ネットマネー 2017年7月号より一部を特別公開!

儲かる確率が高いIPO株を手に入れるために投資家たちはさまざまな努力や工夫をしています。﹁当たらないから﹂と何もせずに諦めずにまずは行動。日々の細かい努力こそがIPO株ゲットの近道なのです。IPOの攻略テクニックをまとめました。

テクニック❶ 複数の証券会社からIPOに申し込む

 IPO株を公募段階で入手する第一歩は、やはり複数の証券会社に口座を開設して申し込むことです。口座開設にあたっての事務手続きは必要ですが、開設してしまえば管理料などの負担が無料のところがほとんどです。ネット証券だけでなく、幹事証券になる確率が高い対面証券会社も対象にして、それぞれの証券会社独自のサービスをチェックしておきましょう。

 また、借名取引とならないように気をつけて、家族名義の口座を作ってIPOの抽選回数を増やす方法もあります。ちなみに、未成年でも親が口座を持っていれば口座を作れる証券会社もあります。

テクニック❷ 証券会社独自のサービスを利用する

 IPOは証券会社にとって、ニューマネーや新規顧客を獲得するチャンスでもあります。そのため、各証券会社独自のサービスを展開しているほか、キャンペーンも数多く実施されています。

 たとえば、マネックス証券はIPO取引実績が多く、「完全平等抽選制」を取り入れています。一方、SBI証券では「IPOチャレンジポイント」システムを導入。これはIPO申し込み1回ではずれると1ポイントが貯まり、これを続けて貯めて使いたいときにこのポイントを使うと当選期待が高まるというシステムです。また、SBI証券は入金額で抽選回数が増えるシステムも導入しています。楽天証券は通常の取引実績に応じて当選確率が変わる「ステージ制」を採用しています。お得意さま優先サービスといったところでしょうか。

 また、大手証券の一角である大和証券ではIPOの当選確率をアップさせる「チャンス抽選」システムを採用しています。通常の抽選枠とは別に「チャンス抽選」を設定し、預かり資産が多ければ多いほど当選しやすくなる制度です。これに加えて、取引実績や大和証券株式の株主優待による「ダイワポイントプログラム」により、ポイントを貯めて抽選確率を引き上げる方法もあります。このように、証券会社では、各社各様のIPO関連サービスがあることを知っておくことは有用です。

テクニック❸ IPO関連サイトで注目度チェック

 基本的に証券会社からのIPOに関する情報は、目論見書ベースに限られています。

 通常、上場の1カ月前にIPOは正式発表されますが、それ以降の相場状況を踏まえた情報を得ようとするとIPO関連サイトが有用です。初値予想や市場での人気度、銘柄の注目すべき視点などがあります。数多くのIPO関連サイトが立ち上がっていますが、例えば「IPOストライカーの投資ブログ!」はIPOの初値予想や人気分析のほか株主優待、上場企業の公募増資などの情報も扱っています。自分に合ったIPO関連サイトを探してみましょう。

テクニック❹ NISA口座を活用して節税を

 IPO株投資は公開価格から初値までのカイ離で利益を出すことが基本です。ただ、その利益については20%課税されます。たとえば、公募価格1000円(売買単位100株)が当選し10万円の投資金額として初値2000円で売ったとすると利益は10万円。この10万円にかかる税金は2万円です。しかし、普通の証券口座でなくNISA(少額投資非課税制度)口座に入れておけばこの税金は取られずに済みます。ただし、IPO株について、NISA口座を利用できるかどうかは証券会社ごとに異なるのでチェックが必要です。

テクニック❺ あえて対面証券で申し込んでみる

 ネット証券の取引口座だけでなく、IPO株の幹事証券をチェックし、そこに属する対面証券、特に中堅証券に口座を開設して申し込むのも一法です。証券会社別の当選競争率を見たときに、中堅証券の対面口座は当選確率が高まるケースが多いからです。また、営業マンと仲よくなれば証券会社の特別枠などで便宜を図ってもらえる可能性もあります。特に、大型IPOで複数の公開株を集めたいときに有効な手段となります。

テクニック❻ S高連発を逃さない初値売りのポイント

 幸運にも公開価格でIPOを手に入れることができた場合、最大のメリットは公開価格と初値のカイ離です。IPO投資では公開価格でゲットして初値で利益を確定させるのが基本ですが、初値後にストップ高(S高)を続けるケースも多く、この上昇気流に乗ってさらなる利益を追求できることもあります。

 買い人気が高揚して上場初日に初値がつかずに持ち越しとなった場合、2日目からは即日現金預託規制(買い付け代金の即日徴収)が入ります。その場合、売買板情報がポイントです。初日の最終気配値での買い株数とIPO時の公開株式数を比較して、買い株式数の倍率が高いほど2日目以降の初値水準が高くなります。「買い株式数÷公開株式数」の倍率が2倍程度だと、上場翌日の前場で初値が形成される可能性があり、4倍以上だと2日目も値がつかず買い気配というケースが考えられます。ただ、注意を要するのはベンチャーキャピタル等のロックアップ解除の条件です。突然、大口売りが出て初値が形成され、そのショックで売り急ぎが始まるケースがあるので注意が必要です。

テクニック❼ ベンチャーキャピタルの売りに注意

 売って利益を出すことが仕事のベンチャーキャピタルや投資ファンドをチェックしましょう。投資ファンドの所有株式数、ロックアップの有無と解除の条件(「IPO基礎用語」参照)は必須です。まとまった株式を所有しているためIPO直後の商いが多い場面で、売却時は「ドカン!」と出てくるケースもあります。

テクニック❽ 注目IPOの大株主をチェック

 IPO銘柄の初値形成と上場後のパフォーマンスに大きな影響を与えるのが、上場前の大株主構成です。大株主に上場企業がある場合、その企業の市場での人気度も上場後のパフォーマンスに影響します。また、銀行や事業法人などまとまった株式を持つ大株主が不在の場合は、需給面で基本的にはプラス材料です。

テクニック❾ 株主優待の有無はセカンダリーの重要案件

 IPO投資にあたって、上場後に参加することを「セカンダリー」と表現します。そのセカンダリー投資のポイントのひとつに「株主優待」があります。株主優待の導入がかなりの確度で期待できる銘柄がIPO前に優待導入を明示していない場合、株価が低迷したときや直近の決算期前に導入を発表し、株価が飛ぶケースがあります。投資のタイミングは難しいですが、隠れた材料として注目できます。

テクニック⑩ セカンダリー投資の重要ポイント

 上場前のブックビルディング時にIPO株を手に入れるのは至難の業です。前人気が高い銘柄となると"宝くじ"よりはマシな程度と皮肉られるほどです。そこで登場するのが「セカンダリー」です。

 IPO株の上場直後は流動性が高く、値動きも軽いためです。しかし、公開価格から大きくカイ離した初値をつけた場面でセカンダリー参戦して、その後の急落に巻き込まれてしまっては元も子もありません。初値人気が異様に高まるIT系やバイオベンチャー銘柄は要注意です。

 セカンダリーのポイントは需給と判断力です。内需系の自動車部品や住宅・建設関連銘柄に多いのですが、収益がしっかりしているのに初値人気が高くなく、今期業績予想が増収増益の銘柄がまずターゲットになります。さらに、大株主に投資ファンドが存在しない銘柄で、登場した前後のIPO株が人気化しているときと、極端にIPO株が少ないときが狙い目です。一方、IPO株の値動きは荒く、出来高も急減していく場合が多いので、下落し始めたら、損をしていても早めに降りたほうがいいでしょう。