ネットマネー 2017年6月号より一部を特別公開!

需給面のサポートに加えて中国のコモディティ(商品)生産調整も、豪ドル相場の追い風に。豪ドルの上昇シナリオを前提としつつ、レンジの下限では買いを検討したい。

e ワラント証券 投資情報室長 小野田慎さん(MAKOTO ONODA)

イボットソン・アソシエイツ、ゴールドマン・サックス証券を経て現職。ポートフォリオ構築の専門家としての経験を生かし、幅広い資産の分析を行なう。

上昇トレンド継続の豪ドル。5〜6月には90円突破もありうる!?

 相場の注目がトランプ大統領と米国をはじめとする各国の政策金利の動向に集まっている中、豪ドル/円は実に堅調な相場となっています。昨年9月から12月にかけての急ピッチな上昇トレンドはいったん収束し、年始からは緩やかな上昇トレンドに転換しているとはいえ、豪ドル相場に関しては次の2点のように比較的好材料がそろっています。

 1つ目は通貨先物市場における需給面の好転です。通貨先物市場と為替相場の関係を見る場合、対円の相場で見るより対米ドルの相場で見るほうが動向を把握するのに役立ちます。

 昨年末は、シカゴ通貨先物市場における投機筋の豪ドルの買いポジションが減少トレンドにあったことで、豪ドル相場は対円では上昇していましたが、対米ドルで見ると下落していました。今年の初めにはポジションがいったん売り越しとなりましたが、1月中旬以降は買い越しに転じ、買いポジションも増加基調にあります。2月28日現在では、約5・2万枚の買い越しとなっています。

 2つ目はコモディティ市況の改善です。需給の改善の背景として、コモディティ市況の改善が挙げられます。コモディティの主要生産国である中国において鉄鋼や石炭の生産調整が進んだことで、鉄鋼の原料である鉄鉱石や石炭の価格が改善。豪州も鉄鉱石や石炭の生産高は大きく、コモディティ市況の改善が資源国通貨としての豪ドルの上昇を後押ししているものと考えられます。

 今後の豪ドル/円については、5月末には50%の確率で83・1〜90・2円のレンジ、6月末には50%の確率で82・7〜90・8円のレンジを想定します。前述した好材料を背景に上昇トレンドの継続を前提とする場合、レンジの下限では豪ドル買いを検討したいところです。5月に90円を超える可能性は十分にありうると考えられます。