ネットマネー 2017年7月号より一部を特別公開!

誰にでも起こりうる相続・贈与のトラブル...。いざというときに困らないために、知っておきべき旬の情報をお届けします!

今月のテーマ●納税資金の準備を始めよう!その②

物納の要件は厳しいが認められれば不動産や上場株式で納付できる

相続税は原則として現金で一括納付しなければなりません。でも生活に必要なお金以外の現金がなく、延納(分割で年払い)も難しいときは、相続財産そのものを納める「物納」という手段があります。

ただし、物納は延納の要件よりも厳しく、現金の手持ちが少ないから不動産で納めようというような安易な理由で物納は認められません。
物納は、相続税額から現金で納付する金額と延納で納付する金額を差し引いて、それでも現金が足りないときに認められるからです。

また物納できる財産の内容と順位は、下図のCHECK1のように細かく定められています。

第1順位の財産として従来の国債、地方債、不動産(担保権が設定されていないものなど)、船舶に加え、2017年度からは上場されている株式や社債、ETF(上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)なども認められ、相続時の時価で評価されます。
第2順位は非上場の株式や社債など。第3順位が動産です。

ところで、もし不幸が続いて"短い期間"に2度の相続が発生した場合はどうなるでしょう。
たとえば、父親の財産を兄弟2人で50%ずつ相続して、相続税を納めたとします。その後兄が亡くなり、法定相続人が弟だけだとすると、弟が兄の財産を相続することになりますが、その財産は兄が相続税を納めて取得したものです。それでも弟は相続税を納付しなければならないのでしょうか。

このケースでは「相次相続控除」と呼ばれる最初の相続時に納めた相続税の一部を、2度目の相続時に適用される控除制度が利用可能。
法律では"短い期間"を10年以内としていますが、年数がたてば最初の相続税の負担が軽減され控除金額は減ります。その計算式を上図のCHECK2に示しました。

簡単に説明すれば、最初の相続で納付した相続税から、経過年数×10%を差し引いた金額が控除額です。