ネットマネー 2017年7月号より一部を特別公開!

韓国資本の流入で工業団地株が上昇?天然ゴム株も狙い目

昨年末以来、好調を続けるベトナム株相場。主要インデックスであるVN指数は2016年12月の安値650ポイント台を底値に、今年2月には700ポイントの大台を突破。4月中旬には730ポイント台と、およそ9年ぶりの高値水準まで急上昇した。

「好調の背景にあるのは、ベトナム政府が推し進める資本取引の大胆な規制緩和です。上場企業の外国人持ち株比率制限が撤廃され、優良企業を中心に外国人の持ち株比率を引き上げる企業が増えていることなどが好感されているようです」と語るのは、日本アジア証券の今井正之さん。

以前はベトナムの外国人持ち株比率の規制は厳格でした。特に銀行は厳しい出資上限で保護されていましたが、「グエン・スアン・フック首相は金融機関に対する制限も緩和する意向を示しています。積極的な規制緩和で株式市場を盛り上げようとしているのです」(今井さん)。

現在、金融機関からはベトナム=「フロンティア」と位置づけられているが、ワンランク上の「エマージング」に格上げされることをベトナム政府が目標としているという。
たとえば、機関投資家などがベンチマークとして利用するMSCI指数には、先進国、新興国といった市場の発展ステージごとの指数もあるが、アフリカなどが組み込まれたフロンティア指数よりも、中国やインドなどで構成されるエマージング指数のほうが資産が大きく、投資家からも注目されやすい。

あの手この手の取り組みによって、世界中のマネーを株式市場に呼び込もうとするベトナムの本気度がうかがえる。

「約9年ぶりの高値圏にあるといっても、インドやほかの東南アジア市場と比べればベトナム株は依然割安。上昇する余地は残されているといえるでしょう」(今井さん)

そんなベトナム株の中でも、今井さんが特に注目しているのは工業団地などを開発・運営するデベロッパーのキンバックシティーグループと、天然ゴム製造のフオックホアゴムだ。
「ベトナムでは昨年から韓国メーカーの進出が盛んで、工業団地の需要が高まっています。THAAD(高高度防衛ミサイル)配備を巡り、韓国と中国の関係が冷え込んで以降、韓国企業が製造拠点をベトナムにシフトする動きが強まっています」と今井さん。
ハイエンドの工業団地を運営するキンバックには大きなチャンスだ。

一方、フオックホアゴムは、天然ゴム価格上昇が利益押し上げ要因になるとみる。