ネットマネー 2017年5月号より一部を特別公開!

ずっと買いたかった銘柄の株価が下がって絶好の買い場が訪れた。そこで清水は、数カ月追ってきた銘柄を買えたのか?

文●清水友樹 写真●村越将浩

みすみす逃したANA株買いのチャンス

ボクは弱虫だ。この連載で数号前に「株主優待が欲しいので、ANAホールディングス(以下、ANA)を買いたい」と書いたように、以来、ANAの株を継続的にウオッチしていた。しかし、ウオッチし始めてから、株価はどんどん上昇し、結局、買うタイミングをつかめぬまま時間は過ぎた。

ところが、2月16日に1株330円ほどだったANAの株価は、突如305円まで約7%も急落した。「なんで?」 そう思って調べると、こんな発表をしていた。

「重要な経営課題について本日午後3時より会見」ちょうど東芝の異例となる決算発表先送りが大きな話題になっていたこともあり、この思わせぶりな発表は投資家を疑心暗鬼にさせた。「重要な経営課題」といわれて、多くの人は「東芝のような悪い材料の可能性もある」と思ってしまったんだろう。ボクもそう思ったが、チャンスと思いつつ、買えなかった。

ところが、そのアナウンスで株価が大きく下落したので、ANAも慌てて対応したのだろう。間もなく、「重要な経営課題」は「ただの社長交代」という報道が流れた。そのニュースをネットで見たとき、株価は下落したまま戻っていなかったが、そこでも買えなかった。

すると、ほどなくして株価は急速に値を戻してしまった。株価が下がったら買おうとウオッチしてきたのに買えなかった……。

弱虫である。こんな自分が少し情けなかったが、さらに情けないのは同じく株価をウオッチしてきた楽天を、まるでANAが買えなかった腹いせのように、なんとなく200株買ってしまったことだ。

結果オーライになれば、おそらくこの後悔を忘れてしまうだろうが、もしこの後に悪い結果となれば、「ボクはバカだ。なぜあのときANAが買えなかったからって、楽天を買ったんだ」と自分を責めることになるのだろう。

暑いバンコクで北朝鮮レストランへ

ところで、この原稿はタイの首都・バンコクで書いている。先月はシンガポール、今月はタイと、まるで世界中を飛び回るビジネスマンみたいだが、別にそんなことはない。ボクの奥さんが約10日間のタイ出張で、「最後の週末が暇だから、お前も来い」と言われて、その命令に従っただけのことだ。ボクは多少タイ語を話せたりするぐらいのタイ好きだから、行くこと自体はイヤではないのだが、仕事がそこそこ忙しいこともあり、土曜の夕方に成田を出発、翌週火曜日の早朝に帰ってきて、そのまま仕事場へ行くという強行スケジュールである。

株にはまったく関係ないが、金正男氏暗殺で北朝鮮が注目を集めているので、バンコクでは北朝鮮の直営レストランに行ってみた。

日本とは国交がない北朝鮮だが、タイやカンボジア、ベトナム、ラオスなどのアセアン諸国とは国交があり、そうした国の大都市には北朝鮮が直営レストランを出店していたりする。バンコクの北朝鮮レストランもそのひとつだ。日本人が多く住むエリアにあるためか、ボクが行ったときは5組いた客がすべて日本人というありさま。メニューには日本語表記があり、ここで働く美女の中には日本語を話す人もいる。別に宣伝するわけではないが、言葉に自信がなくても困ることはないはずだ。

日本人を拉致したり、日本海に頻繁にミサイルを撃ち込む北朝鮮に個人的には頭にきているが、このレストランで働く北朝鮮の美女たちは、そんなこととは無縁にちがいないと思わずイメージしてしまった。日本人にも友好的で、日本の歌を歌ったり、「踊りましょう」と目を見つめたりしながら、手を取り、こんなボクとも一緒に踊ってくれた。普段は絶対に踊ったりしないが、あの目で見つめられたら、「イヤです」と断わることはできなかった。

ちなみに料理は、特別においしいわけではなく、価格もバンコクにしては高め。ただし、美女たちの歌や踊りなどのパフォーマンス込みの価格と考えれば妥当なのかもしれない。

ここでは最後にちょっとしたオチがあった。会計を済ませて、店を出ようとすると、美女2名がついてきた。お見送りかなと思いつつ、「最後に2ショットを撮ろう」とお願いしようとしたら、スマホを見せろと言う。

もうこの時点では、見つめられると彼女たちの言うことを聞いてしまう状態なので、素直にスマホを見せると、彼女たちが写っていた写真を探し出し、片っ端からすべて削除してしまった。残ったのはレストランの外観と料理の写真だけである。ボクは、こう解釈することにした。「これは日本人を喜ばすための演出にちがいない」と。

楽天は10%下落したら損切りするつもり

ところで日経平均株価は、史上初めて2万ドルを突破して過去最高値を更新したダウ平均株価とは異なり、1万9000円を挟んだ方向感のない動きをしている。

相変わらずトランプ大統領の言動や政策に注目が集まる相場だが、トランプ大統領は台湾の蔡英文総統との電話会談で「一つの中国」の見直しを示唆したかと思えば、中国の習近平国家主席と電話会談した直後に「一つの中国を尊重する」と言ったりする。何事もなかったように前言を撤回するから、何がどうなるかなんて、きっと専門家でも予想は難しいに違いない。

でも、こうしたリスクを怖がって、何も投資行動を起こすことができなければ、リターンにありつけないこともわかっている。ただし、だからといって、ANAの株を買えなかったからと代わりに楽天の株を買うような行動は、慎みたいと思う。

楽天は買ったばかりではあるものの、購入直後からマイナス圏に沈んだ。この連載でこれまでに買った銘柄の中で、最も適当な気分で買った銘柄なので、これで大損でもしたら後悔するだろう。だから、もし株価が10%下落したら、その時点で「損切り」しようと思っている。

弱虫が原因で、なんとなく株を買うのはよく ないと反省したが…。

株式売買は、「自己責任」といわれる。もちろんその通りだと思う。一方で、自己責任であるなら、結果がどうであれ、自分の判断には後悔したくない。少し違うかもしれないが、競馬場で競馬予想師の意見通りに馬券を買った結果、その予想が的中してお金が増えても、納得感は少ないだろうし、あまりおもしろくない。

株だって同じだと思う。誰かの意見をただうのみにして買うのではなく、自分で調べて考えて、投資する銘柄を決めて投資する。そのほうが仮に損をしても「自己責任」 と、納得できると思う。毎月の資産が増えないいら立ちはあるけれど、今月買った楽天のように、自分でイマイチ納得できない買い方はしないと反省した。

ところが、その楽天の株価が2月22日に突如急騰。資産状況(下の表)もプラスに。この経緯は次号でご報告します!