ネットマネー 2017年8月号より一部を特別公開!

「負けにくい」といわれる優待株投資だが、優待の拡充や東証1部昇格で「負けないどころか大勝ちする」投資家も多数登場。成長力も加味した優待株投資で1000万円儲けたRYUさんは今、アークランドサービスHDに注目!

東証1部昇格狙いで優待株に先回り投資

2011年10月、上場会社で財務関連の部署を担当するようになったことから、勉強も兼ねて株式投資を本格化したRYUさん(39歳)。個人投資家のブログなどに触発されて優待株投資に目覚めた。
「2012年5月に100株で3%のキャッシュバックがある“買い物優待カード"で有名なイオンの株を購入したのが、私の優待キャリアの第一歩です。その後、アベノミクス相場では、enishやKLab、エイチームなど、急騰したスマホゲーム株で100万円近く儲けました。しかし、2015年ごろからは再び優待株中心の投資スタイルに戻り、今では国内株全体で100銘柄以上を保有しています」

その間、1500万円の自己資金を追加投入して、現在の資産総額は3700万円。実現益と含み益を合わせた純粋な儲けは、1000万円超に達している。
「優待株投資というと優待人気による買い支えもあって『負けにくい投資』といわれてきました。しかし、そこに業績や今後の成長性を加味して、より厳格に銘柄選択すると、 『勝ちながら負けにくい投資』を実現できます。私の場合、優待内容だけで銘柄購入を決めることはありません。あくまで、その会社が今後の成長への“意欲"を持っているかに注目します。なかでも東証1部昇格を目指している企業は、株主確保のために株式分割や株主優待制度の新設・拡充などさまざまな手を打ってきます。それに反応して株価も上昇するので、勝率が高い投資対象なんです」

かつての優待株ファンといえば、「優待さえもらえれば株は塩漬けでもハッピー」という人も多かった。しかし最近は、優待新設狙いや優待権利取りの上昇を狙った取引など、優待品をもらうだけでなく値上がり益で大儲けも狙える投資対象に変わってきた。

今年に入ってRYUさんが一番儲けたのは、建機向けのオイルフィルターで世界シェア1位のヤマシンフィルタ。
「2016年1月に最安値に近い393円で購入して、今年3月に株価が6倍高、PER(株価収益率)が50倍を超えたので、2400円で売却。20万円超の利益を上げました。購入当時は東証2部に上場していましたが、2015年5月に株主優待制度の新設、同8月に1対2の株式分割を発表。強烈な『東証1部に昇格したいサイン』を点灯させていました。実際、2016年3月に1部に昇格し、狙い通りに大儲けできました」

そのほか、カレー優待目的で買った富裕層向け老人ホームのロングライフHDは、購入直後に中国での事業展開を発表して株価が急騰した。
「優待のカレー5年分以上の利益が出ていますが、まだ一度もカレーをもらっていないので我慢して保有しています(笑)」

一方、東京五輪の暑さ対策に使われる特殊舗装に強い日本興業は、材料が出てからかなりの時間を経ての購入だったせいもあり、その後は株価が低迷した。結局は2000円の損失で済んだものの、流動性の低さから売却するのに一苦労したそうだ。

そんなRYUさんが銘柄選別の際に重要視するのは、優待と配当を足した総合利回りが4%以上あること。
「さらに、優待や配当に持続性があるかどうかを、自己資本比率や配当性向の高さで必ず確認します。また、会社が株主にどれくらい報いる気があるかを知るには、その会社の中期経営計画を見るのが一番。単純に売上高や営業利益を伸ばすだけでなく、ROE(自己資本利益率)や配当性向についてポジティブな言及があるかどうかを見ますね」

持ち株の含み益は豊富。40万円超も!

高利回り優待株の買い時は株価が大きく下がったときだ。2016年6月のブレグジッド(英国のEU〈欧州連合〉離脱)で全体相場が大暴落したとき、RYUさんは狙っていた優待株9銘柄を底値でまとめ買い。含み益を抱えた状態で長期保有することに成功している。実際、RYUさんの持ち株(6月8日現在)を見ると、多店舗展開のクリエイト・レストランツHDの25万7000円、配当とジェフグルメカード優待の合計利回りが年率5%近い日本商業開発の39万3000円など、どれも豊富な含み益がありながら着々と優待をもらっている状態はうらやましい限り。
「優待株を新規購入するときは、飲食店なら新店舗の出店余地がありそうか、知名度の向上で業績の拡大が続きそうか、また自己資本比率などもチェックして安全性が高そうか、といった基準で選んでいます。その意味で今、一番買いたい株はカツ丼専門店『かつや』を運営する新潟県地盤のアークランドサービスHD。11期連続増収増益が続いていて、関東圏を中心に出店余地が豊富な点も魅力です」