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今月の注目点 毎月分配型は高利回り資産に投資するタイプが人気に

投資信託は投資先や基準価額、純資産総額、騰落率など、項目が多数存在する。
そこでこのページでは多数ある投信の中から旬なテーマを選択してランキング形式で紹介していく。
今月は毎月分配型ファンドなどの最新事情を探ってみよう。

教えてくれたのは、楽天証券経済研究所 ファンドアナリスト 篠田尚子さん
慶應義塾大学法学部卒業。国内銀行、リッパー・ジャパンを経て、2013年11月より現職。情報収集力と分析力は天下一品。

利益確定売りに押されるものの資金流入はプラスに

2016年12月の株式市場は、トランプ次期大統領への政策期待のほか、石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国が原油の減産で合意し原油価格が急上昇したことで続伸しました。

為替市場において円安が進行したことも株価を押し上げ、国内の投資信託市場では利益確定とみられる解約が加速したのが特徴です。

こうした中、毎月決算を行なう毎月分配型投信について、12月の月間純流入合計額が大きかった順に並べてみたところ、Jリート(不動産投資信託)を中心に、高配当株式や新興国株式など、高利回り資産に投資するタイプが上位に名を連ねていることがわかりました。

リートは昨年秋ごろまで米国をはじめ海外型に人気が集中していましたが、分配金の引き下げが相次ぎ、さらに米国リート市場で足踏み状態が続いたことも重なり、海外型に代わって国内型(Jリート)に人気がシフトしています。

また、8位には米国のBDCを主要投資対象とする珍しいファンドがランクインしました。BDCとは中堅企業や新興企業等の事業開発を支援する投資会社のことで、当ファンドは米国の取引所に上場するBDC30銘柄程度に「特化型」の運用を行ないます。

ハイリターンを狙って集中投資する銘柄をあえて選択

特化型の運用とは、特定の銘柄のウェイトをあえて高く保つ運用手法です。具体的には投資対象に、寄与度が10%を超える、または超える可能性が高い「支配的な銘柄」を組み入れたファンドで、投資信託協会の規則によって定められています。

こうしたファンドは、特定の銘柄への投資が集中する可能性があり、その銘柄が経営破綻や財務状況の悪化などに見舞われた場合、大きな損失が発生することがあります。

特化型運用のファンドは、交付目論見書の表紙に特化型運用を行なう旨が表記されていますので、確認してみましょう。

中小型株ファンドの首位は100億円以上も資金が流入

一方、年初から4年ぶりに日経平均が300円以上も上がり、上々のスタートとなりました。国内の中小型・新興市場株式に投資する投資信託はどうでしょうか。

国内の中小型・新興市場株式の中で、昨年12月の月間純流入合計額が大きかった順に並べてみたところ、12月9日に新たに設定された「日本厳選中小型株ファンド」が首位につけました。

このファンドは、中小型株から大型株へと成長する企業の成長サイクルに着目し、今後の高い利益成長が見込まれる中小型銘柄に投資します。

一般的に中小型株とは、時価総額が比較的小さな銘柄を指します。この時価総額の定義は調査機関や運用会社によって異なりますが、国際的には1兆円未満を指すことが多いようです。

また、中小型株は発行済み株式数が少なく流動性が低いため、信託金限度額が数百億円程度と、一般的な大型株に投資する投資信託と比べ小さく設定されているという特徴があります。

このように、中小型・新興市場株式を組み入れたファンドは、東証1部上場銘柄が中心の大型株ファンドと比べて運用上の制約が多いうえ、入念な銘柄選定を必要とされるため、すべての運用会社が積極的に展開しているわけではありません。

別の言い方をすれば、中小型・新興市場株式の運用を得意とする運用会社は限られています。ファンドマネージャーもしかりで、入念なかじ取りが必要とされる運用は機動的に銘柄を入れ替えることも多く、投資家も日々の値動きには注意する必要があります。

データはすべて2016年12月末現在。ETF(上場投資信託)とDC(確定拠出年金)・SMA(投資一任勘定)口座専用ファンド、またデリバティブ(金融派生商品)型を除く。販売手数料、信託報酬は税込み。データ提供:ISIDフェアネス、QUICKのデータをもとに楽天証券経済研究所が作成。

投信耳寄り情報

国内最大残高の投信が流出額ではトップ

国内の追加型株式投信を12月の資金純流出額が大きかった順に並べてみたところ、海外リートに投資する毎月分配型のほか、日経平均株価に連動した投資成果を目指すインデックスファンドが上位を独占しました。

海外リート型は、国内投信で最大の残高を誇る「フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)」が昨年11月の決算で分配金を100円から70円に引き下げ、以降は資金流出が加速しました。なお、2位の「新光 USREITオープン」も、今年1月の決算で分配金を75円から50円に引き下げています。日経225連動型のインデックスファンドは、日経平均株価が短期間で急上昇したことで利益確定の解約が増えました。

※104~106ページのデータはすべて2016年12月末現在。ETF(上場投資信託)とDC(確定拠出年金)・SMA(投資一任勘定)口座専用ファンド、またデリバティブ(金融派生商品)型を除く。販売手数料、信託報酬は税込み。データ提供:ISIDフェアネス、QUICKのデータをもとに楽天証券経済研究所が作成。