ネットマネー 2017年7月号より一部を特別公開!

クラウド、ビッグデータ関連の出遅れ株

サラリーマンにもおすすめの破産しない10万円株をFP目線で厳選

10万円で成長株か高配当株か、の選択には、その時々の景気動向も左右する。FP目線で藤川さんが選ぶのは、IT、住宅、エネルギーなど〝安定的〞成長が見込める株や財務体制が盤石な高配当株なのだ!

海外進出の住宅系や安定成長の燃料株に注目

「個人的にも買いたいと思っているのは一戸建て住宅メーカー。国内市場は飽和状態ですが、米国などへの海外進出が隠れた成長源になっています。米国での住宅建築戸数が国内に迫る勢いの住友林業が筆頭株ですが、10万円株ではタマホームに注目しています」

と語るのはFPの藤川太さん。日ごろの家計相談では「期待リターンやリスクが何%なのかがほとんど計算できない個別株の話はしない」という、超安定志向で資産形成重視のFP目線は非常に貴重といえるだろう。

「ほかには、ガス自由化の恩恵を受けそうな岩谷産業、法人向けに電力やLPG(液化石油ガス)を供給している伊藤忠エネクスなど、エネルギー関連株は需要も安定していて、規制緩和で成長余地もあるので長期保有向きです」

そんな藤川さんには、子供の教育費捻出のために日本株や米国債に投資して、資産を2倍にした実績がある。

「当時は2000年のITバブルが崩壊した直後ということもあり、より安全な高配当株に投資しました。成長株か高配当株かという議論をするには、そのときの景気動向が非常に大切になります。不景気のときに投資家が資金を恐る恐る入れていくのは割安で配当利回りの高い大型株。その後、景気回復が鮮明になって投資家のリスク許容度が増すと、余ったお金が小型の成長株に流れます。景気後退期は財務体質が盤石な安定経営の高配当株、景気回復が鮮明になったらテーマ性の強い高成長株と、機動的に入れ替える発想が必要です」 

リーマン・ショック以降すでに10年近くも景気回復局面が続いており、株価が不安定な時期に入る可能性も高い。

クラウドはすでに社会インフラ。まだ伸びる

「とはいえ、10万円という少額資金なら、リスクを取って成長株に投資できます。失敗しても、資産全体が大きく痛むことはありません。注目したいのは、ここ数年、社会的なインフラになりつつあるクラウドやビッグデータ関連株。クラウド、データベース管理、サーバー向け半導体需要は、今後も高止まりが続くはず。IoT(モノのインターネット)向けソフトウエア開発で業績が回復傾向にあるACCESS、車載用プリント配線基板が伸びているメイコーなど、クラウド、半導体関連の出遅れ株が有望そうです」

同じ成長株でも、3~5年先まで見据えて社会全体を着実に変革させていく不動のテーマに乗るほうが安心ということだろう。

「ただし、最近の株価はかなり割高な水準で、高成長より高配当を基準に仕込みたい時期です。その際に重要なのは、安定経営で好財務体質かどうか。不景気でも利益が出せて、多少の赤字でも自己資本比率が高く、減配リスクの小さい企業なら、不景気のときに逃避資金が流れ込みやすく、株価も安定推移しやすいはず」

その観点から藤川さんが選んだ高配当10万円株は、自己資本比率が60%と財務体質が抜群で女性用かつらが復調傾向にあるアートネイチャー、富裕層向け資産運用や相続のコンサルティングを手がける青山財産ネットワークスなど。いずれも利回り4%前後の高配当株なので安心して長期保有できる。

株価はここ15年で一番割高。下げ相場で儲かるETFも視野に

「株価が下げきったところで買い出動しても決して遅くはありません。特に"北朝鮮リスク"が浮上している今は、どっちに転んでも傷つかないように、株価が下がると儲かる金融商品にも投資しておいたほうが無難。日経ダブルインバース指数ETF(上場投信)など全体相場の下落で逆に上昇するインバース型や、金ETFへの投資も視野に入れておきましょう」