ネットマネー 2017年4月号より一部を特別公開!

トランプ大統領誕生によって、波乱の予感がする世界の株式相場。清水は1億円を目指すため、今月はどう考え、どう行動したのか。

シンガポールで考えたこと..

1月半ばにシンガポールに住む、大学時代の同級生で親友とも言うべき2人の友人に会いに行った。

そのうちの一人がフェイスブックに勤めているので、オフィスに遊びに行ったのだが、そこは日本企業では考えられない別世界だった。

社内のあちこちにお菓子やジュースが置いてあって取り放題。レストランやコーヒースタンドなんかもあって全部タダ。しかもゲームセンターにあるようなゲームやマージャン卓が置いてあった。働く人たちはみんな楽しそうで、生き生きとして見えた。

近年、格差が問題になっているが、老後におびえる自分と、日本から飛び出しグローバル企業で働く親友とのあまりの差に、「同じ大学、同じ学部、同じクラス、同じサークルで、どうしてこうも現在の立ち位置が違うのか」と、シンガポールで思いもよらず「人生とは残酷なものだ」と思い知らされたのだった。

でも、それを悩んでも始まらない。親友は海外で頑張っている。その親友に刺激をもらったので、前向きに「俺も頑張るぞ!この企画でお金をもっと増やそう!」と改めて思った次第だ(それにしても右の写真で「頑張るぞ!」と言っている自分が間抜けに思えてくるが......)。

米国に住んでいる妻の友人の反応

2017年に入り、株価を動かす最大の要因として世界中から注目されているのは、熱狂的なファンがいる一方 で、忌み嫌う人も多いトランプ大統領だろう。

ボクの妻にはニューヨークに長く住む友人がいる。政治や経済にまるで興味がない妻は、年末年始に一時帰国した友人に対し、「子供のころのトランプの写真を見ると、悪ガキそうでかわいいよね」と言ったそうだ。

すると、普段はとても温厚な友人が、苦虫をかみつぶしたような顔をして、トランプ氏への不快感を示したという。「すべてのイスラム教徒の米国入国を拒否すべきだ」「移民なんかくそ食らえ」など、暴言、失言を繰り返してきたトランプ大統領。米国に住む外国人である妻の友人には、日本で暮らす自分たちにはわからない、切実な思いがあるのだろう。

それまでトランプ氏のニュースを見るたびに「トランプって、ハチャメチャでおもしろい」と言っていた妻も、その友人の反応を見てから、「トランプはやばいのでは」と思うようになったそうだから、反トランプ派の人たちは、日本でテレビを見るだけのボクたちの想像を超える、かなりの怒りや不満、不安を抱えているにちがいないと思った。

一方、大統領選挙でトランプ氏の当選後、日経平均株価は、ほぼ一本調子で上昇を続けてきた。しかし、1月5日の1万9615円を頂点に伸び悩み、1月20日時点では、1万9000円を挟んだ動きになっている。この原稿を書いているのは、トランプ大統領の就任演説が行なわれた直後の日曜日だが、米国はもとより世界各地で反トランプ派の人たちがデモを行なうなど、異例の事態になっている。

トランプ氏の大統領当選以降、政治的要因で株価が大きく動いているような気はするが、この先もトランプ大統領が打ち出す政策や発言に世界中が右往左往するのだろう。

だいたい、専門家の意見を聞いても、トランプ大統領の政策で株価は下がるという人がいれば、上がるという人もいて、意見は分かれている。ボクはどっちに転ぶかまだ判断できない。こういうときは下手な予測をしないほうが無難だと思っている。

年末から年始にかけて持ち株を徐々に売却

であれば、今後、トランプ大統領の暴言や失言で株価が奈落の底に突き落とされても大丈夫なように、ある程度、状況が見えるようになるまで現金比率を高くする保守的な考えのほうがいいと考えた。大統領就任を機に、株価が上昇したら、そこから買えばいい。そこで年末から徐々に含み益が出ている持ち株の利益を確定させていった。

12月27日 SJI 1000株売却

取得単価74円で2000株持っていたSJIを78円で1000株売却。源泉税を差し引くと、その儲けは、わずか3188円。ショボい利益だけど、ヨシとしよう。

12月28日 SJI 1000株売却

前日に続き83円で1000株売却。税金を引くと7172円の利益。前日分と合わせて約1万円の利益が出た。投資額14万8000円、投資期間1カ月ほどで約1万円の利益だから悪くない(と自分を納得させた)。

わざわざ2回に分けて売却したのは、1日の約定代金合計が10万円以下なら松井証券の手数料が0円になるという理由から。大富豪のトランプ大統領には「セコい東洋人!」とバカにされそうだが、それでもこんな地道な節約をしていこうと思っている。

12月29日 インベスコ・オフィス 1口売却

この日は、8万2715円で買ったインベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人を約15%上昇した9万5000 円で1口売却。税引き後の利益は9790円になった。

こうして、3日間で約2万円を利益確定した。

1月16日 鳥貴族 100株売却

年が明けてからは、平均取得単価2408円で200株持っていた鳥貴族を2655円で100株売却。2万4376円の利益になった。

こうして大統領就任後の「もしかして株価が大きく下がるかも」という不安を和らげるために利益を確定して、現金比率を高くした。

年末年始にどんな株を買えばいいのか調べたりもしたが、いかんせんトランプ大統領就任後に何かの潮目が変わ りそうな気がして仕方がなかった。だからといって、何がどう変わるかの予想などできるわけもなく、結局、大統領就任後の相場状況を見ながら、今後の動きを決めようと思っている。

新年早々、編集長から電話がかかってきて「清水くん、大丈夫?」と聞かれ、反射的に「余裕っすよ」と答えてしまった。編集長はこの連載で私財を投じる自分のことを心配をしてくれているのだろう。その電話の最後に、編集長は「奥さんにもよろしく」と言ってくれたのはうれしいのだけど、「編集長、この連載で100万円を使っているの、奥さんには内緒ですからね」。いずれにしろ、欲を出すとロクでもないことになりそうだから、「少しずつでも利益が増えていけばいい」と自分に言い聞かせながら、セコい東洋人として今年も頑張ろうと思う。

今月のまとめ

予想しても外れる と怖い。手堅く保守的な選択をして我慢しながら増やしていこうトランプ大統領の一挙手一投足は、世界中の注目を集めている。これまでは円安傾向だったこともあって、日本の株式相場は上昇を続けてきた。しかし、自分は典型的な日本人なのだろう。上がり続けると、まだまだいけると思うよりも、「そろそろ下がりだしそう」と思ってしまう。日本の株式市場を動かす外国人投資家の動きは、日本人が売っているときに買い、買っているときに売っていることが多いらしいから、外国人投資家の動向を注視してみようかなとも思っている。

この連載を始めて今回で5回目。100万円の元手は約5.6万円ほど増えたけど、減らしていないだけまだマシと考えるのか、もっとアクティブな売買で勝負したほうがいいと考えるべきなのか......。そんなジレンマもあるが、あまり無理をせずに、自分なりの考えに従って今年も地道に頑張ろうと思う。