ネットマネー 2017年8月号より一部を特別公開!

配当株で資産3億7000万円突破。最近の成功株はNTTドコモと兼松エレク

「働かずに配当金だけで生活する」のは全投資家の夢。そんな憧れの境地に30代の若さで達したのが、たっちゃんさん。NTTドコモやシステム会社など高配当株への投資がアベノミクス相場で大成功。今は学習塾株の買い増しを検討中だ。

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元手の2・3億円を3・7億円まで増やした

30代ながら、今や総資産は3億7000万円、年間配当収入は約500万円と、悠々自適のアーリーリタイア生活を送るたっちゃんさん。20代のころ、超安定企業で2年勤めた後、退職金100万円を元手にネット通販を起業。週100時間以上、死ぬほど働いて2億円の資産を築き上げたという(驚)。 「配当金だけで生活する」ことを目的に株式投資を始めたのは、リーマン・ショックの半年後の2009年4月。株価が歴史的な底値圏にあるときに満を持して始められたのも、元手2億3000万円という余裕のなせるワザだろう。 「当時の暴落で、どんな超優良株の株価も程よく(?)下がり、配当利回り5%超が珍しくない状況でした。そこでNTTドコモやNTTといった超大型優良株やJ-REIT(不動産投信)、日本株以上に配当利回りのいい米国株を底値買いしたんです」

その後、アベノミクス相場の波に乗り、資産を1億4000万円も増やすことに成功。投資を開始して以降、合計5820万円もの配当金をゲットし、海外、国内で旅行やグルメざんまいの“雲上人"のような生活を送っている。 「これまで最高に儲かったのは、すごく地味ですが、平均購入単価1170円という破格の安値で最大1800株仕込んだNTTドコモ。『iPhone』導入が他社より遅れて株価もダダ下がりの時期に、泣く泣くナンピン買いを繰り返しました。その後ドコモはiPhone導入に踏み切って業績も回復したので、完全に報われましたね。買値から株価が2・7倍まで上昇したので大半は利益確定しましたが、保有株数を減らしすぎたなと後悔しています。今期の年間配当を20円増の100円にするなど、思った以上に増配ペースが速いので、買い戻しも検討中です」 “寄らば大樹の陰"と言いたいところだが、たっちゃんさんが底値買いした2009~2012年ごろのNTTドコモは株価も長期下落中の不人気銘柄だった。つまり、「不人気銘柄を逆張り気味に買う」のが基本方針だ。 「個人的には他人から『なんで、これ買うの?』と思われるような人気のない銘柄を安いところで買うのがポリシーです。自分は『王道的な生き方はしていない』という意識が強いのか、人とは違う裏へ、裏へ、という嗜好性があるんじゃないかと思います」

そのほか、配当金のみならず資産1億4000万円増に貢献したのは兼松エレクトロニクスやSRAHDなど、IT会社の株だ。 「個人的にITは社会的インフラとして今後もどんどん普及するし、業績が急に悪くなることもないので、株価も安定しているだろうと思って買いました。購入後は、配当利回りの高さや業界の成長性が注目され、株価は安定どころか上昇。SRAHDは買値の4倍超まで値上がりして、私の保有銘柄の中では最大の利益率になっています」

当初は配当利回りが4%以上の水準で買って3%以下になったら機械的に売却していた。しかしその方針だと、企業の成長が続いた場合に“早売り"となり、株価の長期上昇を逃してしまう。 「そこで配当利回りが3%以下でも増益や増配を続けている好業績企業の株は保有し続ける方針に変更。それが功を奏して、システム会社株では値上がり益もきっちりゲットできるようになりました」

そんなたっちゃんさんがこれから買いたい銘柄として挙げたのが学習塾株である。「配当利回りがいまだ4~5%の銘柄がある高配当ぶりが魅力。都立中学・高校受験に強い学究社、関西で知名度の高い『第一ゼミナール』を運営するウィザスなどは下がったら買い増したいです」

たっちゃんさんの場合、運用資産が3億円を超えているだけあり、日本株だけでなく外国株、国内債券、外国債券に程よく分散投資するポートフォリオ運用をしている。2大基本方針は、「絶対に減らさない運用」「税引き後で年率3・5%超の配当利回り」。 「配当利回り5%超のA&Tや61年連続増配企業のP&G(プロクター・アンド・ギャンブル)など、米国株にも多く投資して利回りを稼いでいます。運用方針は株と債券とREITの保有比率を38対38対24に分散すること。現物の不動産を保有しているので、REITだけは24に下げています。価格変動による時価評価額が1%以上動いたとき以外、新たに売買することはありません。現金以外の資産が5%増えた場合はその分を利益確定、10%減った場合はその半分の5%分だけ、貯め込んでいる現金で補充する、といったルールを決めて運用しています」

あくまで配当利回りが一番の目的なので、配当余力が一見ありそうでも、何かと理由をつけて減配する会社の株は売却することが多い。 「それ以上に厳しいのは優待内容の改悪ですね。ヴィレッジヴァンガードは改悪の発表後、すぐ売りました」

さながら“一人投資信託"のファンドマネジャーだ。 「投資で一番大切なのは、目先の相場に一喜一憂しないことだと思います。特に相場が大きく動いて世の中がパニックに陥ったときなどは、その逆に動くと、長期的に見て正解になることが多い。『ヤバイ、売らないとダメだ』と感じたときは、実は最高の買い場だったりするもの。長期投資で成功する極意は、直感で思ったことの逆をすることかもしれません(笑)」 「もし全財産を失って資産が30万円しかなくなったら?」と担当編集から質問すると、 「お金がなくなったら普通に働くでしょうね。一発逆転を狙った投資は私には向いてないですから」

い、意外に欲がない。 「何かいい高配当株はないかと探し始めるのは、ポートフォリオの配分比率がズレたときだけ。普段は行政書士などの資格の勉強をしています。長期保有なので銘柄研究はほとんどしていません」

その“暇すぎる生活"こそ高配当株投資の最終境地かも。

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