ネットマネー 2017年5月号より一部を特別公開!

今月の注目点 10年以上のベテラン日本株投信はシンプルなインデックス型が人気

投資信託は投資先や基準価額、純資産総額、騰落率など、項目が多数存在する。
そこでこのページでは多数ある投信の中から旬なテーマを選択してランキング形式で紹介していく。
今月はベテランのファンドなどの最新事情を探ってみよう。

教えてくれたのは、楽天証券経済研究所 ファンドアナリスト 篠田尚子さん
慶應義塾大学法学部卒業。国内銀行、リッパー・ジャパンを経て、2013年11月より現職。情報収集力と分析力は天下一品。

ベテラン投信はインデックス型が上位にランクイン

2017年2月の世界の株式市場は、米国を中心に上昇した地域が目立ちました。トランプ大統領が掲げるインフラ投資の拡大や、減税を含む経済政策への期待感に加え、小売り企業の決算が概ね好調でした。それをふまえて、米国の主要3指数(NYダウ、ナスダック総合指数、S&P総合500種)はいずれも連日の過去最高値を更新。NYダウは一時、2万1000ドルを超えてきました。

一方、日本の国内株式市場は様子見ムードが続き、方向感に乏しい展開となりました。

さて、こうした中、10年以上の運用実績を誇るベテランの国内株式型はどのようなものに人気が集まっているのでしょうか。

2月の月間純流入合計額が大きかった順に並べてみたところ、日経平均株価(日経225)に連動する投資成果を目指すインデックス型が計3本、東証株価指数(TOPIX)のインデックス型が1本、残り6本をアクティブ型が占めました。

インデックス型では昨今、インターネット販売チャンネル向けに低コスト(信託報酬)のファンドを投入する運用会社が増えていますが、10年以上の運用実績を誇るファンドで絞り込むと、良くも悪くも「昔ながら」のファンドが目立ちます。

信託報酬率の値だけを見ると小数点以下のわずかな差のように思えますが、保有期間が長期になればなるほど、信託報酬の高低は運用成績に影響を与えます。

アクティブ型はJ -Stockの騰落率が非常に高い

銘柄選定をともなうアクティブ型の場合、手数料の水準が運用成績の良し悪しを決定するとは一概に言えませんが、インデックス型については、信託報酬の低いファンドのほうが相対的に良好な成績を収める傾向にあります。

インデックス型以外では、中小型株や新興市場銘柄を主要投資対象とするタイプを中心に、計6本のアクティブ型がランクイン。

この中でも特に、ジャスダックやマザーズの上場銘柄に投資を行なう「J -Stock アクティブ・オープン」は、新興市場の活況にともない1年間の運用成績が55%増と突出しています。

米国株はインフラ・銀行株に投資するファンドが上位に

先月に引き続き、NYダウが史上最高値を更新し続けているので、今回も米国型投信に注目します。

主として米国の株式に投資する投信を抽出し、2月の月間純流入合計額が大きかった順に並べてみたところ、米国のインフラ関連株や銀行株など、特定の業種やテーマを掲げたファンドが上位に名を連ねたとがわかりました。特に、新規設定したファンドが多くなっています。

首位に立った「米国インフラ・ビルダー株式ファンド(為替ヘッジなし)」は、今年1月に設定されたばかりの新ファンドです。米国におけるインフラ整備の建設などに関わる企業の株式に投資を行なっています。

3位には、同じファンドの「為替ヘッジあり」がランクインしており、為替リスクを極力回避したい方には、こちらのタイプのほうがオススメでしょう。

2位と6位につけた「米国インフラ関連株式ファンド」も、今年2月に設定されたばかりで、米国の公益事業や資本財・サービス関連のセクターに投資を行なっています。同ファンドも、為替ヘッジの有無が選択できます。

なお、ここ1年間の運用成績が最も良好だったのは、4位の「マニュライフ・米国銀行株式ファンド」で55%。トランプ相場の牽引役となった銀行株を主要投資対象とするファンドです。