ネットマネー 2017年5月号より一部を特別公開!

【5月号】
生保などの機関投資家が投資先企業に対して株主への責任や利益還元等を果たしているかを監視するための指針「スチュワードシップ・コード」が4月からさらに厳しくなる予定。企業が内部留保を株主に還元するなら急騰銘柄がワンサカ?今月もピタッ!!と当たる株ニュースに注目だ。

イラスト●ナンシー小関
チャート協力●楽天証券

ピタッ1 今月の「企業の〝体温〞チェック」

経営者が先行きに強気かどうかは〝肉声〞でわかる。
今、買うべき銘柄とは?

決算短信や有価証券報告書は、投資家にとって情報の宝庫だ。しかし、資料では読み解けない企業の〝体温〞は、経営者の言葉から感じ取れることが多い。どのアナリストよりも当該企業を熟知しているのが経営者であり、彼らの肉声を投資に活用しない手はない。

パナソニックが2月2日、2017年3月期の業績予想を上方修正した。理由は想定為替レートを1ドル=103円から108円に見直したためで、河井英明専務は「それ以外の要素はない」と述べた。主力商品の売れ行き好調でも、合理化効果の発現でもなく、外部環境が好転したことが上方修正の理由というわけだ。

スズキは先の決算発表と同時に2017年3月期の想定為替レートを円安に再設定したが、通期予想は据え置いた。意地悪く解釈すれば、為替が円高に戻れば一転して下方修正するリスクがあるとも受け止められる。少々心もとなく聞こえるかもしれないが、見通しを実直に語っており、投資家にとって役立つ情報発信といえるだろう。

一方、SBIホールディングスはバイオ事業の黒字化が経営課題だと難点を認めた。そのうえで「2017年も内外の重要イベントが多く、SBIはボラティリティー(相場変動)に反応してけっこう利益が出るため、業績としては楽観している」(森田俊平取締役)と、余裕を見せた。

大和ハウス工業は2017年3月期の業績予想を据え置いたが、それでも売上高や経常利益などは過去最高を更新する見通しである。2019年3月期までの中期経営計画に掲げた目標は、実現へと順調に推移しているというから心強い。

コクヨも2017年12月期は増収増益を予想。業績が好調に推移しているうえ、中期経営計画の目標売上高・営業利益を引き上げたので、投資家の期待を集めた。

決算期変更のあった資生堂は実質的に営業減益。しかし、決算に対するアナリストの評価はおおむね好意的だった。魚谷雅彦社長は「稼ぐ力は着実についてきている」と述べたが、2017年12月期の業績予想は達成なるか?(植草まさし)

はみだしピタピタ その1
ヤマトホールディングス(9064)の2016年4〜12月期業績は、営業利益が前年同期比6・5%減の580億円。荷物の取扱個数は順調に増えているが、人件費や外注コストの増加が利益を削ってしまった。今後も荷物の増加傾向が予想される一方、ドライバー不足は解消のメドが立たない。3月7日、「27年ぶりの基本運賃値上げを9月末までに」との報道も。

ピタッ2 今月の「TPPは絶望的でも…

農水省が本腰を入れる水田を畑に変えていく事業の有望株がキラリ!

トランプ大統領の登場によって推進がほぼ絶望的となったTPP(環太平洋経済連携協定)。しかし、日本の農業の近代化は避けられない課題として存在している。

これまで2017年度本予算の審議が推進されてきたが、その本予算概算要求を見れば、各省庁の〝力の入れ具合〞が見えてくる。農業の場合はもちろん農林水産省。農水省の2016年度概算要求額は総額2兆3019億円であったのに対し、2017年度は総額2兆6350億円と3000億円以上も増額された。その中の増額で最も注目されたのが「水田の畑地化・汎用化の推進」事業。この事業は2016年度の予算項目にはなかった、いわばゼロ。それが2017年度から1210億円が予算化されている。

農業経営は、少子高齢化によるコメ需要の減少とそれに伴う米価の低迷で、コメ中心から野菜・果物といった高付加価値作物への転換が必要とされている。農水省はこの施策を推進するために、区画整備済みの水田の畑地化・汎用化整備と併せて高収益作物の導入、農業定着支援を行ない、事業転換を推進したいようだ。

すでに、農機大手のクボタは2009年から「大豆300Aプロジェクト」として、排水対策や雑草対策といった一連の大豆栽培技術の推進を行ない、日本農業を支援。特にクボタの持つ水田転換畑における排水性の確保技術は高く評価がされている。また、この施策は米作用農機にとってはマイナスだが、トラクターや農業にITを導入するきっかけともなりうる。ビニールハウスでの栽培温度管理などにITを取り入れるといった取り組みも、農家単体ではなく自治体レベルでスタート。今回の「水田の畑地化・汎用化の推進」が新たな需要を喚起する期待が膨らんでいる。(竹中博文)

ピタッ3 今月の「規模の利益!」

売り物が出にくいドラッグストア株が大幅高に進展する可能性が!

ドラッグストア・日用品小売り大手のウエルシアホールディングスは昨年9月にCFSコーポレーションと経営統合したばかり。今2018年2月期にはさっそく統合効果が業績アップとして顕在化してきそうだ。

前期は新規出店を抑制する一方、CFS系店舗の改装などに力を入れ、1店舗当たりの売り上げや利益アップに貢献した。今期は間接部門の合流など経営統合を受けた効率化策が本格化しそうだ。

ドラッグストアはコンビニ同様に、規模の利益が追求しやすい業界といわれる。今後は物流や間接部門のコスト削減が急速に進み、利益率を押し上げるとみられ、業績が着実に向上していく公算が大きい。筆頭株主のイオンが株式の過半数を握る品薄銘柄なので、株価上昇が始まっても売り物は出にくく、大幅高に進展する可能性を秘めている。(伊地知慶介)


株業界の番猫・みけこさんの兜町キャッツアイ

第107回 「ESG指数」の狙い…

虎と猫ほども違うという表現は差が大きすぎて比べものにならないことの例え。実はESG(環境、社会、統治)投資とSRI(社会的責任投資)でも虎と猫くらいの違いが出そうなんだにゃ。

公的年金を扱っているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が3月末ごろに「ESG指数」を選定するって知ってたかにゃ? ESG指数の採用銘柄になると、GPIFマネーが買ってくれるから株価が上がりそう。それに、ESG指数からETF(上場投信)ができれば、日銀の買い入れ対象になるかも?

TOPIX(東証株価指数)やJPX日経400があるのに、わざわざESG指数をつくるのは、不祥事企業の排除が隠れた理由みたい。

時価総額がそこそこ大きくて黒字で配当も続けていたら、会社が不祥事を起こしても経営者が公私混同しても、投資対象から外せにゃい。でも、環境や企業統治を銘柄選定基準にすれば、問題企業はどんなに好業績でも投資対象外。不祥事を繰り返しても居座り続ける経営者への強烈な猫パンチなんだにゃ。SRIは存在感が薄かったけど、EGSは効果がありそう。

全然関係ないけど、猫の模様は性格にも影響してて、虎模様の猫は一番人懐こくて温和なんだって。三毛(みけ)は気分屋さんで、毎日同じエサだと機嫌が悪くなるそうだにゃ。


はみだしピタピタ その2
半導体業界は浮き沈みが激しく、株価も大幅高か大幅安のどちらかに極端に振れやすい。今年は半導体市況の先行指標とされる米国のフィラデルフィア半導体指数が16年半ぶりの高水準に上昇しているので、半導体関連株の大化けに期待できる。ウエハー切断装置のディスコ(6146)、半導体検査装置のレーザーテック(6920)など、日本勢が強い中間工程の銘柄が狙い目。円高になっても受注が逃げにくい経営体質だ。

ピタッ4 今月の「ライバルなし!」

東芝除外ならエプソンが濃厚…
日経平均採用銘柄の入れ替えは8月か

東芝は3月期末を債務超過で迎える公算が大きく、東証2部に移されて日経平均株価から除外される可能性が高い。空席にはセイコーエプソンの採用が最有力視され、ほかにライバルとなる銘柄がない状況だ。

3月期末の債務超過は株主総会による決算承認を経て確定するため、日経平均から除外されるとしたら、昨年の2部に転落したシャープと同様に8月1日付とみられる。ただ、東芝は特設注意市場銘柄指定だ。可能性は小さそうだが、内部管理体制が改善されていないと東証が判断すれば、7月にも上場廃止となるリスクがある。(森田陽二郎)

ピタッ5 今月の「2匹目のドジョウ」

米国の投資運用会社ルネッサンスが買う銘柄は再び上がるケースが続発!

投資の格言に「強いものにつけ」「当たり屋につけ」というものがある。相場はその折々で〝当たり屋〞〝成功者〞が登場するものだ。

昨年来、日々の東証1部の売買代金上位には液晶・有機ELディスプレーの製造・検査装置を手がけるブイ・テクノロジーが安定的に登場している。同社が大型受注したというニュースが出ては株価を刺激するのだ。しかし、同社にはもうひとつ、「需給」という材料が存在する。というのも、昨年来、米国の投資運用会社ルネッサンス・テクノロジーズによる売買が目立っている。2月初頭もルネッサンスによる買い増しが大量保有報告(5%ルール)で判明したばかりだ。ルネッサンスは機動的な運用方針で知られ、昨年6月もブイ・テクノロジーを買い増していた経緯がある。

これまでルネッサンスが手がけた銘柄は、フュートレック、IGポート、イー・ガーディアン、北川精機、スカラ、sMedio、ティアック、ユニチカなど。低位株のティアック、ユニチカはやや性格が異なるが、ほかの銘柄はいずれも材料株相場で人気化した経緯を持つ。

ルネッサンスの特性として一度売ってもタイミングを見て再び買ってくるケースが多いことに注目すれば、〝2匹目のドジョウ〞が見つけられそうだ。(大庭貴明)


そのとき株は動いた!

かわい・たつのり
カブドットコム証券投資ストラテジスト。毎週火曜のネットセミナーが大人気。テレビやラジオにレギュラー多数。大阪国際大学で講師も務める。著書に『株の五輪書』(マガジンハウス)。

村マイクロ・サイエンスは半導体や液晶など製造工程で使用される超純水装置および排水処理設備のメーカーである。主要株主の北興化学工業と積水化学工業、日揮で約23%の持ち株と、半導体業界が主要クライアント。

同社は第3四半期決算時に通期見通しを大幅に上方修正し、超サプライズとなった。具体的には、2017年3月期通期予想に上方修正。売上高を143億円から166億円へ約16%の上方修正、営業利益は4400万円を4億9400万円へ11倍強の上方修正。第3四半期(4~12月)の累計営業利益は1億2400万円と、進捗率は通期予想の約25%にとどまっているが、今期をあと3カ月残すタイミングでの大幅な上方修正は、同社には利益計画の達成に盤石な裏づけがあるとマーケットが理解したと言っていいだろう。

株価は同決算発表までの330円あたりの水準から急伸、ストップ高を交えて、一気に1000円オーバーまで上昇した。ここ数年、同社株は3月から4月に高値を形成するケースが多い。過去の期でも、2017年3月期と同じように第3四半期での上方修正、もしくは新年度の業績見通しの減額を期待しての高値形成であったことが推測される。ただし、2017年3月期はここ数期の戻り高値の限界値である株価400円台後半を一気に上回ってきた。2015年3月期までの3期連続赤字から2016年3月期に黒字転換し、いよいよ2017年3月期から本格的な利益の回復ステージに入ってきた証拠といえるだろう。目標株価は、過去ピークの利益水準と最高値が合致する2007年3月期の業績から割り出した860円。


今月の爆上げ株3連発!

1.すかいらーく(東証1部・3197)
決算発表のタイミングで、株主優待の大幅アップを打ち出した。優待が不要な機関投資家の反応は冷ややかで、直後の株価上昇は限定的。ただ、1単元で従来の3倍になる新優待は6月末の株主から導入される。長期ホールド前提の大量の小口買いが、需給逼迫効果を生むはずだ。

2.レック(東証1部・7874)
22月に通期業績予想の大幅な上方修正と増配、さらに株式分割も発表した。満額回答といえる決算発表に株価は急騰したが、市場では「社長に注目!」との声も上がる。同社社長は、日本電産を一代で築いた永守重信会長のご長男。永守イズムを受け継ぐ貴樹氏が、日本電産型の成長を同社で実現できるかが今後の見ものだろう。

3.昭和電工(東証1部・4004)
3次世代の自動車燃料として期待される水素。この水素の貯蔵・輸送時に、「意外ではあるが、アンモニアが多大な貢献をするらしい」と噂されている。アンモニアでの自動車用水素燃料を世界で初めて成功させた同社が、材料を提供する日も近い!?


はみだしピタピタ その3
トランプ政権は世界的なテロ包囲網の構築を目指している。これに関連して思惑を呼ぶのが防毒マスク大手の興研(7963)。埼玉県内の1万3000坪の敷地に先進技術の拠点を新設する計画だ。日本政府も2020年の東京五輪を前に、テロ対策強化を掲げていることから、高機能品の開発が目的との臆測も流れる。2月に利益予想を上方修正しており、足元の業績も好調に推移している。

ピタッ6 今月の「余剰マネーの使い道」

JR西日本に増配期待…。
長期金利上昇が懸念されるJR東海よりも有望?

JR西日本に配当の積み増し期待が高まっている。リニア中央新幹線の巨額投資が始まったJR東海には手が出せない保守的な投資家層の資金もJR西日本に流入するとみられ、株価上昇が予想される。市場関係者によると、JR西日本が決算発表後に開催したアナリストらを対象とした電話会議では、2017年3月期から2018年3月期にかけてキャッシュに余裕が出た場合、機械的に内部留保に回すのではなく、株主還元に充てる余地が示唆されたという。

今後、広島と島根の両県を結ぶ三江線の廃止に伴う費用などが特別損失として計上されそうだが、一時的な負担にすぎない。本業の収益力は増しており、2018年3月期は各利益が過去最高になりそうだ。

一方、JR東海は時価総額でも利益率でもJR西日本を圧倒するが、投資家には不安が残るようだ。リニア中央新幹線の金利負担である。JR東海はリニア中央新幹線の借り入れに財政投融資を活用し、利率は平均0・7%と低いが、米国発の長期金利の上昇圧力が警戒感を生んでいるようだ。また、米国の車両製造事業からの撤退説もあり、特損計上のリスクも意識される。当面は株主還元強化が見込めるJR西日本に資金が流入しやすいだろう。(木島 隆)

ピタッ7 今月の「ビッグビジネス確実」

IT業界の最大テーマ「5G」で中心銘柄になる
筆頭候補株はアンリツ

IT業界でもっか最大のテーマは「5G」と呼ばれる第5世代通信網だろう。通信速度は現行の10倍にアップし、自動運転やVRなどIT系の大テーマも、この5G規格の普及が前提となっている。

すでに基礎研究のメドがつき、日米欧や中国は2020年の実用化に向けたインフラ整備を急いでいる。1月には中国の通信大手3社が5兆円を投資すると報じられており、世界的なビッグビジネスになることは想像に難くない。

狙い目は通信用計測機器のアンリツ。新技術導入の初期段階で受注が拡大する傾向があるため、中心銘柄として注目される傾向がある。過去の例から、アンリツが動けば、サイバーコムやアルチザネットワークスもツレ高候補。KDDIのIoT(モノのインターネット)の接続実験にも協力し、話題性も豊富だ。 (東 亮)

ピタッ8 今月の「先回り買い?」

株式分割銘柄の直近の実例からこんな傾向と法則が発見できた!

IPO(新規株式公開)後に株価が大きく値上がりした銘柄が、再び買い求めやすくするという理由で株式分割を実施するケースは多い。

昨年上場した銘柄のうち今年に入り「3分割以上」の株式分割を6銘柄が発表。5分割がリネットジャパングループ、4分割がグレイステクノロジーとセラク、3分割がキャリアインデックス、シンシア、アトラエ。その6銘柄中、銘柄は「SBI証券が主幹事」という共通点があるのだ。しかも、昨年12月にSBIが主幹事を務めた4銘柄すべてが分割を発表したのである。

まだ人気があるうちに主幹事主導で分割を促している可能性も。この推測が正しければ、まだ分割が発表されていないSBI主幹事の昨年上場銘柄でエルテスやフィルカンパニーは次なる分割候補だ。3月上場のピーバンドットコムも4月以降に?(真行寺知也)


トップの生セリフ BUY or SELL

米国での金利上昇は「貯蓄から投資」後押し当社には追い風になる。海外目標達成が視野に
2017年1月31日
野村ホールディングス CFO(財務統括責任者)
北村 巧氏

野村ホールディングスの北村巧CFOは決算発表の席上、トランプ政権の経済政策による影響について「米国金利上昇が『貯蓄から投資へ』の流れをサポートして、当社の追い風になる」と述べ、好意的な見解を披露した。海外事業については、目標に据えた税引き前利益500億円の達成が「十分視野に入っている」と自信を示した。法人部門の伸びが業績に貢献しており、次は個人部門が伸びてくる番?

米国原発子会社の買収、正しいとは言いにくい。決算発表の延期は重く責任を感じている
2017年2月14日
東芝 代表取締役社長
綱川智氏

東芝の綱川智社長が記者会見したのは2月14日夕方。同日昼の決算発表予定がずれ込み、「重く責任を感じている」と平身低頭だった。昨年12月末時点で大幅債務超過となり、業績悪化の元凶となった米国原発子会社の買収は「正しいとは言いにくい」と述べ、失敗を認めたが、不正会計の疑いには「調査中」を繰り返し、歯切れが悪かった。


はみだしピタピタ その4
2017年3月期は5社に1社が過去最高益を更新する見通し。連続最高益企業は機関投資家などの買いで割高なことが多く、個人投資家には手が届かないかもしれないが、長い冬の時代を耐えて久しぶりに最高益を更新する企業もあるので見逃せない。代表格は富士紡ホールディングス(3104)。2016年3月期は44期ぶりに経常利益が過去最高を更新する見通しで、最終利益もこれまで最高だった1978年4月期を超えそうだ。

株ピタBLACK

「一運、二金、三度胸」を持つ大人向けR指定ページ。
思惑株、裏ネタなどハイリスクな情報を凝縮した。
兜町をさまよう黒い噂、その真意は…。
株ビギナーと心臓の悪い人は読まないでね!

東電のトップ人事で暗闘が展開中か…

東京電力のトップ人事をめぐって暗闘が展開されているようだ。候補として名前の挙がった日立製作所の川村隆名誉会長の背後には、首相官邸や経団連の力が働いているとみられる。一方、現職の數土(すど)文夫会長は経済産業省の支持が厚く、経済同友会にも近いとみられる。福島第1原発の廃炉問題や電力業界再編などにも大きく影響する案件だけに、日本中枢部の権力闘争の色合いが濃くなってきた。

川村氏の名前が報じられた際、経産省内では「そんな人事はありえない」と否定的な声が相次いだ。

川村氏の出身母体の日立は原発を東電に納入しており、両社の密接な関係を考えれば利益相反の批判をかわすのは難しい。しかし、川村氏は経団連会長就任を断ったともいわれるほどの財界きっての実力者である。しかもトヨタ自動車や新日鐵住金など財界主流派企業からは東電再建を買って出る経営者もいない。東電再建は国家的な大事業だが、川村氏クラスの超大物がほかにいないのが実情だ。

日本航空(JAL)再生を主導した実績のある冨山和彦氏も東電再建の指揮官として名前が挙がる。永田町にも顔が利く人物ではあるが、押しの強さを嫌う官僚も少なからずいる。東電再建の主導権を維持したい経産省にとって、冨山氏は受け入れ難いのだろう。自民党内では、東電再建の透明性向上を求める声が強い。そのためには、東電の息のかからない人物を送り込み、20兆円ともいわれる廃炉費用の負担問題などをオープンに議論したい意向だ。

一方、経産省と東電はこれまで二人三脚で日本の電力供給体制を発展させてきた自負がある。廃炉費用の負担や電気料金の値上げ問題は今後も経産省と東電で対処したいというのが本音だろう。

株式市場では2011年3月の東日本大震災以降、東電株は安定経営銘柄の性格を失い、代わってデイトレードの場として大量の商いを集めている。資金繰りや設備投資、避難住民への賠償などすべてが政府の一存で決まる現状は、株主本位制の考え方に照らしても正常な姿ではない。民主党政権時代のように、東電解体論が出てくることはなくなったが、コーポレートガバナンス(企業統治)の観点からは「社長室が本社と経産省と官邸にある」状態が不自然なことに変わりはない。

伝説の買収王がソレキアにTOB

フリージア・マクロスなど多数の企業を率いる佐々木ベジ氏がジャスダック上場のソレキアにTOB(株式公開買い付け)を宣言した。TOBをかけられた企業側は株主に対して経営陣としての賛否を表明するのが通例だが、ソレキア側はTOBに対する意見表明を「留保」するとした。

佐々木ベジ氏は家電安売り店を振り出しに、35歳の若さで上場企業の社長になった伝説の人物。名経営者としての評価が高い一方、メディアの露出が少ないためか、〝乗っ取り屋〞であるかのような否定的な報道もある。

ソレキア側がTOBに賛同を示さなかったのは、事前通告がなかったためとみられる。ソレキアが佐々木氏側に送付した質問状では、

「何ら事前の通知・連絡もなく、当社との協議もないまま突然公表され、一方的に開始されました」と不信感を募らせている。また、佐々木氏が取締役や監査役の立場で経営に関与している全企業の名称や所在地、事業内容、経営に関与するまでの経緯などを説明することも要求している。ソレキア側の態度からは、友好的なTOBとは程遠いことがうかがえる。佐々木氏側がTOB価格引き上げも辞さずに経営権取得に動く可能性も否定できず、ソレキア株が理屈で説明のつかない動きを見せる場面がありそうだ。


若林史江の10万円株爆上げカウントダウン♪

米国のように過去最高値更新とはいかず、日経平均株価を見ていると、もどかしい展開。ただ、下値への安心感からか個別銘柄がすこぶる好調に動いており、個人投資家は元気そのものといった感じです。私は昨年からDMMオンラインサロンで「若林史江とhinaの投資サロン やっぱり株が好き♪」を主宰しています。普段、ツイッターなどのSNS(交流サイト)では銘柄の言及は避けていますが、サロン内では個別銘柄の話もバンバン扱っています。会員さん同士の交流も魅力のひとつで、定期的にオフ会も開催していますので、ぜひ一度、遊びに来て下さい♪ さて、個別株ですが……。

●アンジェス MG(4563)主力事業である遺伝子治療薬、核酸医薬、DNAワクチンに経営資源を集中させると発表。新薬の申請・承認獲得を目指すものもいくつか控えており、今後の業績飛躍に期待できそうです。

●メガネスーパー(3318)VR参入など目新しい材料による業績回復から株価が急上昇しましたが一服中。花粉症メガネの売り上げ拡大が期待される中、100株で30%引きの株主優待券も魅力のひとつです。

●イマジカ・ロボット・ホールディングス(6879)映像制作を軸に企画・放送・人材サービスなどを手がけ、業績は回復基調で上方修正しました。株価は、教科書にあるような上昇トレンド。

わかばやし・ふみえ
株式アドバイザー、徳山大学経済学部特任講師。10代から培ってきた株の相場観を生かし、“爆上げ候補"の低位株を紹介していきます!


はみだしピタピタ その5
今年就任8年目を迎える伊藤忠商事(8001)の岡藤正広社長が、2018年3月期を花道に引退するとの見方が財界関係者の間で浮上している。岡藤社長は非資源部門の強化を進め、原油安に苦しむ他社を横目に 商社トップに躍り出たほど。岡藤社長が手がけた案件で唯一、結果が不明瞭なのは中国CITICとの協業といわれ、2018年3月期からはCITIC出資分の回収が本格化するとの観測が出ている。