ネットマネー 2017年4月号より一部を特別公開!

2017年の幕開けとなる1月序盤の外国株相場は、米国のダウ平均が伸び悩む一方、ブラジル株、東南アジア株は好調なスタートを切った。今年上がるのはどの国の株か?今月も外国株のホットな情報をお届けします!

NYダウ、2万ドル突破。資源相場の底入れでブラジル株が高い

1月の外国株相場は、トランプ新政権の経済対策の行方が不透明であることから序盤は米国株が伸び悩む一方、資源価格の底入れ期待からブラジル株が大幅に上伸、資金流入の拡大とともに東南アジア株も軒並み上がるなど、まちまちの展開となった。

米国のNYダウは、トランプ大統領の就任から4営業日目の1月25日に待望の2万ドル台を突破。1月11日に行なわれた当選後初の記者会見、20日の就任演説ではトランプ氏が経済政策に関して具体的に言及しなかったことから売られる局面もあったが、その後、オバマ前大統領が却下した原油パイプラインの建設計画の推進を決めるなど、選挙公約に掲げた政策を次々と実行に移したことが好感され、NYダウを押し上げた。

しかし、月末にトランプ氏が難民・移民の入国を規制する大統領令を出したことが〝冷や水〞となって、NYダウは再び1万9800ドル台に下落。結局、1月の月間騰落率は0・5%にとどまった。

一方、新興国の中で特に相場が好調だったのはブラジル株。ボベスパ指数は年初からの1カ月間で7・4%上昇した。中国が鉄鋼の過剰生産を抑制するとの報道を手がかりに鋼材の先物相場が上昇したことが好感され、鉄鉱石などを生産する資源大手ヴァーレの株価が急伸。これがブラジル株相場全体を押し上げた。

東南アジアでは、フィリピン総合指数が年初からの1カ月間で5・7%上昇し、大台の7000ポイント台を回復したほか、シンガポールのST(ストレーツ・タイムズ)指数も5・8%上昇した。昨年末の〝トランプラリー相場〞以来、リスク選好意識が高まって新興国への資金流入が拡大しているようだ。

香港のハンセン指数も1月の1カ月間で6・2%上昇。中国本土の上海総合指数は1・8%高となった。

トランプ相場の本丸はインフラ投資関連株

NYダウが2万ドル乗せ。足元の米国景気は着実に上向いている

NYダウが2万ドルを突破した。同指数は昨年12月中旬以降、大台を目前に足踏みを続けていたが、トランプ大統領の相次ぐ大統領令発令により政策推進期待が高まったことや、複数の米国主力企業が好決算を発表したことなどが節目突破を後押しした。

米国景気が政策発動前から拡大基調にあることも、投資家に一定の安心感を与えている。堅調な雇用市場が安定した所得につながり、株高による資産効果も期待されるため、底堅い個人消費は継続しそうだ。また、ISM製造業景況感指数やNFIB中小企業楽観指数など企業の景況感の持ち直しも鮮明だ。企業サイドで米国経済の先行きに対する楽観が広がっている証左だとすれば、今後の企業による設備投資拡大の可能性も高まる。

目先は10〜12月期の企業決算が一巡し、入国制限令や保護主義的な通商政策などトランプ大統領の掲げる政策のリスク面にも目が向きやすくなるため、相場の不安定化に注意したい。米国景気が堅調なだけに、FRBがタカ派発言を強める可能性もありそうだ。

もっとも、トランプ大統領は就任直後から100日間のハネムーン期間に巨額減税を柱とする経済再生策を断行する構えでいる。米国株の先行きは米国大統領の政治運営手腕がカギを握っているが、大統領権限のみで実行に移せる政策は限られる。法案化のためには議会との調整が必要なものが多いため、今後いかに早期に議会と協力体制を築けるかがポイントだろう。

就任後100日間で法案化を目指す減税などの政策に進展が見られれば、再度、市場がトランプ政権の政策期待を高める局面が訪れそうだ。なお、トランプ大統領は2月28日に議会で施政方針演説を行なう予定で、政策優先順位を見極めるうえで注目される。

こうした中、大統領と下院議長が早期のインフラ投資加速に前向きな姿勢を示したことからインフラ関連株に注目したい。1つ目が建機レンタル大手のユナイテッド・レンタルズ。北米レンタル建機市場シェア1位となるため、米国内のインフラ投資の拡大による需要増加の恩恵を受けやすそうだ。また、米国内売上高比率が約9割と高いため、 中長期的にドル高基調に向かいつつある中でも為替の悪影響を受けづらい企業である。

2つ目が鉄鋼メーカー大手のニューコア。トランプ大統領は就任後まもなく大統領令にて原油パイプライン建設推進を指示したが、その際に自国の鉄鋼製品の使用を要請しており需要増への期待がかかる。また、中国に対して高い関税をかけると牽制することにより、不当に廉価な鉄鋼製品の価格が少しでも是正されれば、それも米国鉄鋼メーカーにとっては追い風だ。

米国株を買わないのはなぜですか?

初心者に人気がある米国株は?

コカ・コーラ、アップル、アマゾンなど、日本でも有名な銘柄が上位に

トランプ政権になり、ダウ平均も一時2万ドルを突破するなど、今年は米国株にますます注目が集まりそうです。そして米国株投資を始めたいと考えている投資家にとっては、銘柄探しがまずは必要となります。

そこで、初めて投資される方がどんな銘柄を購入しているかをランキング化してみました。1位は誰もが知っているコカ・コーラ。実は、2016年は軟調でしたが、逆に優良銘柄であるがゆえの買い対象だったと考えられます。

ほかにはアップルやP&G、アマゾンなど、私たちの生活の中でその製品・サービスが提供されている身近な企業が多いようです。

また、注目なのが9位にランクインした唯一のETFである、バンガード・トータル・ワールド・ストックETFです。米国を含む先進国と新興国合わせて約50カ国の大・中・小型株で構成される指数に連動しており、非常に人気があります。

米国株投資を考えている方は、まずはこのトップ10の銘柄からピックアップするのはどうでしょうか。ちなみに表の10銘柄すべてを購入しても、日本株と異なり1株単位からの購入が可能であるため、20万円以下ですよ。

スパイシ〜・マ〜ケットの歩き方

中国 全人代に向けて改革への取り組み姿勢を示す中国。「か李克強指数」ら読み取る経済事情とは?

2016年後半から景気は底堅く推移中。中国経済は底打ちか⁉

今年1月20日、中国国家統計局より同国のGDP(国内総生産)が発表され、2016年の実質GDP成長率は前年比で6・7%増でした。前年(2015年)の同6・9%増からは若干低下したものの、とりあえず政府の目標だった6・5〜7%増は達成しています。

ほかの主要経済指標についても、中国経済の底打ち回復を示すものが昨年の後半から目立つようになり、景気は底堅く推移していたといえます。

とはいえ、中国情勢については根強い警戒感が残っているのも事実です。経済指標への信頼度も決して高くはなく、それゆえ「李克強(りこくきょう)指数」というものに注目が集まります。

この指数は中国国内の①鉄道貨物輸送量、②銀行融資額、③電力消費量の各伸び率の加重平均です。

中国の李克強首相が、遼寧(りょうねい)省の書記時代に「GDPはアテにならないので、3つの動きに注目している」と語ったことが、ネーミングの由来とされています。

さて、下のグラフを見ると、昨年後半から指数が急回復していることがわかります。確かに中国景気は、持ち直していると考えてよさそうです。

ただし、注意したいのはこの指数が少し古い指標という点です。なぜなら、李克強氏が遼寧省の書記だったのは10年近くも前であること、当時の中国経済が製造業や国営企業が中心だったことを考慮する必要があります。

たとえば、2015年の中国におけるGDPの寄与度を見ると、サービス業が48%で製造業の41%を上回っています。逆の見方をすれば、今になって李克強指数が伸びているということは、国営企業への融資が増えている、もしくは過剰生産能力の解消があまり進んでいないのではないか、当局の景気刺激策で中国経済が支えられているのではないか、と考えることもできるわけです。

米国ではトランプ新政権が誕生しましたが、保護主義色の強い政策に対する警戒感が強まっています。これは中国経済が従来型(製造業・国営企業中心)から脱しきれないままだと、米国の政策の影響を受けやすくなってしまうことになるからです。

3月には全人代(全国人民代表大会)が開催され、そこでは2017年のGDP成長率の目標や、経済政策方針が示されますが、中国政府は一層の改革に向けた取り組みをアピールする必要に迫られそうです。