ネットマネー 2017年6月号より一部を特別公開!

総合スコアが高い株の押し目狙い

国内の機関投資家は3月に手持ちの優良株をこぞって売却する。その理由を知ればナットク!なぜ今ハイスコア株は買いなのか?

国内の機関投資家はなぜ3月末に株を売却?

岡村●“セル・イン・メイ(株は5月に売れ)"の足音が聞こえてくるこの時期、株を買うのはどうなんでしょうか?

落月●いや、逆に今はチャンスだろう。5月は、昨年まで3年連続で日経平均株価は大幅上昇。6月に崩れるケースが多くて、セル・イン・メイは有名な格言だけど5月相場は強気でいいんじゃないか。

岡村●どういった株が狙い目でしょうか?

落月●ありきたりだけど、ハイスコア株だね。安くなって「適正株価」とのカイ離が大きくなっている銘柄を拾っていくのがベストだと思うよ。

岡村●なぜですか?

落月●日本企業の多くは3月決算だよね。だから、3月末が期末。今年は3月末にかけて、いわゆる優良株がかなり売却された形跡がある。

熱井●いいところに目をつけたな。その話は俺も耳にしてる。今年は相当売られたみたいだな。

岡村●詳しく教えてください!

熱井●OK!まず、誰が売っていたか?それは日本の機関投資家。ファンドだけじゃなくて、地銀や生保も含めた全般だね。

落月●なかでも今年は地銀が売ったようだよな。

熱井●そう。この仕組みはぜひ知っておいてほしい。毎年のことだけど、機関投資家は2月あたりから運用資産をどうしようかと考え始める。

岡村●決算対策ですね。個人投資家であれば12月末に節税目的で損失を確定させてしまおうとか考えますよね。

熱井●そう、それが機関投資家は3月末というわけだ。この時期の彼らはすごく忙しくなるんだよ。手持ちの運用資産を売却して、決算数字をつくらないといけないから。

落月●評価益の運用資産を売れば実現益、評価損のほうを売れば実現損になる。なかでも損を抱えている運用資産は来年度に持ち越したくないから、この時期に売っておきたいんだよ。

岡村●でも、そうすると決算数字が悪くなりますよね?

熱井●そこでだ。評価損の運用資産を売却したら、評価益の運用資産も売却して損益を相殺すればいいわけだ。

落月●今年ははっきりしてるからな。何で損が出て、何が利益になっているか。

岡村●損失のほうはニュースになってましたよね。金融庁が、銀行は外債で大きな損失を抱えているのではないかということで、地銀の特別検査を実施したと。

熱井●正解! 国内が運用難だったから、数年前から外債投資を積極化してたんだ。昨年度もうまくいってたんだけど、大誤算が昨年11月の米国大統領選挙。まさかのトランプ氏当選で米国の長期金利が急騰、つまりは債券が急落したよね。

岡村●なるほど。損失を出したのが外債。一方で、その分の損失を相殺するために利益確定した運用資産は何だったんですか?

熱井●トランプラリーを思い出してみて。株だよ。外債の損失との“合わせ切り"対象になったのが株だったんだよね。

岡村● そういえば、2月から3月は妙に上値が重たかったですよね、日本株。

落月●ここからは俺が話そう。あまり知られてないかもしれないけど、機関投資家って、実際に買った値段と市場価格を比較するわけじゃないんだよ。

岡村●個人投資家とは違いますね。

落月●たとえば、日経平均が2万円だった2015年の4月ごろに買ったとする。ただ、買値は2万円でも、新年度になった瞬間に簿価(帳簿価額)を洗い替えするんだ。そのときに採用されるのが「前年度の3月の月中平均」なんだよ。

落月●昨年度はどうだったかといえば、2016年度の簿価は1万6897円と安かった。ちょうど年初に株価が崩れたことで発射台が下がったからね。それがトランプラリーもあって2016年度末は1万9000円台だから、株は大幅な含み益だったということ。

岡村●だから、この時期に化学セクターの好業績株なんかが急に売られ始めていたんでしょうか。個別株に置き換えると、上がってきた銘柄ほど利益確定対象だったということですもんね。

熱井●この時期、ジャスダックや東証マザーズが異様に連騰しただろ。これだって、機関投資家の利益確定売りがなかったからと思えばつじつまが合う。売ろうにも持ってなかったってオチだけどね。

岡村●見えてきました。つまり、決算対策で機関投資家が利益の出ている優良株を泣く泣く売った。それが理由で安くなったハイスコア株は狙うべきだろうと。

熱井●そういうこと! ハイスコア株に直球勝負だぜ! それが怖い人は、5月の月末あたりでセル・イン・メイを。ただそれだけ!