ネットマネー 2017年6月号より一部を特別公開!

今月の注目点 株式など多岐にわたって人気 為替ヘッジありは債券、 バランス、為替ヘッジありは債券、バランス、株式など多岐にわたって人気

投資信託は投資先や基準価額、純資産総額、騰落率など、項目が多数存在する。
そこで、このページでは多数ある投信の中から旬なテーマを選択して、ランキング形式で紹介していく。
今月は為替ヘッジあり投信などの最新事情を探ってみよう。

教えてくれたのは、楽天証券経済研究所 ファンドアナリスト 篠田尚子さん
慶應義塾大学法学部卒業。国内銀行、リッパー・ジャパンを経て、2013年11月より現職。情報収集力と分析力は天下一品。

為替ヘッジありは円高・円安に強く、為替相場に左右されない

2017年3月の世界の株式市場は、米国トランプ政権の政策実現性に対する懸念が広がり、日米を中心に下落した地域が目立ちました。

投資家のリスク回避姿勢が高まったことに加えて、3月15日のFOMC(連邦公開市場委員会)で追加利上げが決定されたこともあり、為替市場では円高・米ドル安が進みました。また、オバマケアの代替法案が撤回されたことで、トランプ大統領に対する政策期待が後退したことも要因です。

こうした中、対円の為替ヘッジ機能が付いた追加型株式投資信託(通貨選択型を除く)について、3月の月間資金純流入額が大きかった順に並べてみたところ、バランス、株式、債券と、バラエティ―豊かなファンドが名を連ねています。この中には、今年1月以降に設定された最新のテーマ型も含まれています。

日本の投資信託といえば、2000年代前半までは日本株に投資するタイプが主流でしたが、より高い収益を求めるようになった結果、投資対象が次第に海外資産へとシフトしていったという経緯があります。海外資産に投資するということは、つまり為替変動による収益獲得機会が生まれると同時に、それ相応の為替リスクを抱えることも意味します。

国内籍ファンドの基準価額はすべて日本円で算出されるため、外貨建て資産に投資するファンドの場合、日本円で基準価額が算出される段階で為替の影響を受けることになります。円が主要通貨に対して下落する「円安」の状態は、外貨建て資産に投資するファンドにとって追い風となる一方、円買いによって「円高」が進むと、基準価額は下落します。

為替ヘッジは、こうした円高進行時の基準価額の目減りを回避するための「保険」のようなものです。多くのファンドは、為替ヘッジ「あり」と「なし」がペアで展開されています。過去に為替差損を被った苦い経験がある方や、為替の動きに一喜一憂したくないという方は、為替ヘッジありのタイプを選ぶと良いでしょう。

さて、日経平均が2万円を目前にして足踏みする中でジャスダック平均は3月 10日にピークアウトするまで、連日高値更新を続け、活況となっていました。

中小型株ファンドは10年超のベテランもランクイン

そこで中小型株式に投資する投資信託を抽出し、3月の月間資金純流入額が大きかった順に並べてみたところ、2016年以降に設定されたファンドが計5本ランクインしました。

その一方で、10年以上の運用実績を誇る「長寿ファンド」も計4本ランクインしたことがわかりました。

中小型株ファンドは運用に制限があるため得意な会社は少数派

一般的に中小型株とは、マザーズやジャスダック等の新興市場に上場する新興市場銘柄を含む、時価総額が比較的小さい銘柄を指します。この時価総額の定義は調査機関や運用会社によって異なりますが、国際的には1兆円未満を指すことが多いようです。

中小型、新興市場銘柄は発行済株式数が少なく流動性が低いため、信託報酬金の限度額が低く抑えられる傾向にあります。数十億円規模の残高のファンドが多いのはこのためです。

また、新興市場株・中小型株を組み入れたファンドは、東証1部上場銘柄が中心の大型株のファンドと比べて運用上の制約が多い上、入念な銘柄選定を必要とされるため、すべての運用会社が積極的に展開しているわけではありません。新興市場株・中小型株の運用を得意とする運用会社は限られています。

投信耳寄り情報

JPMジャパンがランク外から首位に

純資産総額10億円以上の国内追加型株式投信を過去1年間の騰落率が高かった順に並べ替えたところ、「JPMジャパン・テクノロジー・ファンド」が2月から順位を8つ上げ、首位に浮上しました。このファンドは、日本のテクノロジー関連企業を主要投資対象とするアクティブファンドで、ジャスダックやマザーズなどの新興市場銘柄にも投資を行なう点がポイントです。組み入れ銘柄が上昇し、大幅に上回る良好な成績を収めています。

また、中国の株式を主要投資対象とするファンドも上位にランクインしました。中国は、全国人民代表大会(全人代)で今年の経済成長率目標が示されたことを受け、株式市場で鉱業・素材などの銘柄が上昇しました。

データはすべて2017年3月末現在。ETF(上場投資信託)とDC(確定拠出年金)・SMA(投資一任勘定)口座専用ファンド、またデリバティブ(金融派生商品)型を除く。販売手数料、信託報酬は税込み。データ提供:ISIDフェアネス、QUICKのデータをもとに楽天証券経済研究所が作成