ネットマネー 2017年4月号より一部を特別公開!

3月期末に向けて配当や株主優待を狙う投資家が増加中。確かに高利回りの配当金や換金性の高い優待は魅力的。ただし、爆上げ投資材料がある株なら一発で資産倍増のチャンスがあることを見逃してはいけない。今月も、ピタッ!!と当たる株ニュースに注目だ。

ピタッ<1> 今月の「ファイト一括っ!」

3月期末の年1回で1年分の配当をまとめて出す銘柄に注目すべき!

ネット証券のスクリーニング機能は便利だ。東証1部・2部から新興市場まで3500以上もある上場銘柄から好みの銘柄を抽出できる。高配当株が欲しければ予想配当利回りの高い順にきちんと並べてくれるが、唯一の不足は年間利回りで計算すること。この時期は9月中間期ですでに利益還元を済ませた銘柄よりも、3月期末に1年分をまとめて一括配当する銘柄を選びたい。

上場企業では9月中間期末と3月期末の年2回に分けて配当するケースが多い。ただ、年1回配当する企業もあれば、ホンダのように四半期ごとに年4回配当する企業もあり、回数は企業の裁量に任されている。配当は前年度の利益還元であるだけでなく、今後の業績予想も反映されている。配当の上積みの背後には、会社の好業績見通しが隠れている。

主要証券系シンクタンクの予想では、2018年3月期は税引き後の1株当たり利益が10%程度増加する見通し。円安による営業利益の改善に加え、持ち合い株など余剰資産の処分による特別利益が配当の原資となる税引き前利益を膨らませる。

自社株買いによる配当対象株数の減少も、1株当たり利益の増加に貢献する。

さらに機関投資家に投資先企業との対話を求める「スチュワードシップ・コード」が浸透したことも配当アップに威力を発揮している。特に今年6月の株主総会からはコードの見直しが予定され、機関投資家が投資先企業の個別議案の賛否を開示することになる。これまで増収増益の達成で満足し、利益還元には冷淡だった経営者も、機関投資家の圧力で株主目線の経営に軸足を移さざるをえなくなってきた。

右の表は、いずれも3月期末の株主に1年分の配当を支払う銘柄。今年は3月28日の大引けまでに買えば配当を受け取る権利が得られる。短期勝負もいいが、翌29日に配当額を超える値下がりに見舞われたら意味がない。高配当株は2月ごろから売り惜しみムードが強まり、ジリジリと上がる傾向があるので、上手に安値を拾って値上がり益と高配当の両方を狙いたい。(植草まさし)

はみだしピタピタ

その1●電気・ガスセクターは来2018年3月期、減益が相次ぎそうだ。原油価格の反転と円安による原料コストの膨張が響くからだが、そこでJ-POWER(9513)に注目。水力発電の比率が大きいほか、火力発電所の一時的な大規模修繕が今3月期で一巡するため、2018年3月期はこのセクターで唯一の増益が見込まれる。時価総額が大きい株のため、機関投資家の巨額マネーが一点集中型でJ-POWERに向かうかも。

ピタッ<2> 今月の「カレー、すしと並ぶ国民食」

有名ラーメンチェーンの一風堂がIPO申請!関連銘柄が株価上昇へ

ラーメンファンならずとも、「一風堂」といえば一度は耳にしたことがあるだろう。その「一風堂」をチェーン展開する力の源ホールディングスが、東京証券取引所の東証マザーズ市場にIPO(新規株式公開)を申請し、この春にも登場してきそうだ。

力の源HDは、福岡県福岡市に本社を置く。「一風堂」を主力に、フードコート業態店舗、居酒屋、ベーカリーショップ、うどん・そば専門店、コンサルティング事業、教育事業などへと事業を多岐に拡大させている。その特徴は「一風堂」の海外展開にあり、10カ国に60店舗以上を出店しているが、今回のIPOはその海外拡大のための戦略のようだ。

カレーやすしなどと並んで「国民食」といわれるだけあって、実は株式市場にも「ラーメン関連株」は多い。ラーメン店主力業態だけでも左上の表の企業があり、またトリドールホールディングス、サガミチェーン、物語コーポレーション、カルラなどが多角化の一環で出店する。ほかに日清食品ホールディングス、東洋水産、マルタイ、和弘食品などカッ プ麺、即席麺にスープまで広げると続々と関連株は出てくる。

意外なところでは、放電加工機大手のソディック。同社は、国内では食品機械で製麺機、ゆで麺装置に注力し、コンビニやスーパーなどへも拡販中だ。しかし、関連銘柄の中心はハイデイ日高だろう。業績が好調で、株価にも安定感があり、外食出世株の代表格でもある。ラーメン経営に限らず外食企業の場合、IPOによる知名度アップ、集客向上の効果が大きい。店舗数が増加することで、業績も拡大する。株主優待で投資家人気も高まり、 それに伴う株主数の増加で1部昇格を短期で達成するケースも。ラーメン関連株に〝一陣の風〞が吹く。(竹中博文)

ピタッ<3> 今月の「有言実行株!」

ヤマハ、海外販売が好調。中期経営計画を連続で前倒し達成へ!

企業の中期経営計画は玉石混交だが、高い目標を掲げて着実に目標をクリアしてきた〝有言実行型〞企業を選びたいものだ。

楽器最大手のヤマハは有言実行型の典型だろう。2016年3月期までの前計画で営業利益300億円の目標を、1年前倒しで達成。2019年3月期までが対象の新計画では、営業利益率12%を目標に設定。本業の楽器販売が海外を中心に好調なため、こちらも1年前倒しとなる2018年3月期で達成する勢いだ。

一方、3位株主として保有する兄弟会社のヤマハ発動機は時価総額8200億円以上。M&A(企業の合併・買収)戦略で規模拡大を急いでいることもあり、本業と無関係なヤマハ発動機株の売却観測がある。株式売却で得た現金は買収か増配に使われ、ヤマハの株価を押し上げるだろう。(伊地知慶介)

はみだしピタピタ

その2●可能性は低いが、不動産業界で流れている上場観測を1つ紹介したい。新日鐵住金(5401)のグループ会社、新日鉄興和不動産である。総資産6000億円超、売上高1000億円超の大会社だが、本業への集中のためには、グループから外したほうが株主の理解を得やすい。8月竣工予定の東京・赤坂の新ビルは首都圏で今年最大規模となる見通しで、同ビルのオープンを機に上場観測が再燃か。

ピタッ<4> 今月の「米国規制の早耳情報」

自動車間でデータをやりとりする事故防止システムに新規制が!

V2V(車車間通信)が、米国で自動運転の実用化より一足先に義務化される見通しになった。これは走行中の自動車間でデータをやりとりし、事故を防止するシステム。

新規制は2023年に米国内のすべての自動車に適用されそうだ。当然、自動車への無線通信機器の搭載が必要になり、米国で販売する台数分だけ機器の需要が発生する。

V2Vは将来のコネクテッドカー(ネット接続車)の基盤技術にもなる。この分野では、日本企業が開発の先頭グループを走っており、デンソーなど関連銘柄の業績拡大が予想される。(森田陽二郎)

ピタッ<5> 今月の「現実買い!」

ソニーが大型有機ELで世界展開を表明。関連株が業績アップ&株価急騰?

昨年末、ソニーが大型機種を中心に有機ELテレビを世界展開することが明らかになった。ソニーは小型の有機ELテレビを発売済みだが、サムスン、LGを追撃する形で、これらにパナソニックも加わることがほぼ決まっている。フラットパネルディスプレーと呼ばれるFPDと半導体向け拡大FPD分野(有機EL第10・5世代大型パネル)における新規需要の拡大は、昨年後半から証券アナリストの間でも複数伝えられており、いよいよこのテーマが現実買いの領域に入ってくることになるのだ。

しかし、アジア勢企業中心の設備投資はすでに動きだしており、関連銘柄の「業績上方修正」や「株主還元」の発表が表面化し始めた。1対2の「株式分割」を発表したマルマエを筆頭に、ローツェ、平田機工、タカトリ、タツモが関連株として注目されている。

ローツェは2016年に「東証2部から1部指定」「2017年2月期業績の上方修正」「増配」を発表し、株価が500円台から2500円の高値へと大変身を遂げた。〝第2のローツェ〞が登場してくる可能性は高まっている。また出光興産や住友化学といった素材・材料などで事業化を進めるFPD・有機EL関連大型株の動向にも関心が向いてくる可能性が高い。(大庭貴明)

はみだしピタピタ

その3●医療用電子機器メーカーの日本光電(6849)は、心臓カテーテル検査装置の売れ行きが絶好調。体に大きくメスを入れないで済むカテーテル(血管内挿管)手術の普及が進んでおり、長期的に売り上げの増加が予想される。野村證券がレポートで、同社の成長戦略を「地味な戦略から導かれる恐るべき結論」と評し、中長期での成長性を高く評価していることも市場関係者の目を引いている。

ピタッ<6> 今月の「親子関係解消!?」

TOBによる買収ではなく子会社株を売却して現金化する流れが加速か

日立製作所が電動工具大手の日立工機株を米国の投資ファンドKKRに売却することを決めた。昨年は日産自動車が子会社であるカルソニックカンセイ株を同じくKKRに譲渡すると発表しており、大手企業がグループ企業株を売却して親子上場を解消するケースが増えそうな流れになってきた。これまで親子上場の解消といえば、親会社が上場子会社にTOBをかけ、最終的に完全買収するケースが多かった。しかし、これは株価が超割安だったから可能な措置。東証1部全体でPBRが1倍以下の低水準であれば、子会社の買収は安くて合理的な買い物だった。

しかし、株価の回復が進んだ現在のような相場環境では話が違ってくる。たとえばPBRが3倍なら、100円の資産価値に300円の値がついていることになる。完全買収するために割高な子会社株式を買い増すより、子会社株式を売却して現金化し、設備投資など次の成長のタネに使うほうが株主の理解を得やすい。

グループ企業株売却が予想されるのは、日立国際電気。親会社である日立製作所の次のグループ再編対象とみられている。不正会計問題で解体の危機にある東芝によるニューフレアテクノロジー株も売却候補銘柄のひとつだ。(木島隆)

ピタッ<7> 今月の「やみつきトレード」

昇格銘柄を予測して先回り買いすることで1〜3割の利益が抜ける!

東証1部昇格銘柄を予測して先回り買いする「出世株トレード」が人気だ。1部昇格決定後、短期的に約1〜3割の急騰を演じる銘柄が頻発しているため、「一度でも当たればやみつきになる」と話す個人投資家が多い。

1部昇格候補として注目されるのは中本パックス。昨年3月に東証2部に上場した新顔だ。これまでの例では東証2部上場から1年経過して1部へ移籍する銘柄が多い。このパターンだと3月ごろ、1部指定のアナウンスが東証からあるかも。

中本パックスの業績は主力の食品包装を中心に上場後も好調に推移し、2017年2月期の予想営業利益の93%を第3四半期までの9カ月間で確保したほど。年明け早々には株主優待制度の新設を発表しており、1部昇格に必要な株主数の増加が目的との見方が強い。(東亮)

ピタッ<8> 今月の「儲かる株探しなら...」

人手不足の深刻化はパートタイムとアルバイトで加速。人件費が急上昇

外食大手のすかいらーくが、約7割の店舗の24時間営業を取りやめる。深刻な人手不足に対応するためだが、人件費が利益を圧迫するよりは賢明だろう。人件費上昇は今、すべての小売企業の業績に影を落としている。政府は正規と非正規の雇用格差是正を掲げており、人件費上昇の流れが断ち切られる気配はない。

労働者不足が深刻なのはパートタイム。結果、全国の最低賃金が昨年は初めて、全都道府県で最低賃金が700円を超えた。

実は、この人手不足という追い風を受け、バイト情報に強い人材サービス会社が創業来最高の業績を享受している。掲載企業数が伸び、単価も上昇。「バイトル」のディップや「フロム・エー」のリクルートHD、直近上場ではキャリアなど対象銘柄数も多い。儲かる株のテーマ探しなら、〝バイト探し〞関連株で決まりだろう。(真行寺知也)

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その4●積水化学工業(4204)は、自動車内の静粛性を保つガラス中間膜の売り上げ好調がグループの業績を押し上げているほか、航空機用座席の生産も右肩上がりで推移。4月には、2018年3月期の業績予想と同時に次の中期経営計画の公表が予想される。内部留保が厚いわりに配当性向は25%前後とやや低いため、新計画には株主への利益還元強化策が盛り込まれそうだ。

株ピタッBLACK

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揺れる東芝問題は経産省がさじを投げ

不正会計問題に揺れる東芝は、収益源の半導体事業を別会社化して売却し、難局を切り抜けようとしている。不正や追加損失が次々と小出しにされ、1兆円損失の観測まで出る始末。経済産業省さえ、さじを投げた格好だ。「東芝はウェスチングハウスをコントロールできていないようだ」と、東芝が原子力事業の成長エンジンとして2006年に買収した米国ウェスチングハウスの減損処理が報じられた後、経産省関係者は指摘した。

東芝主導で損失計上を渋ってきたのではなく、東芝に正確な情報が挙げられていなかった疑念があるというのだ。この指摘が正しければ、これまでの損失隠し事件よりもさらに質が悪い。親会社である東芝が出資だけして子会社の経営に口出しできなかったとすれば、コーポレートガバナンス(企業統治)以前の問題だろう。

電機最大手の日立の救済話も立ち消え..

東芝をめぐっては、日立製作所による救済合併がささやかれた時期もある。しかし、日立関係者は「原子力事業の人材やノウハウは欲しいが、会社全体となると話は別だ」とし、救済買収説を即座に否定した。原発の新設が止まって売り上げ回復の展望が開けない今、電機最大手の日立といえども、東芝を丸ごと抱え込む余裕はないようだ。

一方、東芝の半導体子会社については、中国などアジアの企業が買収に意欲を示している。シャープの再建スポンサー選びの際、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業による救済スキームには、経産省が最後まで難色を示したと伝えられているが、東芝の半導体子会社の 売却先選びも一筋縄ではいかないようだ。

事業についても売却観測が根強い。安全保障や対米関係も絡む分野であるため、半導体事業よりも売却交渉はさらに難航が予想される。

早くも水面下では日銀総裁レース開始

日銀は1月末に2018年度までの国内総生産(GDP)見通しを上方修正した。物価上昇率は2%に届かなくても、GDPを伸ばしたことにマイナス評価は付けようがなく、日銀OBでは中曽氏が優位に立っている。

日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁が来年4月に任期満了を迎える。水面下では、人選が動きだしたようだ。

黒田氏の続投には2つの障壁がある。ひとつは年齢だ。日銀総裁の任期は5年。仮にもう2期目を務め終えるとすると、黒田氏は78歳になっている。さらに物価上昇率2%の政策目標を2018年3月までに達成できそうにないことも、ポスト黒田を狙う立場で見れば格好の攻撃材料になる。

日銀総裁はもともと、財務省(旧・大蔵省)OBと日銀出身者が交互に就任するポストだったが、黒田氏の前任の白川方明(まさあき)氏も日銀生え抜きだった。黒田氏引退を前提にすれば、後任はともに日銀プロパーの中曽宏副総裁か雨宮正佳理事に絞られる。

黒田氏の功績を首相官邸サイドが高く評価すれば、中曽副総裁が半自動的に昇格。否定的な評価なら雨宮氏の出番になる。

下馬評では、米国コロンビア大学の伊藤隆敏教授が有力視されるほか、他の経済学者も与党筋に売り込みをかけているという。ただ、肝心の官邸サイドでは、報道各社の取材に対して「今はその時期ではない」と、冷たい応対が繰り返されているという。安倍首相ら政 権中枢部の判断が固まっていない可能性がある。

日銀総裁人事は毎回、決着までに迷走が続くものだ。今年末にかけて、〝黒田降ろし〞の圧力が強まれば、円売り・株売り・日本国債売りのトリプル安を招きかねない。

はみだしピタピタ

その5●REIT(不動産投信)は、賃貸物件数や入居率の推移から利益の変動や分配金を予想できる。大江戸温泉リート投資法人(3472)は今年5〜11月期に賃料収入が大幅に増加するため、分配金も倍増に近い大幅アップが見込まれ、単純計算で6%前後の分配金利回りになる可能性がある。買値をいかに低く抑えて投資するかが分配金利回りに大きく効いてくるため、指値で買いを入れて底値拾いのチャンスを待ちたい。