ネットマネー 2017年5月号より一部を特別公開!

3月権利確定の銘柄を駆け込みで仕込むか、それとも少々余裕を持って4月・5月に権利確定の銘柄を選ぶが...? 3~5月に権利確定日を迎える15銘柄から自分自身でこれぞと思うものを探せ!

高値つかみが怖い人へ。3〜5月の相場全体の傾向も念頭に置こう!

この特集の冒頭で触れた話を覆すわけではないが、相場全体が5月ごろまで強含みの展開だったとしても、3月末に権利確定日を迎える銘柄の中には、その直前に株価がピークアウトしてしまうものが出てくる。しかも、さらにその次に待ち構えているのが「権利落ち」だ。そういったケースではどのように対応すべきか、フィスコの田代昌之さんはこうアドバイスする。

「やはり、『権利落ち』の後に株価が下げ止まってきたタイミングで、中間期や来期の配当を目当てに拾うのが無難でしょう。4月は新年度入りで物色の対象が広がりやすく、5月の連休前にかけて上昇しやすい傾向にあります。しかし、その後は17年3月期決算の結果と18年3月期の業績見通しが出そろい、調整色を強めがち。その状況を見極めたうえで、慎重に買いを入れたほうがいいでしょう」

例年、期初の業績見通しは保守的な内容に偏る傾向があるうえ、自動車を中心に外需関連はトランプ大統領の一挙手一投足に神経をとがらせているので、今までにも増して慎重な数字を提示しかねない。 

もしも、そういった見通しを悲観して全体相場が大きく下げたとしたら、高配当株の絶好の仕込み場だ。 

もっとも、株価の大幅な下げに見舞われることもなく、3月配当をゲットした投資家もいるはず。「半年後や1年後なんて、とても待っていられない」という読者のため、田代さんには3月権利確定銘柄のみならず、4〜5月に決算を迎える企業からも注目銘柄を選んでもらった。 

株価上昇により金融株や商社株はもはや高配当にあらず

具体的には、左ページの15銘柄がそれだ。

「高配当株投資における王道的なアプローチで銘柄を選んでいます。3月権利確定組については、配当利回り3%以上、17年3月期が2期連続で5%以上の前期比増益の見通しで、流動性も高い銘柄に照準を定めました」 

これに対し、4月権利確定組は母数自体が少ないこともあって、純粋に配当利回り3%以上の銘柄から厳選。5月権利確定組は配当利回りが3%以上であることに加え、17年5月期における各利益が増益で、なおかつ流動性も高いことを条件とした。 

さて、こうした基準に沿って選ばれた15銘柄を見渡して、意外な顔ぶれだと感じた読者は少なくないだろう「昨年なら、メガバンクをはじめとする金融株が配当利回りランキングの上位を占めていました。ところが、年初からの上昇で今はかなり順位を下げています。また、ちょっと前まで商社株も配当利回りの高さが光っていましたが、こちらも株価上昇に伴って相対的に高配当株としての魅力が低下しています」(田代さん) 

このように、増配や減配がなくても株価の水準次第で配当利回りは少なからず変化する。計算式が「配当÷現在の株価」だから当然のことなのだが、「配当狙いなら、なおさら安く仕込むべき」という鉄則を痛感させる話でもある。くれぐれも、〝高値つかみ〞だけは避けるようにしたい。

かつての高配当株は?

かつて、みずほFGはメガバンクの中でも特に株価の出遅れ傾向が際立ち、その裏返しで配当利回りが高かった。だが、本文中でも触れたように、年初から株価が急騰。それでも3%台半ばの利回りだが、以前はリートをしのぐ水準だったのだ。

“新” 高配当株は不動産、建設関連がランクイン

さて、改めて15銘柄の顔ぶれを見ていこう。3月権利確定組から選ばれた銘柄で目立つのは、ケイアイスター不動産、アグレ都市デザイン、グランディハウスといった不動産関連。そして、中堅ゼネコンの奥村組にプレハブ建築の日成ビルド工業と、建設株も複数選ばれている。 

4月権利確定組からピックアップされたダイサンも足場の設計・施工を手がけており、やはり建設関連だ。もう1つのトーシンは携帯電話の販売代理店を展開しているが、その一方で不動産事業にも手を伸ばす。5月権利確定の組でも、分譲マンションのファーストコーポレーションと中古マンション再生のインテリックスが不動産関連。 

もっとも、5月に権利確定日を迎える他の注目銘柄は工具メーカーのTONE、上場企業のディスクロージャーをサポートする宝印刷、工業用樹脂部品メーカーの三光合成、中古PC販売のパシフィックネットと、バラエティー豊かな面々。多方面への分散投資という観点でも、まさにもってこいのラインアップだ。

為替動向が読めないため内需系で高配当を得つつ、外需系で値上がり益も!?

「本来、日米金利差の拡大という経済条件に沿った流れはドル高・円安のはずですが、トランプ大統領の発言もあって日銀は政策的に行き詰まっていますし、為替相場の先行きは不透明。そうなると、どうしても内需系の高配当株に目を向けるのが自然でしょう」(田代さん) 

その意味では、作戦を2つに分けるのも一考だろう。内需系を長期保有しつつ、為替が円安に振れそうな局面が訪れたら、外需関連でキャピタルゲイン(値上がり益)を狙うという筋書きだ。着実に配当を享受していれば、急変にも冷静に対処できるはず!