつです。配当利回りが5%前後になったら買いのチャンスです」(戸松さん)