ネットマネー 2017年6月号より一部を特別公開!

株価倍増は当たり前。機関投資家がノドから手が出るほど買いたい新興株

主力株に比べてハイリターンが魅力の新興市場の中小型株。21連騰を記録した日経ジャスダック平均に高値警戒感を指摘する声もあるが、現在の相場環境からすると、この中小型株相場はまだまだ継続しそうだ。特に、新興市場の銘柄は機関投資家などが欲しくても買うことができない“お宝株"がザクザク。値動きが荒いため、過度な放置プレーは厳禁だが、うまく立ち回れば、短期間で資産倍増も夢ではない!

絶好調ジャスダックに過熱感はなし。中小型株相場は継続

日米の政局不安などもあり、外国為替市場ではリスク回避の円買いが優勢。年初は一時1ドル=118円台もつけていた米ドル/円相場だが、3月には110円割れ目前までドルが売り叩かれた。

ドル安(円高)は、自動車産業をはじめとする輸出企業にとっては大きなダメージ。そのため、主力株で構成される日経平均株価は2万円の大台を視野に入れながらも上値の重い展開が続いている。 一方で、絶好調なのがジャスダックや東証マザーズといった、いわゆる新興市場銘柄だ。日経ジャスダック平均は3月10日までに13年ぶりとなる21連騰を記録。元来、新興市場は個人投資家中心のマーケットだったが、ここに来て運用会社などには外国人投資家からの問い合わせが増えているという。

それにしても、21連騰を記録したジャスダック市場に過熱感はないのだろうか。楽天証券経済研究所の土信田雅之さんは言う。

「2015年6月には日経平均株価が2万952円の高値をつけました。アベノミクスのスタートが2012年11月だとすると、ここを基準にした比較チャートでは、現在の日経ジャスダック平均の上昇率は2015年半ばの日経平均とほぼ同水準です。つまり、過去に日経平均がたどった道であり、水準的には過熱感はそれほどないといえます。日米の政治的な不安や地政学的リスクなどから主力株は手がけづらく、しばらくは中小型株相場が継続しそうです」

では今後、中小型株相場が崩れるとしたら、何がトリガーとなるのだろうか。

「ジャスダックやマザーズなどは個人投資家好みのマーケットで、信用取引を活用した投資家がたくさんいます。彼らの多くはTOPIXや日経平均に採用されている銘柄を担保に新興株を買っています。もし、主力株が総崩れするような状況になれば、追い証を回避するためにやむなく新興株を売ってくるはずです」と土信田さんは言う。

新興市場が個人投資家に人気なのは、東証1部などに比べてリスクはあっても大きなリターンが狙えるからだ。2016年の上昇率ランキングを見ても、トップ10には東証1部銘柄は皆無。ジャスダックからは6銘柄がランクインしている。ちなみに、ジャスダックの平田機工は4・6倍のリターンを叩き出した。

「相場の福の神」として知られるSBI証券の藤本誠之さんは言う。

「新興市場の銘柄は一方通行の値動きになりやすいのが特徴です。そのため、押し目狙いは非常に危険。ここからは、『高値や節目を抜けたら買い』という順張りでどんどん銘柄を乗り換えていくストラテジーがいいでしょう。中小型株相場は1ドル=120円といった円安にならない限り継続しそうです。特に3月期決算が出そろえば、再び新興市場のグロース株(成長株)に資金が流入するとみています」

ちなみに、ジャスダックやマザーズといった新興市場の銘柄は、投資家からアカウンタビリティー(説明責任)を求められる機関投資家はなかなか手を出しづらいもの。将来性に期待の持てる銘柄でも、東証1部などに上がってくるまでは買うことができない。

「実は、ノドから手が出るほど買いたい銘柄はいくつもあります。1部に昇格すれば、われわれも買うことができますので、さらに資金が流入し、株価が上がる可能性が高まります。個人投資家であれば、われわれ機関投資家に先回りしてこれらの銘柄を買うことができるのです」とは、大手生保のファンドマネジャー。

次ページからは、東証1部予備軍に加え、今後注目されそうな中小型株を新興市場を中心に紹介していく。

1部昇格候補の出世魚銘柄20

東証1部に昇格すると、機関投資家や外国人、年金資金の買いも

成長に伴って呼び名が変わっていく魚を「出世魚」と言うが、株式市場でも上場市場を変更して出世していく銘柄がある。もちろん、最終目標点は東証1部だ。

外国人投資家や機関投資家の場合、株式を買う基準として「東証1部上場」が条件となっている場合もある。また、TOPIXの構成銘柄になるので、インデックス買いも期待できる。

インデックス買いとは、TOPIX連動で運用されている投資資金による買いのこと。これは、年金資金、外国人投資家、投信やETFなどを合わせると25兆円以上にも上るといわれている。つまり、浮動株基準での東証1部の全銘柄の時価総額とその銘柄の時価総額の比率分だけ、25兆円以上の投資資金から買われることになるわけだ。

1部への主な上場基準は、時価総額がマザーズおよび東証2部からの場合40億円以上、ジャスダックからの場合250億円以上。さらに直近2年間の経常利益が5億円以上または時価総額が500億円以上、株主数2200人以上だ。このうち、株主数基準に関しては、立会外分売などで増加させる方法があるので、絶対的な基準は時価総額と利益だ。

しかし、基準を満たせば自動的に昇格するものではなく、企業が自ら申請を行なう必要がある。ミクシィのように、昇格基準を満たしていても、マザーズに居座り続ける場合もある。時価総額と利益の基準を満たした銘柄の中から、「相場の福の神」(筆者)が昇格期待の20銘柄を選択した。

外国人買い期待の中小型株20銘柄

外資系最大手が中小型株のセールスに本腰を入れ始めた

外国人投資家が日本の中小型株を買っている。厳しい上場規則による安心感や証券会社による売り込みなど海外マネーを呼び込む理由はいくつもあるが、何より大きいのが高い成長性と値動きのよさだ。

東証の株式分布状況調査によると、日本株の約30%を海外投資家が保有している。外国人持ち株比率は東証1部の大型銘柄で高く、ジャスダックやマザーズ銘柄では10%台前半と低いが、近年はジャスダックなどの中小型株にも海外勢の資金が流入しているようだ。

市場で話題になったのは、ゴールドマン・サックス証券が3月24日付で発行した投資家向けレポート「中小型株:アウトパフォーマンスの持続を見込む理由」。市場関係者は「外資系最大手証券が中小型株のセールスに本腰を入れる」と沸き立った。

レポートでは、小型株の値動きのよさは最近のことではなく、2010年から大型株を上回っていることを確認。内需株を中心に今後も中小型株の高い利益成長が見込まれ、PERを利益成長率で割ったPEGレシオでは、大型株より魅力的だと評価。金融機関との持ち合い解消売り圧力が小さいことも強調している。

海外年金基金など長期運用型の機関投資家は気に入った銘柄を段階的に買い増していく傾向がある。一方、株価上昇や利益還元の要求が一段と厳しくなり、企業には大きな負担になる。しかし、経営陣と株主の緊張関係は結果的に企業の成長を促し、両者にとって大きなメリットとなる。

業績絶好調!上方修正期待の20銘柄

今年は業績予想の上方修正企業が続出の予感!?

トランプ大統領の政策実現性への不透明感が高まり、米国株式市場はやや調整局面に突入。日本株市場もこれに連動した動きになっている。

ただ、国内に目を向けると、企業業績は改善傾向を強め、今後本格化する決算発表を前に業績見通しを引き上げる企業が増加してくることが予想され、中小型の好業績企業が注目される展開となりそうだ。

内閣府が発表した2月の月例経済報告で、企業業績について「高水準にあるものの、改善が見られる」から「改善の動きが見られる」に上方修正された。上場企業の前2017年3月期における第3四半期決算時の経常利益の進捗率では6社に1社が100%を超え、全体でも83 ・4%と非常に堅調だ。

一方、日経平均をひとつの企業に例えたときの1株当たり利益は、第2四半期の1160円から1200円程度に上昇した後は、ほぼ横ばいで推移。今期業績予想を慎重にみていることについて、「前年の1~3月期に新興国と原油急落により景気悪化と円急騰が同時に起きたため」(中堅証券幹部)と解説する。しかし、今年の世界経済状況は悪くなく、4月下旬から本格化する決算発表前に業績予想を上方修正する企業が続出しそうだ。

海外では、フランス大統領選挙の結果や、5月に予定されているトランプ大統領の予算教書の内容を見極めたいとの思いが働くとみられることから、一方的に上値追いの展開となることも想定しづらく、好業績期待銘柄などが下押す場面は買いの好機と捉えたい。

中小型株は材料重視。材料内包の20銘柄

絶好調の新興市場は、新たなテーマに加えて、地方企業に資金流入。

中小型・新興市場銘柄のシーズンがやって来た。例年、株式市場では、大型連休前後の市場エネルギーが低下する時期に薄商いでも値動きが大きい、中小型株、新興市場株が物色のターゲットになる。いわば4月から前哨戦が始まり、6月に佳境を迎える。

新興市場銘柄がこの時期に注目されるのは、需給動向だけではない。3月決算企業が多い日本では4月下旬からの本決算発表で、会社側による通期の業績予想が開示されたときに、その業績変化率、増配予想幅などが大型株よりも大きく株価インパクトにつながりやすいということもある。

ストレートな株価材料で見れば、「好業績・業績変化率」「復配予想」「株式分割期待」だが、新興市場銘柄にとっては、「東証1部への市場変更」の株価インパクトは絶大だ。

また、物色テーマで株価が刺激されて驚くようなパフォーマンスを見せるのが、マザーズ、ジャスダック、東証2部の特徴でもある。

昨年来、VR(仮想現実)関連、AI(人工知能)関連、フィンテックなどのテーマが浮上したが、最近で最もホットな相場テーマといえば、やはり「高速道路の逆走事故対策」だろう。さらに、最近の傾向を見ると、証券会社のアナリストの調査が進んでいない、ファンドが購入していない地方企業が“火柱高"を見せるケースが増えている。株式市場でも「地方創造・地方活性化」が始まっているようだ。下表に材料を内包した厳選20銘柄をリストアップした。

イナゴが群がるネット騒然の20銘柄

過去の値動きを参考に超短期で数割の値幅も。イナゴ銘柄を待ち伏せ!

年初から全体相場の停滞が続いている。こういうときは「イナゴ銘柄」で値幅取りにチャレンジしてみるのも一手だ。イナゴ銘柄とは、イナゴのように餌(銘柄)を乗り換えるネットトレーダーたちが狙う銘柄のことである。

イナゴ銘柄の特徴は、まずマザーズやジャスダックなどの新興株であること。また、大半が時価総額の小さい小型株で、VRやフィンテック、スマホゲームといった人気テーマに絡む傾向がある。業績や株価指標などは気にしなくてOKだ。とはいえ、それ以外のテーマも標的になりうるうえ、テーマのトレンドも移り変わっていくため、銘柄の予測は至難の業である。

もっとも、過去にイナゴトレーダーに狙われて急騰や急落を経験している銘柄の場合、何らかの材料をきっかけに人気が再燃するケースも多い。そのため、過去に標的になった銘柄をリストアップしておき、「暴落後の底練り状態のときに仕込む」か「上昇再始動の時に飛び乗る」ようにするといいだろう。うまく飛び乗ることができれば、短期間で数割のハイリターンを得ることも可能だ。

また、人気トレーダーのツイートをチェックし、今どの銘柄が狙われているのか、どんなテーマが人気なのかを知っておくことも重要。

ただ、イナゴの逃げ足は素早い。思惑通りに株価が動かなかった場合、すぐ逃げられるように準備しておくことが重要だ。それさえ徹底すれば、2勝8敗でも十分なリターンを得られるだろう。