ネットマネー 2017年7月号より一部を特別公開!

庶民消費の10万円株で10倍高

デフレ、デフレといわれ続けて20年ほど。「アベノミクスによる景気回復がついに、ようやく庶民のところまで広がってきた!」。 株価の動きからそう断言する天海さんの10万円成長株大本命は、〝ささやかな庶民の贅沢(ぜいたく)で〞潤う「庶民消費株」だ。

リクルート株急騰に見る人手不足と賃金上昇

「今年前半は大型株が主体の相場で、半導体関連のハイテク株や化学株も含めた素材株が買われる展開でした」

と語るのは、"ミスター・ストップ高"の異名を持つ株式ジャーナリストの天海源一郎さん。最近では、株価急騰が続く時価総額3兆円超の大型株・リクルートホールディングスを当てたとか。

「リクルート株が上昇する背景には人手不足や賃上げがあります。小型株が多い10万円株で意外に株価が元気よく上昇しているのは、給与増の恩恵を受けやすい小売りや飲食サービスなど内需株。なかでも狙い目は庶民の消費に関連する株です!」

確かに、今年に入って生鮮食品を除く消費者物価指数は13カ月ぶりに前年同月比でプラスに転換。2月の小売業販売額も4カ月連続で増加している。しかし、天海さんが注目するのは経済指標ではなく、株価そのもの。

「多くの個人投資家は、物事を予想してやろうと考えがち です。しかし、自分は世の中の先が読める予言者だなんて考えていたら大間違い。株式投資で成功するには予想よりも大事なことがあります。実際の株価を見て、『理由はよくわからないけど妙に上がっているな~』と感じられるかどうかが勝負の分かれ目。その目線で10万円株に注目すると、一般庶民向けに小売業や飲食業、サービス業を手がける企業の株が不思議と上昇している。四の五の理屈を並べずに、『上がってるんだし、買わなきゃ』と純粋に思えるかどうかが大切です」

とにかく株価はどんな経済指標よりも早く動く未来の先行指標。最近の内需10万円株の突飛高は、5年目に入ったアベノミクスによる景気回復の波が庶民レベルまで広がってきたことの証しなのだ。

「当初は富裕層の高額消費ばかりに注目が集まりましたが、賃金の上昇もあって、ようやく一般庶民の懐も潤い始めてきた。キーワードは、『これまで普通のラーメンを食べてたけど、奮発してチャーシューメンを頼もうか』的な消費 拡大です」

10万円株ではないが、内需主力株で家具大手のニトリは上場来高値を更新中。格安アパレルのしまむらも昨年後半から株価が上り調子だ。 「20年以上もデフレに苦しんだ日本経済にとって、庶民レベルで消費が少しでも上向くというのは、実はものすごいことなんです」

と語る天海さんのイチオシ10万円株は、はるやまHDだ。 「見てください、3月末までの株価の上がりっぷり。はるやまの成長源は、若者向けスーツを販売する都市型店舗の『P.S.FA(パーフェクトスーツファクトリー)』です。

就職状況の好転もあり、メイン顧客である20代・30代男性の間に、これまでは既製品で満足していたけど、セミオー ダーにグレードアップする機運が高まっているんでしょう、きっと。そんな状況を真っ先に嗅ぎ取って上昇しているのが株価なんです」

一般庶民にしてみれば、いくら景気が回復して収入が多少増えたからといって、いきなり伊勢丹で高級スーツを買ったりはしない。カラオケに行く回数や、通販で買う洋服を増やす程度の贅沢が精いっぱいだ。

「しかし、日本人全体がちょっとだけ多めに消費するようになるだけでも、庶民に低価格の商品、サービスを提供してきた内需企業の業績には絶大なインパクトがある。今後1~2年かけて個人消費は着実に上向くはず。あのとき株価を寄りどころとして庶民消費株を買っていれば、と振り返ることになるのがまさに"今"なのです」

一方、高配当10万円株の狙い目といえるのは、官公庁関連の需要で業績が安定していたり、超大企業の子会社で財務にまったく不安がない"カッチンコッチンに手堅い会社"。

「関西圏の場外馬券売り場の賃料という超安定収入がある京阪神ビルディングや、天下のトヨタ自動車が親会社の愛三工業などがそれに該当します。株価に一喜一憂する必要はなく、利回り3%前後の配当収入を長期にわたってもらい続けるには最適な銘柄です」

成長する庶民消費株&手堅い高配当株の2方面作戦で2017年の乱高下相場を乗り切りたい!